表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕らの恋の行方。  作者: sora
6/6

No.5 私の場合。 滝沢 清香


初めてあった時から、気になる存在だった。

なんだか、笑顔が嘘臭かったから。

だから、最初は好きじゃなかった。いけ好かなかった。

一人称『僕』だし、むだに女の子に優しくしようとするし、可愛いとか綺麗とか、好きとか愛してるとか、軽率に言うから。

だんだんその気になって言ったんだよ。

貴方にその気はなさそうですけどね。


ほら今日も、先輩に夢中。


「おっはよーござーあーす。」

「おー、おはよーももちー」

「もー先輩、やめてくださいよーその呼び方ー。」

「仕方ないじゃん、この部活、あだ名で呼ぶ決まりだから(笑)」


そんな会話を嬉しそうに顔を綻ばせてする貴方。

なんだかむかつくわ。

私に気づくのはいつかしら。

しばらく気づかないの、知ってるけど。


「僕そんな可愛いキャラじゃないっすよ。」

「えー、かわいいよ?ももちー。」


相沢は、『桃』と呼ばれるのが嫌い。『ももちー』も嫌い。

だから、私は呼ばない。 『相沢』って呼ぶの。

時々嫌がらせで呼ぶけどね。

でも貴方は、先輩に呼ばれる時だけ、少し嬉しそうなの。

むかつく。私が呼んだ時は、嫌そうな顔するくせに。

ほんの少しだから、貴方は気づいていないのでしょうけど。


「オハヨ、相沢。」

「っはよーすももちー」

「おっはよー清香に萩ちゃん。」


あ、萩ちゃんにももちー呼びされて嫌な顔した。

一瞬。誰も気づかない。

私しか気づかない。

そのことに少し、嬉しくなった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ