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スマホアプリで俺が創った女神様そっくりの美少女が転校してきた。  作者: 坂井ひいろ
第二章

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017 大観覧車

 私の名前は矢島萌奈美やじま もなみ。県立山瀬南高校二年八組に通う女子高生だ。成績は学年でも上位をキープ、背は低いがスポーツもそこそこ自信がある。自慢になってしまうが、顔もそこそこ整っていて、世間では美少女と呼ばれている。


 そんなこともあって、子供の時からそれなりにモテる。が、何故か長続きしない。小学校、中学校、高一とクラスが変わる度に注目されてチヤホヤされる。ところが二ヶ月もすると、私の元に残っているのはいつも決まったメンツだ。


 一人目は保育園からの幼なじみ、常田大樹ときだ だいき。知能も運動能力、顔も並。特段の特技なし。早い話が並盛牛丼、オプションもトッピングも無しの男子ってとこだ。家が隣りで、オマケにお互いの部屋が窓を隔てて向かい合わせ。ほとんど兄妹のように育った仲だ。


 そんな大樹が私にラブレターをくれたのは小学校の時だ。大樹とは家族みたいな関係で育ったので、側にいるのが当たり前の空気みたいな存在と思って何の疑問も感じていなかった。


 たけどその時、私と大樹を繋ぐ確かなものが何もないことを悟った。幼なじみとしてこんなに近くにいるのに、一日のほとんどを一緒に過ごしているのにだ。空気みたいな存在が未来永劫、私の側にいる保証はどこにもない。


 兄妹と幼なじみは全く違う存在なのだ。意識した途端に急に息がつまってめまいがしてくる。スポーツでも勉強でも私に勝てない大樹。近所のおばさん達が不釣り合いだと言っている大樹。だから私は未来を掴むために大樹に頑張って欲しかった。


 でも、それは私のわがままでしかなかった。中学、高校と勉強でもスポーツでも差がつくばかり。自分が素直になれないのが原因だろうが、気がついたら大樹にとって私は『迷惑な子』になっていた。


 幼なじみと結婚をする確率はわずか2%だと聞いたことがある。上手くいかない理由は、お互いに知り過ぎていて恋に新鮮味がないだとか。これってもう倦怠期の夫婦みたいなものなのかもしれない。


 大樹の言った『迷惑な子』。この一言が私を決心させた。好きな子と一緒にいるのと、好きでいてくれる子と一緒にいるのとどっちが幸せなのだろうか?


 大樹の言う通り、幸田一馬こうだ かずまはイケメンで性格もとても良い。勉強もできるしスポーツもできる。趣味のバスケでは私の憧れで、ヒーローだ。そして何より、一馬は私を大切にしてくれている。


 だから私は一馬の交際の申し出を受けた。最後に私の元に残る二人、大切な二人。でも、何時までもそのままじゃいけない。わがままな私を待っていてくれた人、一馬。大観覧車のゴンドラの中、私の横に一馬が座っている。


「ねえ、一馬。サンセットランドに来たのは久しぶりだね」


「そうだな。小学校以来だ。萌奈美と二人っきりで大観覧車に乗れるなんて思っていなかった」


 一馬の柔らかな笑顔は私を安心させる。これでいい。大樹は私の家族みたいなものだ。一緒にいると最後はいつもケンカになる兄妹みたいなもの。大切ではあるが、男女の恋や愛に進むには余りにお互いを知り過ぎている。ドキドキもハラハラもない。


「ねえ一馬。大樹のやつ、未来ちゃんと二人っきりで大丈夫かな。ちゃんと話せているかなー」


 そう、常田大樹は転校生の神崎未来かんざき みらいちゃんと二人で一つ後ろのゴンドラに乗っている。未来ちゃんは私とは正反対の美少女。長い黒髪、染みもソバカスもない真っ白な肌、何処までも深い漆黒の理知的な瞳。都会的な匂いをまとった女神様だ。


「どうだろうなー。大樹のやつ、いつもはシャイなくせして今日はやる気満々の服装だったものな」


 私といる時はいつもラフなジャージ姿の大樹しか見たことない。


「ピンクのシャツだもんね。あの大樹がだよ。笑えるよね」


「ああ、でも凄く似合っていた。髪もボサボサじゃないし。なー、萌奈美、気づいたか。髭だけじゃなくて眉迄ちゃんと切り揃えられていたぞ」


「一馬も気づいた?あれ。絶対に大樹一人の知恵じゃないよね。萌奈美は大樹のお父さんもお母さんも良く知っているけど、両親が進めたって感じゃない。ちゃんとした人がコーディネートしたとしか思えない」


「こんな田舎でか・・・」


「それより、未来ちゃんって大樹の知り合いなの?」


「さーなー。萌奈美、気になるのか?」


「ごめん、一馬。今は二人っきりを楽しもうよ。私たち恋人同士で良いんだよね」


「おっ、おう」


 顔を赤らめる一馬を見て私の心はときめいた。一馬は美しい。女性が嫉妬するような整った顔立ち。一馬なら私を幸せにしてくれる。

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