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スマホアプリで俺が創った女神様そっくりの美少女が転校してきた。  作者: 坂井ひいろ
第四章

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049 ぶちゅー

「ところで、黒木さんはどんな男子が好みなんだ」


 幸田一馬こうだ かずまの質問に黒木くろきアイはうつむいてモジモジしだした。マジかよ。黒木アイ、可愛いじゃないか!そんな顔もできるのか。初めて会った時とはえらい違いだ。この顔一つで、県立山瀬南高校の男子なんてイチコロだぞ。


「えっと、私を愛してくれるなら誰でも」


 んがっ!ハードル低っ。トップアイドルを凌ぐ顔に、ファッションモデルだってたじろぐ完璧なスタイル。AI譲りの知能に、アスリート顔負けの運動神経。無敵だと思うんだけど・・・。狂喜乱舞する県立山瀬南高校の男子達の顔が思い浮かぶわ。


「黒木さん。AIは相手を選べないなんて思ったらだめだよ。黒木さんはもうちゃんと人間なのだから、自分の意志をちゃんととおさないと」


 神崎未来かんざき みらいが優しく語り掛ける。なるほど、AI美少女アプリはプレーヤーを選べんもんな。こんな純真な少女を、自己中男子が集う県立山瀬南高校に解き放ったら大変なことになるぞ。


 男子の好みがないなんて知れたら全員応募してきてもおかしくない。『黒木アイ彼氏獲得作戦!』波乱の幕開けかも知れない。いっそ、全員が役不足と言ってくれた方が探しやすいんじゃないか?


 黒木アイは困り顔で背中を丸めて肩をすぼめる。未来のコンピュータールームでキーボードを神業のごときスピードで操作していた、凛とした姿からは想像もできないじゃないか。


「取りあえず黒木さんのロッカーに山ほど入っていたラブレターから抜擢するとか」


 黒木アイは嬉しそうにパッと顔を上げた。よしよし、やっぱり遠くの美男子より、身近な男子の方が恋は育まれると言うものだ。俺、冴えているわ。


「半分以上は女子からのお手紙なんだけど、女子でもいいのかな?それ、素敵なアイデアだ。大樹くん、ありがとう。そうだよね。うん、男女で差別するなんて私は間違っていた」


 黒木アイはウンウンとうなずき一人で納得している。


「えっ、ええー。黒木さんは女子が好みなんですか!」


「はい。私、立候補します!」


 幼なじみの矢島萌奈美やじま もなみが嬉々として保育園児みたいに手を上げる。萌奈美、話がややこしくなるだろが。


 しかし、予想外の展開だ。よりによって黒木さんが百合系だったとは。そりゃーまー、これほどまでに美少女なら女子もほっとかんってか。


 それにしても県立山瀬南高校の草食男子、ふがいないぞ。あれっ、ちょっと前まで俺がその代表格だったような。ここは俺が一肌脱ぐしかない。女子が女子と結ばれる世の中になったら、子供が生まれなくなって人類が滅ぶだろが。


「女子は普通に友達で良いんじゃないか。世の中に男子と女子がいて、互いに引き合うのが人間らしいと思うもんだぞ」


「男子はむさくて臭いけど、女子はポニョポニョして可愛いぞ」


 萌奈美が黒木アイの手を取って自分の胸に押し付けている。このー、変態ポンコツ女子めが!一馬の目が泳いでいるぞ。


「萌奈美。お前の彼氏は一馬じゃないのか」


「一馬は美少年で大樹みたいに男臭くないし。アイちゃんは別腹かな」


 ぬっ。黒木アイはデザートかよ。いつの間にか、呼び方が『黒木さん』から『アイちゃん』に変わっとるし。萌奈美の美しいもの好きには、美食家もグルメ評論家もタジタジだな。食いもんならいざ知らず、恋愛にその理屈を持ち出すとは、問題外だ。


「んじゃ、俺も」


 イケメン幸田一馬こうだ かずまが爽やかに手を上げる。こっ、こいつもか。一馬、萌奈美の毒がそこまで回ったか。


「んぬっ、一馬くん。あっちで話をしようね」


「いてっ。萌奈美ちゃん、耳が千切れる」


 一馬は萌奈美に引き立てられて廊下に連れ出された。可哀そうな一馬、萌奈美は手加減なしだかんな。おいたわしいこって。


 あっ、ばか。萌奈美。ぶちゅーって、あのー、そっちですか。一馬、ドアしまっとらん。丸見えだぞ。俺が目を逸らした先に未来がいた。未来は羨ましそうに二人を見つめている。


 はー。何だこりゃー。俺は未来の頭をナデナデして気持ちを静めてあげるしかなかった。

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