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スマホアプリで俺が創った女神様そっくりの美少女が転校してきた。  作者: 坂井ひいろ
第二章

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021 最強のチートじゃんかよ!

 翌日、学校に登校すると何やらクラスメイトの視線がおかしい。男子の視線は『誰だおまえ!』って感じだし、女子の視線が何だか熱い。


「よう、大樹。注目されるって感じはどんなもんだ」


 俺の机の横で、イケメン幸田一馬こうだ かずまが笑っている。神崎未来かんざき みらいのおかげで多少は男前になったみたいだが、自分じゃ自分の顔を見られるわけがないので、落ち着かない。俺は小声て一馬に尋ねた。


「一馬はいつもこんな感じなのか?」


「そうだなー。頭もかけないし、鼻もかめん」


 そいいや中学に入った頃くらいから、一馬のそんな姿を一度も見たことない。いつも清潔そうな爽やか男子。跳ねっ毛もニキビもないし、隈も目やにもない完璧イケメンフェイスを保っている。注目されるってのはけっこう大変そうだ。


「それは不便だな」


「机に突っ伏して寝るななんて問題外だぞ」


「マジかよ」


「ああ、猫背もダメな。女子の夢を壊したらイケメン失格だぞ」


「萌奈美は美少女だけど、普通に鼻くそとかほじっているぞ」


 俺の幼なじみ、矢島萌奈美やじま もなみを持ち出してみる。


「萌奈美ちゃんは別格だから。ああいう妹キャラはちょっとぬけていた方が愛想があって可愛いんだ」


「まあ、一馬は変態のロリコンだからなー。萌奈美は確実に男子どもの夢を打ち砕いてると思うがなー。実際、新しいクラスになって二ヶ月もすると、注目されなくなるし」


「自由奔放、天真爛漫。そんなところがまたキュッとなる」


「おい、一馬!今の話、女子に聞かれてるぞ。クラスの女子が全員自由奔放、天真爛漫、何てことになったら大変だぞ」


「確かに」


 俺と一馬は声をひそめた。その分、一馬の顔が迫ってくる。一馬、頼むから俺に顔を近づけないでくれ!美少女みたいなツルッとした顔しやがってドキっとするだろが。眠気がぶっ飛んだわ。


「一馬、大樹。おはよー!」


 萌奈美が登校してきて、教室の入り口で元気いっぱいに叫んだ。俺と一馬は右手を少し上げてそれに答える。


 萌奈美がこっちに一直線に駆け寄ろうとしたが、途中で女子連中に数人に取り囲まれる。


「ねっ、矢島さん。幸田くんの横にいる男子は誰?」


「誰って、常田大樹ときだ だいきじゃん」


「えぇー。あのネクラそうな常田くん?」


 萌奈美を取り囲んでいた女子が、俺に視線を向けていた女子グループの元に散る。クラスのあちらこちらでヒソヒソ話が始まる。マジに居心地が悪いんだけど。


 更にバットタイミングで神崎未来かんざき みらいが登校してくる。教室に入るなりみんなに笑顔で挨拶してスタスタと机の間を歩き、俺の隣の席に着く。スッと伸びた背すじがモデルさんみたいだ。


「おはよう!大樹。昨日は楽しかったね」


 未来は隣の席からグッと体を寄せてくる。黒々としたツヤツヤの髪からシャンプーの香りが漂ってくる。


「おはよう。未来」


 俺に注がれていたクラスの男子の目が、大きく見開かれたかと思ったら、こっちも目を逸らして何やらグループを作ってヒソヒソ話。なっ、なんなんだ。嫌がらせの怒りの視線攻撃を覚悟していた俺にとっては拍子抜けだ。が、クラス中が聞き耳を立てている気がしてならない。


 一馬も萌奈美も未来とごく普通に朝の挨拶を交わしている。美男美女が三人も集まると学園ドラマみたいだ。見ている分には目の保養になるが、こっちは神崎未来の西暦二千三百五十年の美容テクニックを使ったチートイケメン風男子。注目されるなんてことは人生初めてだし、中身がともなっていない。


「大樹、顔が赤いぞ。熱でもあるのか」


 くっ、一馬のやつめ。ひやかすな。


「大樹らしくない顔してるもんなー。ほら、女子に大注目だぞ」


 ぐぐっ、萌奈美のやつめ。余計なことを言うな。


 そんなこんなで落ち着くことなく一限の授業が始まった。出席の確認の途中で、英語のナンパ教師の顔がきらりと光る。やばい。目が合ってしまった。


「それじゃあ、何かイメチェンした常田くん。教科書を読んでくれ」


 教室中が俺に視線を注いでいる。あの言い方、腹が立つ。って、あれっ。ここ、アプリの未来を通して、昨晩さんざん予習させられたところだ。何度もダメ出しを食らったから、教科書無しでも完璧に覚えてしまったわ。


 俺はスラスラと教科書を読み始める。明らかに失敗を期待していたナンパ教師のにやけ顔が見るみるうちに真剣になっていく。うほっ。気持ちいいんだけど。未来から来た神崎未来。俺の未来を知っているのか?最強のチートじゃんかよ!

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