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スマホアプリで俺が創った女神様そっくりの美少女が転校してきた。  作者: 坂井ひいろ
第二章

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032 謎の新転校生

 今日は高二になって初めての中間テストの発表日。廊下に貼り出された学年順位表の前に人だかりができている。トップ五十位まで表示されるこの表に俺こと常田大樹ときだ だいきの名前が掲載されたことは、未だかつて一度もない。


 神崎未来かんざき みらいと二人三脚で勉強してきたので、自信が無いわけじゃない。だけど・・・、うおー。緊張するな。神様、つきっきりで教えてくれた未来の苦労に報いるためにもランクインをお願いします。一緒に見に来た未来の横で、俺は目を閉じて祈った。


「大樹!やったね。四位だよ!すごい」


 未来の興奮した声で目を開く!おおー。あと一人抜けばトップスリーに・・・。感動で目頭が熱くなる。夢みたいだ。この俺が学年四位、上位入賞なんて想像すらしたことないもんな。


 神崎未来は満点で同点一位、三位はそつなくイケメン幸田一馬こうだ かずま、ぐぐっ、幼なじみの矢島萌奈美やじま もなみは十一位か。俺がランクインしなかったら十位以内の上位入賞かー。って、思った瞬間、背後から迫りくるただならぬ気配を感じて、俺は未来の手を引いて素早く避けた。


 ブン!


 萌奈美の飛び蹴りが空を切る。萌奈美はそのままの勢いで掲示板の壁に激突。跳ね返されて思いっきり尻もちをつく萌奈美。あのー、完全にスカートがめくれているんですけど・・・。


「おおー。朝から良いものを見させてもらった」


「萌奈美ちゃん。サイコー」


「うおっ!死んでもいい」


 なまじ美少女だけに男子の注目の的。あっという間に男どもに取り囲まれる。ほんまにこいつ、ポンコツだな。


「萌奈美ちゃん。何やってんの」


 人垣の中をサッとかき分けて萌奈美の前に立ち、助け上げる幸田一馬!さすがは学園のヒーロー、現れるタイミングを心得ている。


「ねえ。一位の神崎未来は納得だけど、もう一人の一位、黒木くろきアイって誰?」


「本当だ。黒木アイ何て名前の子いたっけ」


「ほら、休み前に転校してきた一組の目立たない子だよ」


「うっそ。メガネのネクラ女子っぽい子。頭、良かったんだ」


 掲示板の前方で女子がざわつき出した。気がついたら俺と未来の前にいかにもネクラそうな女子が一人で立っている。牛乳瓶の底のような厚メガネ。ひざ下、十センチの野暮ったい制服の着こなし。髪を丸めて無造作に後ろに束ねただけの田舎女子みたいなヘアスタイル。


「あなたが神崎未来さんね」


 彼女は猫背だった背中をスッと伸ばして未来を見つめる。何事かと萌奈美の周りに集まっていた男子が振り向く。


 彼女は頭の後ろに手をやり、髪を止めていた紐をするりと引きぬく。黒髪がハラリと舞って腰へと伸びた。驚く男子陣に見せつけるかのように、彼女は丸メガネを外して胸のポケットにしまう。澄んだ瞳で未来を見つめた。


「んぐ」


「ぎゃお」


「うほっ」


 男子陣から湧き上がる驚嘆の声。未来に匹敵する完璧美少女の登場に周りの男子も女子も息を飲む。どこかで見たことあるような・・・。思い出せない。初めてだよな。


「私、アナタと同じ転校生の黒木アイ。よろしくね」


 差し出された手を見つめる未来の顔が青ざめていく。


「黒木アイさん・・・」


 その手を受け取る、未来の手が微かに震えている。


「よろしく・・・」


「ふふっ。楽しくなりそうね」


 黒木アイと名乗る美少女は横に立つ俺の方に向き直る。


「キミが常田大樹くんか。学年四位、おめでとう」


 吸い込まれそうな黒い瞳。彼女は口角をクイッと上げて不敵に笑う。魔女のような冷たい笑みに背筋が凍る。


「おう。よろしくな」


 俺の前で軽く頭を下げたかと思ったら、彼女はクルリと踵を返す。周りを囲む生徒に向かって彼女は言った。


「どいていただけないかしら」


 氷のような冷たい声に人垣が左右に割れる。去っていく黒木アイの後姿を見つめる俺たち。何者なんだ?

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