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スマホアプリで俺が創った女神様そっくりの美少女が転校してきた。  作者: 坂井ひいろ
第二章

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028 プールにドボン

「大樹、悪い。邪魔したな」


 幸田一馬こうだ かずまは、神崎未来かんざき みらいの顔を認めて目を白黒させながらも、矢島萌奈美やじま もなみの手を取る。


「帰るぞ、萌奈美ちゃん」


 一馬らしい場慣れしてた気の利かせようだ。状況判断が素早い。こう言うところが、イケメンでも敵を作らずに頼られ男子でいられる処世術なのだろうか。常に笑顔は絶やさない。


「えっ、うん」


 萌奈美はまだ、自分がお邪魔虫であることの状況がつかめていない。ポカンとした顔して呆けている。


「待ってくれ。一馬、萌奈美。一緒にプールに行かないか」


 未来と二人っきりでプールに行って、手取り足取り泳ぎの指導をされたら俺の理性が持つとは思えない。二人には悪いが、これは神が与えたチャンスかもしれない。未来、ごめん。せっかくのデートの誘いだけど、俺、まだ自信ないわ。


「未来、二人と一緒でも良いか」


「うん。大樹がそれで楽しめるんなら私も嬉しい」


 未来は満面の笑みを作って一馬と萌奈美に同意を求める。


「っと、言う事だ。一馬、萌奈美。一緒にプールに付き合ってくれ」


 俺は二人に頭を下げた。一馬と萌奈美の二人は窓から去っていく。こうして俺達四人は近所の市営プールに遊びに行くことになった。


 市営プールは、料金は安いが都会のプールによくあるウォータースライダーなどの気の効いた遊戯施設はない。市のスイミングクラブに所属している、おばちゃんやちんこいガキが真面目に泳ぎの練習をしている。


 一馬は股間もっこりの男子競泳水着をはいている。イケメンじゃなかったらかなり痛い。って、おばちゃんの熱い視線が・・・。


「一馬、恥ずかしくないのか。それ、俺は絶対に無理なアイテムだわ。イケメン専用だな、それ」


「家に取りに戻っている暇が無くてな。プールの売店で萌奈美ちゃんが選んでくれたから。まあ、俺、何でも着こなすから」


 対する萌奈美はピンクのひだ飾りが付いたワンピース水着。心だけじゃなく小学生から体も成長していないのね。てか、小学校のアルバムで見たような・・・。萌奈美。こっちはこっちで痛いわ。


 んで、未来。やべー。シンプルな競泳水着なのに、何故かオーラが・・・。体のラインが完璧すぎて人間離れしてる。って、俺がスマホアプリで作り込んだ体形だったっけ・・・。それにしても目の前で三次元で再現されると心穏やかではいられない。


「未来ちゃん。可愛い!」


 未来にじゃれつくな、萌奈美。うっ、萌奈美の腕が未来の胸に食い込んどるし・・・。目のやり場に困るわ。


 で、俺だが痩せてブカブカだったボクシングのトランク型の水泳パンツがちょっときつい。モヤシみたいだった俺の体は、約一ヶ月間の『一回三分で体スッキリ体操』ですっかり細マッチョな体形に肉体改造されていた。


「大樹、どったの。そのお腹」


 俺の姿を見た萌奈美のグーパンチがすかさず腹に飛んでくる。バチン。俺は割れた腹筋を固くしてそれを受け止めた。


 ぐははは。萌奈美、もうその手は効かんのだよ。俺様の肉体は未来のチート運動プログラムによって無敵となったのだ。ざまあみろ!


「くっ。大樹の癖に生意気な。うりゃー」


 あっ。自分の肉体に頼り過ぎていた。飛んできた回し蹴りを避けたのは良いが、バランスを失って三流コメディアンみたいな格好でプールにドボン。俺、泳げないんだ。


「助けてくれ」


 俺は水の中でもがく。もがけばもがく程にプールの岸から遠ざかる。死ぬ。溺れ死ぬ。せっかく未来と出会えたのに・・・。思い出が走馬灯のように駆け巡っていく・・・。


「大樹。そこ、足つくぞ」


 一馬の声で我にかえる。ふと周りを見ると俺よりちっこい小学生がしれっと俺の横を歩いて通り過ぎていく。気まずい。浅いなら浅いって言ってくれよ。


「大樹!溺れたふりして、未来ちゃんに人工呼吸でもしてもらうつもりだな。どさくさに紛れて未来ちゃんの唇を奪うつもりだろ」


 プールから上がった俺を、心配そうに見ていた未来の顔がパッと華やぐ。


「わっ、わっ。その手があったんだ。萌奈美ちゃん。もう一度、大樹をプールに蹴り落してください」


「そっ、その手って。未来、いくらなんでも無茶だろ。足つくし・・・」


 未来、今、真顔だったよな。真面目にラブコメの上級イベントをしれっと実行するつもりでいたよな。


「ふふっ、残念。ファーストキスはお預けかー」


 俺の側で未来は残念そうに、そう、とても残念そうな顔をしてうつむいた。未来、どこまで本気なんだ!美少女育成アプリから生まれた神崎未来の感性は何処かちょっとズレている。

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