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僕と俺の選択道  作者: カタナナタカ
第1章 それは、人生の序章の序章それでも悩み生きていく
17/30

目覚めと確認と経過

『おい、そろそろ起きろ』


(なんだ?声が聞こえる)


『そのノリ、もう飽きたからしなくていいぞ。

それで俺はさっきから起きろって言ってんだろうがぁ』


(・・・・・後5分)


『よし、いい度胸だぁ。そのまま死んでみるかぁ。五分なんてちっちゃくなってないで永遠に眠っちゃってみるかぁ?』


(わかったよ起きるよ。

それにしても生き残れたんだな。正直な話猪との(・・・)賭けは勝てると思ってたけど、その後の(・・)賭けは勝てるとは思ってなかったんだよな)


『なんだぁ、お前負けるつもりで賭けをしてたのかよ。言っとくがぁ、次死んだら転生はさせないぞ。こっちに非がない限りなぁ』


(わかってるよ。ただ俺はこんな賭けにも勝てないなら、復讐なんてできないと思っただけだよ)


『ふあーぁ、ちっともかっこよくないな。狙って黄昏てるだろう?』


(ち、違うわ。誰が黄昏てるんだよ。し、しかも別にかっこつけてるわけでもねえし)


『どもりすぎだろうがぁ。

はあぁ、まぁいいかぁ。そんなことよりだぁ、作戦は思い通りに行ったのか?結果としてはあの猪は死んでる訳だが』



そう、悪神が言うように俺を死の淵まで追い込んでくれたあの猪は既に死んでいるのだ。

木に突進している状態、立ったまま死んでいる。なんか無駄にかっこいい感じがする。


まあそんなことよりだ、どうやって猪を殺ったのか説明しよう。あ、ちなみに猪が死んだ瞬間は見てない、なぜなら俺自身は猪に吹き飛ばされた時に意識を失っていたからだ。

なので奴が死んだ瞬間を見れていない。とても残念だ。


そうだな、どこから始めればいいかな。

俺が木の前に行って振り返ったところからがいいかな。じゃあそこから説明を始めるか。


俺が振り返って口に出した技、《他力本願(アザーカウンター)》は、そのままの通り自分の力では攻撃しない、相手の力を使う反撃となっている。


この技は相手が攻撃してきた時その力を相手に直接または間接的に返す技だ。今回は地形を利用しているため間接ということになる。直接返す場合は前に言っていた内気功と、それにプラスして外気功をちゃんと習得しなければ無理なため、ここでは割愛させてもらう。


で、俺は間接・・・地形を利用して反撃した訳だが・・・・・ここまで言えば分かるだろう。

そう、今回は簡単に言えばあの猪を木にぶつけて仕留めた訳だ。


ここで、今までなんども木に激突していた猪が何でそんなタイミングよく俺が技を使った時に死んだかとゆうと、斬皇丸を奴の額に突き刺したからだ。

剣を突き刺せたんだったらもっと早くしとけよ!というのはなしだ。突き刺せたと言っても折れた部分から先っぽだけだから、それだけだと軽傷にしかならない。それと奴の守が下がっているというのも大きかったし、やっぱり俺だけの力じゃ皮膚を貫通させることすらできなかっただろう。


ということで、俺が吹き飛ばされる前に飛び上がったのは奴の額に剣を突き刺すという意味があったのだ。それと、あいつが唯一俺にダメージを与えたと思っているであろう状況を再現して、突っ込んでくるのを躊躇わせないようにするという意味もある。思考が落ちていたらしいからむだだったかもしれないが。だが、決して無意味に飛び上がった訳では断じてない。


だがもう一つ疑問に思うことがあると思う。なぜ、剣が折れずに最後まで奴を突き刺せたかということに。

ぶっちゃけ斬皇丸とか大層な名前がついているが、言ってしまえばただの木刀だ。実際折れたしな。それがいくら守が下がっていたからとゆっても突き刺さっただけでも奇跡なのに、どうして最後まで折れずに、あまつさえやつを仕留めることができたのかというと、外気功もどきを使用したのだ。


ここで思い出して欲しいのがスキルを持っていなくともそれに似たことはできるということだ。内気功も、剣術も、スキルとしては持てなかった時から、似たようなことはできていた。(まだ内気功はスキルを持っていないが。)

今回の外気功もそれと同じでナンチャッテ外気功という訳だ。


説明は簡単、折れた木刀にナンチャッテ外気功で体内の気を注ぎ続け、気を纏わせる。それを猪の額に突き刺さしたわけだ。この技で木刀は強度を増し、猪が木に激突しても潰れることなく、逆に奴の脳を潰してくれた訳だ。後余談だが、木刀が折れているというのも良かった。気を込める範囲が小さかったおかげで予想以上に強度を高めることができたからだ。まあ、折れていなくても、奴を貫通させるぐらいこめれたはずだから(汗)余談の域を出ないけどな。

だが、ありがとう木刀、助かった。


とまあ、こんな感じにかなり危ない賭けをしていたわけだ。血が滲んでても額に突き刺さるかどうかはわからなかったしな。


まあ、それでも悪神が額から血が滲んでいると教えてくれなければ賭けをすることすらできなかった。なので教えてくれたことには感謝だな。


『何だぁ、俺のことを褒めてくれてんのかぁ〜。珍しいこともあるもんだなぁ。気持ち悪いこともあるもんだぁ〜』


(うるさい‼︎

何で何だ、顔はないはずなのに何故かニヤニヤしているところを幻視してしまう。

くっそーやめろ、もうやめてくれ。お前なんて褒めるんじゃなかった‼︎)


『そう照れんなよ〜。

・・・分かった分かったぁ。ここまでにしといてやるよ。それで、これからどうするんだぁ?誕生日は終わってしまった訳だがぁ』


(は?

まだ明るいじゃねえか。ナニユッテルンダオマエ)


『いやいやぁ、よく考えろよ。お前があの猪と戦ったのは昼過ぎて結構経った頃だぞ?気絶してたのにこんなに明るいってことは考えれば分かるだろう?ほぼ丸一日経ってんだって』


(わかる訳ねえだろうが!

なんだよ⁉︎気絶してた人間が目覚めて丸一日経ってるなってわかる方がおかしいだろ!

うおーどうすんだよ。俺の誕生日終わっちまった。結局俺は俺自身にすら祝ってもらえないのかよ。

くっそーこの猪にさえ会ってなかったら、昨日頃?俺は楽しい楽しい(?)パーティーを行えていたのに。

マジでこいつ厄以外の何物でもねえよ!)


『まあいいじゃねえかぁ。悪貢も増えただろう?無駄ではなかったはずだろ?』


(ああ、確かに増えたさ。2ポイントな。

分かるか?あんな強敵倒したのにたった2ポイントなんだぞ?割に合わなさすぎだろう‼︎

至急、動物がアビリティやスキルを持っていた場合はポイントを増加させることについて本体と話し合ってくれ!お前がめんどくさいなら俺が代わりに話し合ってやるからとりあえずあいつと連絡を取ってくれ!)


『そんな血走った目で見てくんなよ暑苦しい。

それと、取り次げって話なら無理だぞ。だって既にその話は終わってるからなぁ。

本体に、動物がいくら強くてもポイントの変動はないって言われたからなぁ。突然変異とか、新生物とかそういうのは取り次いでもいいけど今の猪は、どうみたって普通のちょっと強い猪だからなぁ』


(普通の?ちょっと?お前なめてんのか⁉︎

どこがだよ!無茶苦茶強いじゃねえかよ!

何?あれで普通なのか?ちょっとだけ強いのか?いやいやいやいや、どこが?なあどうなってんの本当にそこんとこさ。やってられないだろこんなのどう考えてもさ!)


『じゃあ聞くけどよ?お前が前世であの猪と出会ったら苦戦するか?強いと思えたか?』


(・・・・・・・・・・)


『思えないだろう?

今のお前からしたらそりゃあ強いかもしれないさぁ。でも、よく考えろよ?今お前5歳児だからなぁ?5歳児の基準で何でも図ろうとするなよ。それが無理ならもっと年取るまで大人しくしてろよなぁ』


俺はその時確かに何も言えないと思った。

そうだ今の俺は5歳児なのだ。俺の基準で、物事を考えるのは間違っているのだ。

それを悪神に指摘されて俺は穴があったら入りたいと思い、顔が真っ赤になってしまった。


(そうだな悪神すまなかった。

もう、こんなワガママは言わないように気をつけるよ。もう、家に帰るか)


『?あの猪たちはどうするんだぁ?』


(・・・・・・忘れてた。そうだな。勿体無いし血を抜けるだけ抜いて持って帰るとするか)


こうして俺は、最初に狩った小猪と、大猪を解体して家に持って帰ることにした。

そして俺が森を出た頃には既に太陽が沈み始め、夜になりかけるところだった。



だが、この時の俺は忘れて、いや、心のどこかで考えないようにしていたんだろう。

俺が決して一人で暮らしているわけではないということを。

斬皇丸(木)・・・・・ただの木刀。名付け親は勿論主

人公。名前は仰々しいが実際に

は何も斬ったことはない。

何も斬らずにその短い生を終え

た剣。

主人公にも最後の方は木刀と呼

ばれていた。かわいそうな剣。

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