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目眩く刹那  作者: AKIYUZURI
3/6

卯月の息吹【3】

3【面倒事には妙案を】


面倒なことになった。

嶺嵐高校の部活動説明会は一日のみで、説明を受けられる部も三つまでとなっているようだった。先述の通り、俺はまだ文化部から選ぶということ以外、何も決めていない。

いくら俺が部活動に思い入れがないからと言っても約二年半、行きたくもない部活に通う羽目になるのは避けたい。


「参ったな。まだ三つに絞ってない…。」


「そうなんだ…。文化部って言ってたっけ?この学校、文化部多いから…。」


どうやら事態は思ったより深刻だ。


「どんな部活があるか、どこかに一覧でもないか?」


「うーん……。あっ、あそこに。」


準備の良い担任を持って幸運だった。

黒板の校内見取り図の横に、もう一枚。「部活動一覧表」なるものが貼ってある。席から立って、近付いて見る。

どれどれ……。


【文化部】 【同好会】

・囲碁将棋部 ・クイズ研究会

・演劇部 ・映画研究会

・美術部 ・外国語研究会

・文芸部 ・コンピュータ研

・写真部 究会

・物理部 ・文化研究会

・科学部

・生物部

・地学部

・吹奏楽部

・弦楽合奏部

・軽音楽部

・合唱部

・書道部

・料理部


なるほど。確かに一般の高校より多いような気がする。なにしろ、理科系の部が分野別に四つもある。そのうえ、同好会まで含めると全部で20個の部があるようだ。この中から三つにか……。


「絞り込めそう…?」


ふと横を見ると、いつの間にか一緒に一覧表を眺めていた小鳥遊が、心配そうな顔で尋ねてきた。俺なら隣の席の人間がこのような事態に陥っても、事情を知らなかったことを少し気の毒に思う程度で終わりだろう。しかし、彼女は俺を本気で心配しているようだ。困っている人を放っておけない性分なのだろうか。


「少し難しそうだな…。」


時間まではまだ10分ほどあるため、どうにかして絞るつもりではいたが一応、二年半を過ごす場を決めるのだ。多少は悩むだろうと思ってそう答えた。すると


「私と……一緒に…回る……?」


周囲の時空間の凍結を観測した。

一緒に…か。俺らは昨日からだが、一応もう高校生だ。部活動説明会ぐらい「友人と同じ部活に入りたい」とかでもない限り、自分の入りたい部活へ各々で行くべきだろう。

……と考えて気付いた。


そうか。俺は今、特に入りたい部活がある訳では無い。何もこの説明会で訪れた部に入部しなければならない訳でも無い。ならば、別にどこに行っても同じ事だろう。


そしてなにしろ……


━━ 悩むのにも体力を使う。


「あっ……いや、ごめん!迷惑だよね!そうだよね!部活ぐらい自分で決めるよね!本当にごめん!私、もう行くから……」


小鳥遊は頬を赤らめ、一人で慌てふためいている。その様子が妙に可笑しかった。

俺は、教室から出ようとする彼女を呼び止め


「いいや、迷惑じゃない。一緒に行こう。悩むのも面倒だ。」


と伝えた。

小鳥遊は一瞬、困ったような顔をした後、安堵したように微笑んだ。

googleのメモ帳アプリに書いていたものに修正を施して投稿しているのですが、この方法をとっている方は多いのではないでしょうか。


聞くところによると、このサイトに投稿された作品の幾つかは書籍化され、アニメ化もしているようですね。未だ陽の当たらぬ才が潜んでいるかもしれないと思うと、つくづく可能性に溢れたサイトであることを実感します。

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