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スマホアプリで俺が創った女神様そっくりの美少女が転校してきた。  作者: 坂井ひいろ
第二章

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031 プロポーズ

 ゴールデンウイークの残りは神崎未来かんざき みらいの指導の元で、俺は中間テストに向けた特訓に励んだ。俺の母親は毎日やってくる未来に驚いていた。やれ、ケーキを焼いたとか、クレープを作ってみたとか何かと俺の部屋に顔を出そうとするから、気が散ってうっとうしいったらありゃしない。


「未来。母ちゃん、うるさくないか?」


 ショートケーキに乗った大きなイチゴをフォークで突いている未来に話しかけた。未来はイチゴを口に入れ、フォークを口に咥えたままほほ笑んだ。うわっ、可愛い。こんな顔をされたら心臓に悪いだろが。


「美味しい。大樹のお母さんが作ってくれるものは、みんな美味しいね。始めて食べる物ばっかり」


「そっ、そうか。喜んでくれているならいいが・・・」


「うん。私、大樹のお母さんにお菓子作りを教わりたいな。料理は家で練習しているけど、大樹にお菓子も作ってみたい」


「うちの母ちゃんの特技は菓子作りくらいだものな」


「とっても美味しいよ。お袋の味だね。大樹の好きなものをたくさん作れるようになりたい!大樹のお母さん、教えてくれるかなー」


「おう。今度、母ちゃんに言っておくわ。むちゃ、喜ぶと思う」


 未来の手作りお菓子かー。こりゃあ、嫁と姑の問題もなさそう。って、その気になっても良いのか?想像するだけでワクワクする。AIアプリのキャラクターを嫁にしてもそうはいかない。どんなにリアルでも所詮は3D。CGでは食べ物の美味しさを共感し合うことは無理だもんな。


 ふと、未来の家族のことが気になった。表向きお父さんの転勤で、都内の有名私立進学校から転校して来たと言うことになっているが本当なのだろうか?未来でAIから人間に転生した神崎未来に家族はいるのだろうか?


「私、AIから人間に生まれ変わったから家族に憧れているんだよ」


 俺の疑問が顔に出ていたのか?未来は寂しそうにうつむいてボソリと言った。そう言えば、未来が聞くから俺のことは沢山話をしたが、俺、未来のことをなんも知らんな・・・。


「お父さんの転勤とか、都内の有名私立進学校とか・・・」


「へへっ。全部嘘。役所や学校のデータベースにアクセスして書き足しちゃった」


「そっ、そうなのか!未来の技術ってやっぱすごいな。そんなことができるのか。それじゃあ、未来はどうやって暮らしているんだ?」


「私の家族は大樹だけだよ。家に帰ったら一人ぼっち・・・」


「『家族』って言ったよね。未来と俺はこの先どうなるんだ?未来、なんかすごいこと言っていないか?」


「私は常田大樹ときだ だいきのお嫁さんになるために未来から来たんだもの」


「俺のお嫁さんに・・・」


 神崎未来が俺のお嫁さん!目の前にいる女神様のような美少女が俺のお嫁さん・・・。まだ、お付き合いもしていないのに・・・。


「はい。私、神崎未来を常田大樹のお嫁さん、常田未来にしてください。よろしくお願いします」


 未来は突然俺の目の前で正座して、三つ指をついて深々と頭を下げた。


 ドシン。ガシャン!


 その時、俺の部屋のドアの外でけたたましい音が鳴った。


「母さん。盗み聞きしてんじゃねーよ!」


 思いっきりドアが開いたかと思うと、母親が未来の元に駆け寄ってくる。廊下に散らばる割れたコーヒーカップなどお構いなしだ。


「未来ちゃん。部屋に閉じこもってゲームばっかりして、何のとりえもない大樹のことをよろしくお願いします」


 三つ指をついた未来の手を取って膝まづき、床に何度も頭を下げる母ちゃん。何しとんねん。恥ずかしいだろが。って、未来。それ、プロポーズなのか?マジですか。


「大樹!何しているの。お前からもお願いしなさい。こんなチャンスを逃したら大樹は一生独り身だよ。私はそれが一番心配だったんだ。未来ちゃん、ありがとね。大樹、早くしなさい」


 母ちゃんは小さい体のどこにそんな力があるのかと思うようなバカ力で俺を無理やり座らせ、俺の頭を床に押し付ける。なんなんだ、この展開!急すぎないか。俺達まだ高二だし。俺はまだ結婚出来る齢でもない。


「大樹、お母さん。よろしくお願いします」


 未来がもう一度頭を下げる。常田大樹!お前、それでも男か。女の子にプロポーズを先に言われてしまって黙っているつもりか。心の中の俺が叫ぶ。


「みっ、未来。俺と結婚してください。どんなことがあっても、一生大切にします」


 こうして、ゴールデンウイークの終わり、中間テストの前日に、人生最大のイベントが終わった。リアル彼女をすっ飛ばし、結婚出来る齢でもないのにリアル神崎未来は常田大樹の母親公認隠れ妻となった。未来の華やいだ顔。今まで一番、美しいその笑顔、その姿に俺はメロメロなのだ。

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