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スマホアプリで俺が創った女神様そっくりの美少女が転校してきた。  作者: 坂井ひいろ
第四章

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054 ぼっちの心

 他人の告白現場に立ち会うなんてめっちゃ緊張するだろが。しかも、男子ならともかく女子の応援なんて聞いたことないぞ。俺の嫁となった神崎未来かんざき みらいのたっての頼みだから断りずらいんだけど・・・。俺は一緒に頼まれた幸田一馬こうだ かずまに尋ねる。


「なあ、一馬。富山修とみやま しゅうくんは来てくれるのかなー」


 いつもは閉鎖されている学校の屋上。黒木アイがクリップをまげて、カギ穴に差し込みいとも簡単に開けてしまった。AI生まれってのは本当に何でもできちゃうんだなって感心させられる。


 が、美少女育成アプリから生まれたのに、恋が苦手の黒木くろきアイの存在ってどうなんだろう。捨てられたAIかー。


 グラウンドを見下ろして、運動部の動きを目で追っている一馬は振り向く。陽の光を受けて輝く一馬。美少年顔にハッとさせられるが、だいぶ慣れたぞ。


「美人に告白されるなら来るだろ」


「そうか。俺が彼の立場なら絶対にこんぞ」


 一馬は口をお大きく開けて大げさに驚く。


なんでだ」


「一馬はイケメンだから理解しがたいだろうが、ぼっちは注目されるような相手には手を出さん。だいたいにして、不釣り合いな相手は本人同士がOKでも周りが許さんだろが。嫉妬の視線ほど恐ろしいもんはない」


「そう言うもんか」


「そう言うもんだ」


 ちょっと前までの俺と、現在の富山修くんの立場は似ている。ぼっちは晴れ舞台にのぼるなんてことはしない。現に、やつは黒木アイがラブレターに書いたお昼休みの呼び出しをすっぽかしている。


「大丈夫さ。その為の未来ちゃんだろ」


 俺の気持ちを察した一馬が答える。が、それは所詮、上位カーストに属する者の理論だ。


「火に油を注ぐようなもんだと思うぞ。美少女二人に迫られたら、クラスの男子に何を言われるか。ことと次第では、命の保証もないんだぞ」


「大げさな」


「大げさなもんか。視線と言うのは心にグサグサと突き刺さるんだ。未来の時に体験して、俺は肌で実感したぞ。小心者の俺の心臓がキューとなったわ。後もう少しでストレス死するところだ」


「だが、結果としてピンピンしてる」


 ぐぐっ。痛い所を・・・。


「俺だって萌奈美ちゃんに告白した時は生きた心地がしなかった」


「イケメンの一馬でもか」


「イケメンとか関係ないだろ。その結果、前に進めた。人間なんてのは、黙っていたってなにも伝わらない。言葉にして、文字にして初めて思いが伝わるんじゃないか」


「そうだな。が、二次元オタクが三次元に興味を抱くかが心配だぞ。今の美少女育成アプリはぼっちの心をガッチリと掴んで離さない」


「だから大樹がいるんだろが。その二次元生まれの未来ちゃんと結婚までした大先輩として」


「俺は見せもんじゃねー」


「地球を救うヒーローはある意味、見せもんだぞ。実際、大樹と未来ちゃんの結婚式の動画は公開されているし」


 そうなのだ。捨てられたはぐれAIを説得する為なのに、何故か一般の動画サイトにまで拡散してしまっている。名前こそ載っていないが、AIにしかわからない特殊な暗号で、俺と未来の馴れ初めがデータで埋め込んであるらしい。いずれこれもハッカーに解読されたりして。ネットの世界は恐ろしい。


「こんにゃろが」


 俺は一馬の足を軽く蹴った。


 ちょうどその時、屋上のドアが開いて未来と黒木さんが顔を覗かせる。後ろにクマの着ぐるみが・・・。失礼した。もとい、クマさんみたいな丸っこい男子が現れる。


 オロオロしちゃって・・・。死刑執行人に連行される犯罪者みたいだ。俺もあんな感じだったのかと思うと赤面せずにはいられない。


「えっと、こちらが私の旦那の常田大樹ときだ だいき


 はあっ。未来、いきなりその紹介は無しじゃないか。って『クマキチ』くん、そっちは一馬だぞ。『クマキチ』くんは明らかに俺の方を指さす未来を無視して、一馬に向かって挨拶した。


「一組の富山修です」

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