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スマホアプリで俺が創った女神様そっくりの美少女が転校してきた。  作者: 坂井ひいろ
第二章

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022 育成アプリに育成される俺

 あれから一週間が過ぎた。学校ではリアルの神崎未来かんざき みらい幸田一馬こうだ かずま矢島萌奈美やじま もなみの四人と過ごすことが普通になった。最初は恨めしそうな目を向けていたクラスメイト達も、慣れたのか徐々に普通に接してくるようになる。


「大樹。お前、変わったよな。なんか外見だけじゃなくて、『近寄るんじゃねー』的な不貞腐れたオーラが無くなった」


「そっ、そうか」


 体育の授業の休憩中に一馬が話しかけてくる。放課後、スマホの神崎未来に色々なレクチャーを受けているせいで、被害妄想的な変なコンプレックスが少しばかり消えたのだろうか。


「ああ、ネクラな感じが消えて、とっつき易くなった。それと、最近、ちょっと筋肉がついて来たんじゃないか」


 女の子みたいに整った顔をしたイケメン一馬が俺の胸に手を乗せてくる。何度も言うが一馬のまつ毛は無駄に長い。ドキッとするだろが。


「やめろ。一馬、そっちの気もあるのか?」


 俺は逃れるように一歩退いた。自分でも驚くくらいの素早い反応に一馬はあ然としている。一馬は苦笑いを浮かべて否定する。


「悪かった。ちょっとしたスキンシップだ。他意はない。俺。萌奈美、一筋だから。それにしてもやっぱ、大樹、体つきが良くなっているぞ。何か始めたのか?」


 確かに一馬の言う通り、最近、体が軽い。何て言うか、心なしか視界も澄んだような気がする。未来の言う通り、特別ハードな運動メニューをこなしている訳でもないのに。怪しげな通販のキャッチコピーさながらの『一回三分で体スッキリ体操』を未来に教わって実践しているだけだ。それだけ三百年先の未来の技術は凄いってことか。何たるチートなんだろう。


「人間、恋に目覚めると変わるもんだな」


 一馬は小声で呟くと、女子に割り当てられたスペースで優雅に跳ねまわっている未来に目を向ける。本日、女子の体育メニューは体操らしい。マットの上で転がるだけでも未来の動きには切れがあって華がある。萌奈美も負けていないが、ちょこまかとして忙しない。


「イケメンは、恥ずかしいことを抜けぬけと言うな」


 顔が熱くなってくるわ。しかし、男子連中、全員が女子の方を見ているんじゃないか。完璧すぎる女神様の神崎未来とお茶目な美少女、矢島萌奈美。目の保養には持って来いだ。って、体育教師!いい加減に休憩を解け!教師が鼻の下を伸ばしてどないするねん。


「よーし、男子。休憩、終わり。二手に分かれてバレーボールの試合をするぞ」


 んっ。俺の心の声が聞こえてないよな。ちっとばかり焦った。コートに立つと試合が始まる。やっぱ、体が軽いし、関節も柔らかいわ。未来の『一回三分で体スッキリ体操』は伊達じゃない。不思議なことにボールがスローモーションのクッキリと見える。


 あうっ。いつもは一馬に集中している女子の視線が俺の方にも・・・。さすがによそ見をしたらボールが・・・手もとを反れて床に転がる。


「おい大樹、真面目にやれ!」


 後ろから一馬に尻をひっぱたかれた。常田大樹ときだ だいき、本気でやらせていただきます。俺は両手で顔をピシャリと叩き、気合を入れ直して相手のサーブに備えた。


 試合は俺と一馬のチームの圧勝!殆どが一馬の活躍のおかげだが、いつもはまるで絡めない俺も、少しは得点に貢献できた。変わりつつある確かなものをしっかりと感じる。神崎未来は一月で俺を変えてみせると自信満々だが、まんざら嘘じゃないのかもしれない。


 男子連中の俺を見る目が違ってきた。俺が動くとボールを任せてくれるようになった。育成アプリに育成されつつある俺。男子としてちっとばっか情けなさを感じていたが、リアルな実績には脱帽するしかない。

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