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スマホアプリで俺が創った女神様そっくりの美少女が転校してきた。  作者: 坂井ひいろ
第一章

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016 大樹変身

 ボサボサだった髪を切り揃えてツーブロックのショートに。整髪剤で髪をラフにまとめてからニット帽をかぶる。桜色のシャツに薄手のジャケット、細身のジーンズにスニーカー、胸元には小さな銀の飾りのついた革のネックレス。今までの自分では絶対に着ないコーディネートで俺は駅前の待ち合わせ場所に向かった。


「大樹のやつ、遅いな」


「そうだよね。心配性だから、何時もなら一番最初に来るのにね。未来ちゃんに恐れをなして逃げちゃったりして」


「うんうん。そういうとこあるよな。大樹、昔っから超恥ずかしがり屋だもんな。自己評価が低すぎるんだよなー」


 駅前の改札前に立つ、イケメン幸田一馬こうだ かずまと元気美少女の矢島萌奈美やじま もなみ。勝手なことばかり言いやがって、俺、直ぐ横に立っているんだけど・・・。アプリの神崎未来かんざき みらいは完璧と褒めてくれたけど、声を掛けずらくなった。


「ごめんなさい!遅れちゃった。大樹くん」


 黒髪をなびかせながら改札を抜けて駆けてきた来たリアル神崎未来が俺の前に立つ。桜色のワンピースが華やいだ雰囲気を醸し出して柔らかな笑顔を引き立てる。制服姿の凛としたオーラを放つたたずまいも美しいが、春の妖精を思わせる私服姿に心が和む。


「だ、大樹?」


 目を真ん丸にして素っ頓狂な声を上げた萌奈美が、驚愕きょうがくの表情のまま固まる。


「大樹!どうしちまったんだ」


 一馬は一馬で何度も目をこすりながらガン見してくるし。そんなに変か、俺。バーチャル神崎未来は素敵だと言うが、やっぱ、男子がピンクのシャツとかないよな・・・。恥ずかしくなってきた。一馬の顔がニヤリとなる。


「うはは。大樹、イイ。カッコイイ!すっげーよ、大樹。いつかやってくれる男だと信じていたが最高だ」


「大樹くん。見違えちゃった」


 リアル神崎未来の顔が、ワンピースと同じほんのりピンク色に染まる。その横で、萌奈美が納得いかなそうな顔をしてポツリ。


「こんなの大樹じゃない・・・」


「大樹、未来ちゃんと同じ桜色コーデだな。二人ともすごく似合っている」


「こんなの大樹じゃない・・・」


「本当だ。私たちお揃いだね」


「こんなの大樹じゃない・・・」


「萌奈美。しっかりしろ。どうしたんだ」


 一馬が萌奈美の異変に気付いて彼女の両肩をつかんでガクガク揺らす。萌奈美は放心状態で為すがままに揺れている。


「あっ。えっ。大樹が変なカッコするから、意識がいってた。大樹のやつ、うりゃー」


 萌奈美の遠慮のない蹴りがお尻に飛んでくる。俺は腰を引いてそれをさらりと避けた。へへっ。今日の俺は一味違う。バーチャル神崎未来にメンタルを鍛えられてるし、褒められてちょっと余裕あんのよ。


「うおっ」


 萌奈美の脚が空を切る。バランスを失った萌奈美はフリルのミニスカートのまま尻もちをついた。小学生みたいなカッコしてんじゃねーよ、萌奈美。俺の勝ちだ。てへへ。


「だ、大樹が避けた・・・」


 一馬が手を握って助け上げるが、ガクッと肩を押す萌奈美の姿にちょっとばかり胸が痛む。調子に乗り過ぎた。


「萌奈美。ごめん」


 俺は頭を下げて素直に萌奈美に謝った。


「まあ、お二人さん。楽しくいこうよ。よし、出発だ!」


 一馬が俺と萌奈美の間に割って入り、右手を俺の肩に、左手を萌奈美の肩に乗せて歩き出す。そういや、小学生の頃、萌奈美とケンカした時はいつも一馬がこうやって仲裁してくれたっけ。懐かしい。


「あのー。私も仲間に入れて欲しいな」


 そ、そうなのか。俺の右横で女神の微笑を称えるリアル神崎未来、学校での美しさに愛らしさが加わっている。なんてかわいいんだ。ハートを持っていかれそうだ。彼女がどうぞと言わんばかりに肩を寄せてくる。


 良いのか、手を乗せて?良いんだよなー。


 俺は恐るおそるリアル神崎未来の肩に手を乗せた。一馬と違って丸くて小さくて柔らかい感触にどこまで力を入れてよいのか、指先がとまどっている。


 えーい、常田大樹ときだ だいき。しっかりしろ。これは友情の証だ。手をこまねいていたらかえって変な気持ちがあるみたいに取られるだろが。


 俺は彼女の肩をガシッと握った。リアル神崎未来と目が合う。彼女の口元がゆっくりと上がり、嬉しそうに微笑んだ。

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