24話
夏休みが終わり、久しぶりの学校だった。
クラスの皆は久しぶりに会う友達に、夏休みに家族で旅行に行った事や海に行った事等、いろんな話で盛り上がっていた。
私達は6人で恭子と浩司の事や香奈枝の誠への恋話など、私がいつ明に返事が出来るか、そういう話をしていた。
今日は始業式だから学校も早く終わる。
学校が終わったら、皆で久しぶりにファミレスに行こうという事になった。
始業式が終わると、しばらく皆で話をしていた。
クラスの皆も久しぶりに会う友達と話に夢中になって、なかなか帰ろうとしていなかった。
そろそろファミレスに行こうか。という事になった時だった。
クラスの皆がざわめき出したのである。
「何? あの人達、怖い」
クラスの中の1人が突然口にした。
皆、窓から外を見ていた。
何だろう? と思い、私達も窓の外を見たのだった。
すると、いかにもヤンキーらしき男達が30人位だろうか……。
学校の正門にいたのだった。
よく見ると、その中に加奈子先輩をレイプした男、金山 武史がいた。
「あいつ、あたし達が仕返ししたのを逆ギレして、男達を集めて来やがった。全く反省してない証拠だな」
恭子がそう言ったその時だった。
加奈子先輩が走って来たのだろうか、息を切らしながら、私達のクラスにやって来たのだった。
「楓ちゃん、皆!」
私達は先輩の所に皆で駆け寄った。
先輩は体が震えていた。
「きっと、皆に仕返しに来たのよ。どうしよう。あんなにたくさんの男達を連れて……」
私達は皆で話し合った。
ここで逃げる事は簡単だが、武史の汚いやり方に腹が立って仕方なかった。
そこで、私はある提案を出した。
「先輩。お願いがあるんだけど」
「何? 何でも言って。私に出来る事なら」
私達は男達について行く事にした。
そして、先輩には男達に分からないように後を着いて来てもらい、私達を連れて行った場所が分かり次第、ファミレスに行って、明という男に居場所を伝えて欲しいと。
「分かったわ。明さんという人ね。でも、皆、大丈夫なの?」
「ここで逃げたら、処女同盟の名が泣く。先輩、あたし達の後を着けて行くのは怖いだろうけど、くれぐれも見つからないように気をつけてくれ。あたし達の事は心配しなくて大丈夫だから、とにかく明達を呼んで欲しい」
私は先輩に頼んだのだった。
そして、クラスの皆には裏門から帰るように伝え、私達は堂々と男達が待つ正門に向かったのだった。
「よう! 久しぶりじゃないか。今度はこっちがお前達に仕返ししてやる!」
武史が笑みを浮かべながら言った。
「こいつらか、威勢のいい姉ちゃん達は!」
ヤンキー風の男の1人が言った。
すると、皆して私達の両腕を掴み、身動きが取れないようにしたのだった。
「あんたら、武史が何したか分かってんのかよ?」
恭子が真っ先に言った。
「ああ。知ってるぜ! おめぇ達にもいい思いさせてやるからよ!」
「武史。お前はほんとに腐ってやがるな! 1人じゃ何も出来ねぇのかよ?」
弘子が怒りをあらわにして言うと、身動きが取れない弘子の顔を武史が殴ってきたのだった。
「いいから黙ってついて来い!」
私達は言われるがままに連れて行かれたのだった。
この人数じゃ絶対に敵うはずがない。
しかも両腕を掴まれて、身動きが取れない。
先輩……。
どうか、見つからずに明達を連れて来てくれ……。
私はそう願っていた。
しばらくすると、港にある大きな倉庫に着いたのだった。
私達はそこに放り出され、6人で寄り添った。
「ふん! 女6人相手にこんな大勢で、お前ら、ハンパもんだな!」
私は武史が許せなかった。
それは皆も同じだった。
先輩をレイプして、私とタイマンはって負けたにも関わらず、反省すらしていない。
「さあ、ショータイムの始まりだ。覚悟するんだな!」
武史が威勢よく言うと、男達が私達に殴る蹴るの暴行を始めたのだった。
私達も力のある限り戦おうとした。
武器を持っていない私達は、腕に噛みついたり、髪を引っ張ったりして反抗した。
だが、相手が多すぎて敵わない。
そして、私達は体を押さえつけられ顔や腹を何度も殴られた。
「こんなに大勢の男で女を殴るなんて、最低だな! お前ら!!」
私がそう言うと、武史が私の顔を殴ってきたのだった。
「ふん。お前らはもう終わりだ! あの女と同じ目に合わせてやる。しかも今度はこの大勢の男達からな!」
武史は大勢の男達を連れていたせいか、粋がっていた。
私達はもう、立つ事すら出来ないくらいになっていたのだった。
男達は動けなくなった私達を、今度はレイプしようとした。
その時だった。
パラリラパラリラという音とバイクをブンブンいわせる音が聞こえた。
私は音のほうを見るとケンメリが止まっていた。
その周りには、いかににも暴走族といった男達がバイクに乗っていたのだ。
ざっと50人位だろうか?
そして、ケンメリから明が降りてきた。
暴走族を見て、武史や男達が逃げようとしたが、明が大きな声で暴走族の皆に言ったのだった。
「おめえら、こいつらを1人残さず逃がすんじゃねぇっ!!」
明の一言に暴走族の男達はバイクで男達を囲った。
そして、明は私の元へ来て優しく抱きしめたのだった。
「俺の女に手ぇ出しやがったのはどこのどいつだ!! 出て来やがれ!!」
浩司は恭子の元へ、誠は香奈枝の元へ、他の皆のところには、明が連れて来た暴走族の仲間達が側に行き、助けてくれたのだった。
私は意識がもうろうとしながらも
「明、来てくれたのか? あ、ありがとよ」
「楓、もう心配すんな。俺達がケリつけてやるからよ」
そう言って、明達は私達を殴った男達と武史に殴りかかっていった。
私はそのまま意識を失ったのである。
「俺の女に2度と手ぇ出すんじゃねぇっ!! このハンパもんがぁっ!!」
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気がつくと、私は明の膝の上で膝枕した状態でいた。
「み、皆は?」
私が聞くと、明は私の頭を優しく撫でながら
「皆、酷く殴られたけど大丈夫だ。安心しろ」
それを聞いて、私は安心した。
「明、もしかして、族に入ってたのか?」
「ああ、俺は暴走族の総長だ。別に隠してたわけじゃねぇけどよ。こんな事、威張って言う事じゃねぇし。俺達の族仲間は、皆硬派だ。漢の中の漢ばかりだ。あいつらみたいなハンパもんじゃねぇ」
「明、助けてくれてありがとよ。あたしは……明が好きだ……返事が遅くなっちまってごめんよ」
私は明にやっと言えたのだった。
「楓、俺はいつまでも待つって言っただろ? これで堂々と俺の女だって言えるな」
明は嬉しそうに言った。
「あ? さっき、俺の女って言ってなかったか?」
私の問いに、明は少し照れているようだった。
「そうだったか?」
そして、2人で笑ったのだった。
「加奈子って人。仲間にちゃんと送らせたから安心しな」
先輩。私達の後を着いて行くの怖かっただろうに……。
私は先輩に感謝したのだった。
浩司は恭子の事を心配して、何度も何度もどこが痛いか? 大丈夫か? と聞いていた。
あまりにもしつこく聞いてくる浩司に対して、恭子は
「うっせ~んだよ! 静かにしろよ! 痛っ!」
「大丈夫か? 恭子~!! どこが痛いんだ! 俺が撫でてやるぞ!」
相変わらずな2人を見て尚更安心したのだった。
そして、香奈枝は誠に告白をした。
誠はいつもクールそうに見えていたが、実は凄く恥ずかしがり屋で照れ屋との事。
明に教えてもらったのだった。
どうやら誠も香奈枝の事が好きだったらしい。
香奈枝の甘えん坊な所が可愛いと言っていたとか。
私達は色々あったが、これからも『処女同盟』は続けて行くつもりだ。
レイプされた女性を1人でも多く、その無念を晴らす事が出来る事を願って。




