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見習い魔法使いが最強に至るまで  作者: 鬼仁雪姫
第7章
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74話 パーティー開催と交流2



「〝魔王討伐の任を与える。............本来であれば何も知らぬお主たちに頼むことで無い事は承知しているがこの世界の危機なのだ。手を貸してくれ。〟そう言われて王が自ら頭を下げたんです。」


「へー、魔王の予兆なんて全くなかった筈なのにな。ファーリアの知的好奇心が招いたことを上手く誤魔化したんだな。」


「昨日も話しましたけど、そのファーリアさんについてですけど。と言っても、千春ちゃんから聞いた事で信憑性は噂程度と思ってもらって構いません。」


「.........。」


「ノトさんが言ったように魔王の予兆は無かったので本来であればあそこで魔王を倒して欲しいという話をどもってしまうのは仕方ない事だと思うんですけど。別の何かの存在を発しようとしてやめたのではないかと千春ちゃんは思っていたようです。私もありのままの様子を伝え聞いてシナリオ通りに進めるなら要らない間では有るなとは感じていたんですけど。実際の所は私にも分かりません。」


「........リア。」


「え? 何か?」


「あ? 俺、今何か言ったか?」


「え、いや。気のせいなら良いんですけど。」



 私には確かに〝リア〟と言ったように聞こえたけれどノトさんは自分が言った事すら無意識だったようで私の問いかけに疑問符を浮かべ首を傾げている。もしかしたらファーリアさんについて何か言って最後の〝リア〟という言葉しか聞こえなかったのかもしれない。当の本人でさえ分かっていないので聞いても分からぬままだろう。



「それにしても、ユシィ王とは思ったより関わり無かったんだな。」


「そうですね。話すと言っても私は名前すら憶えていませんでした。」


「ユシィ王が聞いたら卒倒するだろうよ。」



 目的地に着いた様で部屋へ入っていくが食堂では無かった。気にせず中に入っていくノトさんを追い掛けて一緒に話しながら入る。



「美人な奥さんがいる事も知りませんでしたし。」


「一応、体が弱いっていう設定を未だに通しているんだと。ユシィ王の奥さん溺愛と人の目に余り触れさせたくないという庇護欲とか諸々で公務をさせない様にする為。淑女として生きて行けるように政事には参加させない様にしてるとか言ってたな。カエラさんが。」


「カエラさんが!?」


「自分の旦那の事だからそれ位分かりますよ、オホホ。とだけ言われた。」


「真似しました?」


「.........少しは。」


「似て無かったです。」


「..............。」



 中に入った先で沢山の侍女さんがいて「あ、昨日の再来か。」と思って為されるがままノトさんとの会話を続けていた。入ってから左右に分かれたが仕切り一枚でしか区切られていないので話は丸聞こえという訳で会話を中断させることが無かった。話してても何も言われることが無いので話す事が続く限り会話は止まない。



「最初は夫婦とか、家族とか、自分の性質とかも考えると面倒なものだと思って避けてきたが。彼らはいつ見ても仲が良さそうで羨ましいと思った事は有ったよ。羨ましい止まりだけどな、いつも。」


「.............私はお邪魔でした?」


「前もそれ聞かれた気がするんだが?」


「昔から一人で過ごしてきたと何度も言われたら不安になりますとも。信頼も信用もしていると言っても。」


「安心しろ。今更掴んだ物を手放すほど落ちぶれちゃいないし。それにな、羨ましいと思っていた光景が今は手元にあるんだ。それを放棄するなど愚の骨頂だろう?」



 楽しげな口調と声音で発せられた言葉に私は黙っていた。勿論、嬉しくてだけれど。



「ああ、言葉が足りんと言うのなら幾らでもやるから。」


「~~~~~~~っ!!」


「おーい? さっきから黙っているが大丈夫かー?」


「........でっ!」


「で?」


「人の気も知れないでっ!!」


「ええ。何で俺が怒られてんの? 理不尽。」



 入口近くに置いてあった椅子に既に座って準備を終えていたノトさんに合流すると昨日よりかは動きやすいけれど着慣れない服装を見せる為にくるんと一周して見せる。とは言え、此れは着せてくれた侍女さんが耳打ちしてやった方がいいとアドバイスをくれたからやったのであって私はとても恥ずかしい思いに駆られている。



「?」


「..........。」



 首を傾げられ何とも言えない気持ちになって無表情になる。恥ずかしい思いをしたこの気持ちをぶつける所が無くて思わず手が出そうになったが何故か溜息を吐かれる。



「はあ、そんなことしなくても充分可愛いぞ。」


「っ!!?」


「まあ、着替え終わったんなら行くぞ。取り敢えず飯食いに行くか。レイトもいるだろうからな。」



 クツクツと悪どい笑みを浮かべて歩き出したノトさんの後ろを慌てて追いかけて左脇に並んで歩き出す。そっと手を伸ばしてノトさんの左手に触れる。不思議そうな顔をされ、手を引っ込めようとするとその前に手を握られる。嬉しくて気恥ずかしい思いに駆られている私を見て何を思ったのか分からないがぽつりと言葉を溢す。



「迷子防止。」


「.............。」



 イラっときて握られていた手に力を込める。が、努力空しく意図は伝わらなかった。













「俺を騙そうと思っていた様だが、数十年、いや、数百年は早いな。言い訳があるなら聞いてやるよ。」


「え、っとー。............ユリナ様助けて下さい~!」


「ほう、手前の性根叩き直してやる。後で〝特別室〟へ来い。みっちり扱いてやっから。」


「っ! それだけは、勘弁してくださいっすーーーー!!」



 食堂に到着するとルピさんがてきぱきと料理をテーブルに並べており、レイトさんはびくついたまま壁際に立っていた。まるで自分は空気ですと言わんばかりの様相だった。幾ら縮こまっていたとしてもこの場にいるというだけで意味が無いだろうにと思っていたが、その様子に目もくれなかったノトさん。私は何かいうモノだと思っていたので意外な反応にそんなに気にしてないのか........と色々と思っていたが私が腰掛けたのを見てから自分の席へドカッと大きな音を立てて座るやいなや足を組みテーブルを指でトントンと叩き始めた。穏やかだったはずの空気感がピリッとした。ルピさんは気にも留めず自分の仕事を黙々と進めている。私はちょっと吃驚したがルピさんより「どうぞ、召し上がって下さい。」と冷静に言われ、お腹が減っていたのもあり、食べ始める事にした。お偉いさんが先に箸をつけてから食べ始めなければならないとかそう言ったルールは身内しかいないこの場では関係無かった様だ。

 そうして、食べ始めてから暫くして無表情でノトさんが未だ隅で震えていたレイトさんに向けて言葉を発したのが最初。どもっていたレイトさんだが観念して謝る為にノトさんに近寄ったと思ったら私に助けを求めてきた。こちらに話を振られると思っていなかったという事と食べていた事も有って返事が出来なかったけれどノトさんは間髪入れずニヤリと口箸を上げ楽しげに話を続けていた。



「ルピさん、これ美味しいですね。何か特別な物使ってるんですか?」


「いえ、使っている食材は此れと言って特別な物は御座いません。強いて言うならば普段食されているモノより高価かもしれないという点だけでしょうか。」


「んん!? 一体いくらなのでしょう?」


「........それを聞いてユリナ様が正気を保っている自身がおありでしたら。」


「やめときます。」



 今もレイトさんが嫌々言っているのを楽しげに見つめてニヤニヤと笑っていない目を向けているノトさんも食事に手を付け始めた。



「ルピさん、もう一個聞いても良いですか?」


「何でしょうか。」


「〝特別室〟って何ですか?」


「「.................!!」」



 ルピさんだけに聞いたつもりがレイトさんも反応しスッと視線を逸らされる。そして、その意味が分からないので首を傾げると此方の話も聞いていたのかノトさんが口を挟む。



「知りたいのか?」


「まあ、ノトさんが楽しそうにして、彼らが嫌そうにしている時点でろくでもない事は察せますけど。」


「今日は夜までやる事多いから夜中になると思うけどなー。ああ、楽しみが控えていると思えば今日と言う日がこんなに憂鬱で無くなるとは。ククク。」


「................レイトさん。」


「なんすか、ユリナ様?」


「ご愁傷さまです。」


「酷いっす!!? まだ死なないっすよ。」


「案外間違っちゃいねえ、なぁ、レイトォ。」


「そ、そっすねぇ。」



 黒い笑みを浮かべて楽しそうにしているノトさんはさておき、レイトさんどころかルピさんもガタガタとしているのが分かる。思い出してそんなに震えさせるって一体何をしたらそんな事が。



「見学は自由だ。暗いとこが大丈夫ならなぁ。」


「あー。明日も早いんですよねー、今日のお仕事が終わったら寝る事にしますねー。」



 誰しもがノトさんに戦くこの場に救いは.............現れる事は無かった。



「さてっ、食った事だし、ミリアに顔出してから他の街の奴らとも顔合わせに回んなきゃなー。」






 執務室に向かうと最近まで無かった小さな机と椅子に座って仕事をしているミリアちゃんの姿が有った。ドアを開けるなり嬉しそうな顔を見せたミリアちゃんだったが何かに気付いた様に咳払いをして優雅な動きで私たちの前に立つ。



「おはようございます、御父様、御母様。私に出来る事を少しづつ進めている所で御座います。後程、ご確認下さい。」


「ああ、しっかり確認させて頂こう。」


「...........吃驚した。」


「エヘヘ、パパもママも驚いてくれると思って頑張ったんだー!」


「ミリア、今日からまた大変だけどその調子で頑張ってくれよ。」


「だいじょーぶ! 今までパパが積み上げてきたものを台無しにはしないし、させないよ!」


「しっかりしてますよねえ、誰かと違って。そう誰とは言わないけど誰かと違って。」


「おいユリナ、聞き捨てならねえことが聞こえてきたんだが。」


「? 私はノトさんの事と、はっきりとは言ってませんけど?」


「おー、喧嘩売ってんだな。おっけー。...................覚えてとけよ。」



 やっちまったと思った頃には既に遅し。今日の夜中の行われることに巻き込まれるのが決定した瞬間だった。急に上機嫌になってミリアちゃんがこなした仕事をチェックしている。



「ユリナ様、失言でしたね。」


「生贄が増えたっすー!」


「レイトさん、喜ばないで下さい。」


「また、レイトが何かしたんでしょー? 自業自得って言うんだってー。パパが前に教えてくれたー。」


「それでしたらユリナ様も同様でしょうね。」


「はあぁぁぁぁ。」



 書類に目を通しているノトさんを睨んで見ていると急にくるっと振り返り私と目線が合う。



「ん?」


「? 今日は騎士同士の合同訓練見学とウィッチェ、バルディアとの顔合わせだ。行くぞ。」



 私の事を見て何かを言おうとしていた様に見えたが気のせいだったようで今日の予定を大まかに話してくれたノトさんに頷く。



「最初はどこ行くかなー。」


「私も訓練見てみたいです!」


「ミリアもママと同じです!」


「じゃ、訓練場の方に向かうか。」











5日(日)は投稿できるか分かりません。出来るといいなあ。

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