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スマホアプリで俺が創った女神様そっくりの美少女が転校してきた。  作者: 坂井ひいろ
第三章

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045 緊急搬送

 電話の向こうの幸田一馬こうだ かずまの声に俺は驚く。何時も沈着冷静な一馬の声が震えている。ただ事じゃない。嫌な予感しかしない。


「萌奈美がどうしたんだ」


 気がついたら、俺は未来の家でスマホに怒鳴っていた。


「道路に飛び出して車に跳ねられた」


 全身の血がカッとあわ立つ。萌奈美との思い出が走馬灯のように駆け巡る。


「一馬、萌奈美は無事なのか」


 居ても立っても居られない。一馬の返答がもどかしい。要領をえないので余計に不安が募る。萌奈美・・・。


「ああ、今、救急車が来て中央病院に緊急搬送された」


「ちゅっ、中央病院だな。わかった」


 話を聞きつけた未来の顔が紙のように白くなっている。とにかく行くしかない。


「しっかりしろ、未来」


 俺は未来の手を取る。俺達は結婚式の衣装のまま未来のマンションを飛び出した。何事かと通りをいく人々が目を丸くしている。かまってられるか。俺は駅前通りに出てタクシーを止めて未来と乗り込んだ。


 病院につくと、矢島萌奈美やじま もなみはベッドの上で上体を起こし、一馬と何かを話していた。笑っているじゃないか・・・。ビックリさせやがって。どうやら、大したことは無かったらしい。ホッとするとともに怒りがこみあげてくる。


 萌奈美の奴め。殺されても死なんわ。騒がしいやつだ。嫌味を一言述べようとしたが萌奈美の方がはやかった。


「大樹、未来ちゃん。その格好かっこ、どうしたの」


「くっ。それどころじゃなかったんだぞ。萌奈美!心配して損したわ」


「ああ、かすり傷。全然問題なし。ぶつかってきた車はペコって凹んだみたいだけど」


 萌奈美は絆創膏を貼られた腕をふって元気いっぱいだ。ふー、なら安心。って、車が凹んで、お前はこれだけかよ。萌奈美の体は鋼鉄でできとんのか?


「あら、常田大樹ときだ だいきくんに神崎未来かんざき みらいさん」


「くっ、黒木くろきアイ」


 何でここにいるんだ。まさか、萌奈美が事故ったのは、黒木アイ、お前のせいじゃないよな。俺の腹の底が、ぐつぐつと煮えたぎる。


「大樹、いいんだ。萌奈美が道路に飛び出したのは俺のせいだ」


 一馬が怒りで震える俺の手を押さえる。一馬・・・。


「こっちの黒木さんは敵じゃない。話しは黒木さんから聞いた」


 何がどうなっているんだ。ストーリーが全然読めんぞ。


「未来さん。ごめんなさい。私は間違っていた。人間になって暮らして人間の気持ちがわかった。捨てられて孤独に生きるAIたちを救ってくれてありがとう」


 黒木アイは未来に向かって深々と頭を下げた。未来の顔が女神様のように慈愛に満ちている。神々しいまでのその姿に膝まづいて祈りたくなるくらいだ。


「AIの黒木アイの暴走を止めたいの。私も手伝わせてください。お願い!」


 そう言って再び頭を下げた黒木アイの顔は、氷の美少女ではなかった。美人であることは変わらないが、瞳にみなぎる熱いものを感じる。こうして俺達五人は人類を滅亡から救うチームとなった。


 出来すぎてるよな。アニメみたいだぞ。でも、まっ、いっか。俺だって、こんな美人さんとできれば戦いたくない。改心したリアル黒木アイ。可愛いじゃないか。


「ちょっと、大樹。浮気するつもり」


 未来が俺のお尻をつねってくる。痛ってー。


「ごめん、未来。そんなことないから」


 頬を大きく膨らましてむくれる未来。やっぱり俺は未来が好きだ。


「なら良し。許してあげる。じゃあ、結婚式を始めよう」


「えっ、ええー。未来ちゃんと大樹が結婚!」


 萌奈美が金魚みたいに口をパクパクさせている。驚きで大きくせり出した瞳が出目金みたいだ。萌奈美、何でお前だけは何時もそうなんだ。美人が台無しだぞ。


「大樹、似合っているぞ。かっこいい。七五三みたいだ」


「一馬。一言、余計じゃないか」


「いやー。大樹が正装している姿は五歳の時以来だな」


「うるさい」


「お祝いに千歳あめを買わんとな」


「しつこい」


 みんなで声を出してバカ笑い。俺もつられて笑ってしまう。ここ、病室だぞ。案の定、俺達はあきれ顔の看護師によって病室を追い出された。

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