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2 聖女
「ねぇ!」
扉の向こうから、甲高い幼げな声が響く。この声に室内の魔術師は聞き覚えがあるため、代表して紅髪の魔女「レーヴェン」が戸を開ける。
ストレートミディアムおさげ金髪のそこそこ大きめな(甲高い声にしては)少女。にして彼女が聖女である。欠席の連絡はどうやらデタラメだったようだ。
「聖女ちゃん、その如何にも部屋着ですと言わんばかりのラフな格好は何?顔面は満点だけど」
レーヴェンの指摘に、聖女「二ーヘル」は回答する。
「カフェの制服です!この赤セーター結構高いんですよ!白金貨50枚!」
「ふーん、座れ」
しかし、レーヴェンの曖昧な反応とは裏腹に男性陣はデレデレなのであった。
「新国王により、我々の軍隊編成改革が委ねられた。レーヴェン、計画を説明してくれ」
テトラ隊長「メニュエッタ」はレーヴェンに台本を手渡す。レーヴェンは台本をサラッとさらうと、疎い頭をフル活用してメニュエッタによる計画の解説を始める。
「