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友達という名の

碁盤のように綺麗に区画された街。

色々な店が建ち並び、色々な所に様々な種類の店があり。

かなり賑やかな、それでいて落ち着いた雰囲気の街。

そんな街でシタカは大の字に倒れてた。


周りを見ると色々な生き物がいて、目を引く生き物も多く面白い。

だが今は逆に通り過ぎる生き物から俺が見られていた。

いや俺たちが見られていた。

頑張って立ち上がるが膝が笑っていた。


そして前から俺を殴った人が近づいてくる。

今にも殺されるかもしれない。

あーもう笑うしかない。

喧嘩なんかしたことないのに

どうして俺がこんな目に合わなきゃいけないんだと

こうなった経緯を思い出そうとする。


――――――

目が覚めたときまず、見知ってない部屋で異世界が夢じゃなくてよかったと安心した。

とりあえず制服に着替えながら今日もなるべくこの世界の知識を聞きたいなと考えていると

知らない人がいきなり部屋に入ってきた。


「きゃっ、すみません!?」


小さい女の子だったが、謝ってすぐに部屋を出たのでよく見えなかった。

俺が着替えていた事に驚き照れてくれるとは、可愛いな。

リナと違って女の子らしい反応されて嬉しくなる。

掃除道具を持っていたので使用人ぽかった。

他にも使用人がいたのか、意外と広いもんなこの家。


昨日食事をした所に行くと先ほどの女の子がいた。

女の子は俺を見て慌ててこちらに来て謝った。


「さっきはごめんなさい、今ミーシャさんから話し聞いたの

 本当にごめんなさい。誰か居るとは思ってなくて」

「いや、全然大丈夫だよ。俺の方こそなんかごめんね」


事情を聞くと彼女は通いの使用人らしくいつも通り掃除しようとしてあの部屋に入ったという。

申し訳ないことをした。こんな幼気な少女に裸を見せるとは紳士失格だな。


「えーと、じゃあお兄さんの名前聞きたいなぁ。

 あっ、先にメニカの名前だよね。メニカは、メニカ・ユースミアって言うの

 メニカって呼んでくれると嬉しいな!。」


何この可愛い子。思わず求婚しそうになった。あぶない、親に挨拶が先だよな。

舌っ足らずな感じで、下からのぞき込むように話してくるので可愛げしかない。

あざとさがない天然物は最高だな。

後お兄さんよりお兄ちゃんって呼んでほしい。


メニカは、黒髪ショートのまだ幼さが残る笑顔が可愛い女の子だった。

種族は人間で、まだ9歳らしい。

その年で働いているとはと驚いたがこの世界だと普通だとミーシャさんに言われた。

ちなみに昨日は仕事が休みだったらしい。


後メニカに異世界から来たと言ったがあまり理解してもらえなかった。

いくら魔法が普通の世界でも意外とそういう物らしい。

確かに元の世界でもいきなり異世界から来たとか言われたら引くな。

逆に良くミーシャさん受け入れてくれてたな。召還することに手を貸していたのだろうか。 

これからはむやみに他人に言うのは避けるか、面倒事に巻き込まれたくないし。


朝食をありがたく頂いた後に、ミーシャさんから昨日言っていた  

この世界の歴史の本と魔法について書かれた本を借りた。


本を開いてみて驚いた。

全く読めないのだ。

まさか文字が読めないとは、どうやら翻訳魔法は話す事は出来ても字を読める訳じゃないらしい。

完全に当てが外れた。本なら情報も色々乗ってて便利だし正しい情報が多そうだと思ったのに。

仕方ない誰かに読んでもらうか。

いや待てよ、今から字の勉強とか嫌だけど覚えておかないとこの先も異世界にいたいなら困るだろうな。

翻訳魔法道具はどこにでもある訳じゃないみたいだし

誰かに文字を教えてもらうしかないかな。


あっでも、日本語が翻訳魔法に登録されてるなら日本語で書かれた本とか辞書も売ってるかもしれない。

あまり期待は出来ないが辞書とかあったら多少は楽に勉強出来るだろう。

探すだけ探してみるか。

一応自分で勉強出来るかもしれないが誰かに教えてもらおう。

この家なら女の子と勉強出来そうだからな、どうせなら女の子と勉強したいし。


それにしてもいきなり今日一番やりたいことであった本を読んでこの世界について知るという事が出来なくなった。

なのでもう少しこの世界について誰かに話しを聞くことにした。

後制服は動きにくいし前の世界を思い出すから新しい服を買いに行きたい。


これらのことをミーシャさんに話すと快く了承してくれた。

何から何までしてもらいミーシャさんには本当に頭が上がらない。


というわけでこの世界について聞くついでに買い物に行くことになった。

美少女と買い物に行けるとは、異世界にこれたことに感謝。


ミーシャさんと上機嫌なメニカと不機嫌そうなリナと一緒に行くことになった。

メニカはみんなで買い物に行くことが嬉しいらしい。可愛い。

リナは人混みが苦手らしい。すごい納得できる。

それでも一応付いて来てくれるとは意外だ。


ミーシャさんとメニカはメイドっぽい格好のままだが、

リナは白のラフな格好をしており、まさに天使みたいだ。


家の外は中世ヨーロッパっぽい外観だった。

もちろん写真でしか見たことないが、まず自然が目に飛び込んできたので

そういうイメージを俺に持たせた。


リナ達の家は外から見たら思った以上に大きく驚いた。

家は街を見渡せるような丘の上にあり、ここら辺はあまり建物が見当たらない。

街まで距離があり少し歩くとのことで、俺は街に行く途中でこの世界の話しを色々聞いた。


この世界は、大きく分けて二つの大地があるらしい。

二つの大地の住人は仲がかなり悪く戦争ばかりしてるらしい。

どうやらどちらの大地も神が統治していて神同士が大変仲が悪く

最近は少し落ち着いているがお互いがお互いを潰すため何万年も戦争しているそうだ。

迷惑極まりない神である。勝手に二人で殺しあえばいいのに。


向こうの大地の事はあまり情報が出回ってないらしくほとんど噂らしい。

かなりひどい噂とかが流れているようだが、デマが多いらしい。

相手のひどい噂を好き勝手に流すのはどこの世界でも同じかと元の世界を思い出し少し辟易する。

対してこちらは神を頂点として天使たちを基本とした支配体制で出来ているらしくすごく住みやすく統治されている。

という話しを聞いてもう笑うしかなかったが、本当かもしれないのでとりあえず何も言わないようにした。


また天使が実質的にこちらの大地の統治に力を貸しているのでかなり影響力があるらしい。

俺が召還された国も王様が統治していてその上で天使が仕切っているとの事。

リナは自分のことを天使と言っていたのですごい偉いのかも知れないが、こんな辺境な所にいるので真偽のほどが分からない。


この国については、名前はヴレヴィエル王国で、貿易が活発な国らしく、色々な国の住人が出入りするため天使から翻訳魔法が与えられたらしい。

一つの国にだいたい一つはその国の住民に役立つような、大がかりな魔法を神の使いから与えられるようでこの国は翻訳魔法との事だ。

一つだけなのに意外と微妙だなと思ったが、あまりにすごい魔法は扱える者も少なく、反逆や堕落が起きるかもしれないのでその程度の魔法らしい。


一応この国の母国語に当たる言葉もあり、マオリ語というらしい。赤い帽子を被った髭面のおっさんを思い出す。

最近だとこちらの大地の住人の多くが様々な人が集まるこの国の言語マオリ語を使用し始めているが、まだ色々な言葉を使う人が多いそうだ。

一応覚えるとしたらマオリ語かなと考えている。

リナもミーシャさんもメニカもマオリ語を使ってるので誰にでも習う事が出来るらしい。

頼む人によってシナリオが変わりそうだな。


誰に頼もうかなと考えていると街に着いた。

さすが貿易が盛んな国だけはあり、この街はまだ田舎の方らしいがかなりの人が歩いていた。

中には人には全く見えない生き物も普通に買い物してるので、驚いたが、

この世界では普通の事らしく他の三人は楽しそうにお喋りしていた。


「ではまず、シタカさんの服を買いに行きましょうか」

「すみません、何から何まで、後日必ずお金は返しますので」


とミーシャさんに頭を下げると


「何謝ってるのよ。私が召還したんだからそれぐらい当然でしょ。

 私かなり養育費もらってるから、余裕で面倒みれるわ」


いや、養育費だったらお前の金じゃないだろ。

良くそんな偉そうに言えるな。

このお嬢様はやはりかなりのぼんぼんみたいだ。


そんなお嬢様に一応お礼を言い。

ミーシャさんに当分は家事を手伝う事で許してくださいと言っておいた。

働くにしても俺はこの世界の事をまだ知らなすぎるからな。


服屋に着き、服を眺めているとファンタジーらしい服が多く、中には甲冑まであったので驚いた。

甲冑売るのは武器屋とかだと思っていたけど違うらしい。

女性陣は女性服を楽しそうに眺め、色々話しているようなので、俺は一人で選ぶ。


とりあえず黒っぽい服でいいなと思って眺めていると

いきなり後ろから突き飛ばされた。


「邪魔だ」


見ると割と体格の良い男が立っていた。

腰には剣をぶら下げており、如何にも荒くれ者ですよという見た目だった。

怖かったのですぐに謝るとその男は馬鹿にしたように去っていった。

ああいうのってどこにでも居るのかとがっかりした。


「格好わる」


いつから見ていたのかリナからそんな言葉をかけられた。


「仕方ないじゃん、向こうの方がどう考えても強いだろうし、実際本当に邪魔だったかもしれないし」


とりあえず言い繕ったが自分で言ってて悲しくなる。

せっかく異世界にこれたのにこれでは前と同じだ。

そんな俺をリナは少し残念そうに見ていた。


結局服は黒を基調とした地味目のを買った。

お金は制服が意外と高く売れたので、ミーシャさんにお願いしてそのお金で買ってもらい。

残りのお金は全部ミーシャさんに預けることにした。


さっきのリナの残念そうな顔が忘れられずに

だらだらとミーシャさんの後ろにくっついて歩いていると

先に出ていたリナとメニカの所に誰かがいた。


ナンパされてるようだ。

二人とも可愛いからな。けどどう考えても向こうの世界ならロリコンで逮捕されるな。

そして遠目にも嫌がっているのが分かる。

ベタだなー、物語でよくあるパターンだよ。

これは俺が格好良く助けに行けば惚れてくれるやつだな。


さっきのリナの残念そうな顔を思い出し、挽回するために止めに行く。

ミーシャさんはここで待っててと言い、走る。

だが止めに入る前にリナが苛立ちの限界だったらしく、赤い髪を逆立てながらその男に罵倒を言い始めた。


「気持ち悪いからとっとと失せろ」

「これ以上近づいたら殺す」


みたいな事を言ってる。

怖いもの知らずにも程があるだろ。

基本的に機嫌悪そうにしてるもんな。

いやほとんど機嫌悪い所しか見た事ない気がする。


早く止めないとと思いながら

近くに行くとその男がさっき俺にぶつかった男だと分かる。

本当に嫌になると心の中で毒づき、声をかける。


「おい!俺の連れに何かようか」


声が少し震えてしまったが、大丈夫なはず。


「あっ?なんだぁ?」

 

やばい、こっち見た怖い。


「見たことあると思ったらさっきの腰抜け野郎じゃねーか

 こいつらお前の連れなのか、残念だが俺が今話してるんだからどっかいけ」

「私はお前と話す事などない」


なんでリナはそんな煽るようにいうかな。

ほらすげー怖い顔して怒ってるじゃん。


「じゃあ俺ら用事あるのでこれで」


面倒くさい事になる前に逃げようと

そそくさと二人を連れて行こうとしたが肩を掴まれた。


「ちょっと待てよ。その女のせいで俺今すげームシャクシャしてるんだよ」

「はあ?あの、それで?」

「殴らせろ」

「は?」


聞き返した瞬間本当に殴られた。

まじかよ、どんだけ適当な理由で殴るんだよ。


そして殴られた衝撃で吹っ飛ばされ大の字に倒れた。


あーそうだなんで殴られたか思い出した。

俺全然悪くないのに、

ろくでもない理由で絡まれて、ろくでもない理由で殴られたんだ。

ちくしょう、理不尽すぎる。

こっちに来てから理不尽に殴られるのは2回目だ。


一回目に殴ったやつがこちらに駆け寄ってくる。


「シタカ、弱いんだね」


心配して駆け寄ってくれた訳ではないらしい。

誰のせいで殴られてると思ってるんだ。

そして殴った男が更に殴ってやるかと近づいてくる。

リナに逃げてと言おうとしたが


「シタカ、私と友達にならない?」

「はい?」


唐突に昨日の話しを持ち出してきた。

何故にこの場面で?

と疑問に思ってると、はい?ともう一度聞いたつもりが

了承だと思ったらしく、リナがよし!

と笑って見せた。

リナが笑った顔初めて見たがめちゃくちゃ可愛くて否定の言葉が出なくなった。


「おい、何こそこそやってるんだ?」


と男が近づいてきてリナを退かそうとリナの肩に触れようとした瞬間

男が吹っ飛っとんでった。

えっ?何今の?リナがやったの?

何が起こったんだ?


「あー、やっとうるさいのがいなくなった。

 本当ならいちいち相手したくないけど」


とうんざりした口調でリナが赤い髪をかき上げながら言う。

その様子はまるで獅子のように雄々しく格好いい。

えー、本当に何が起こったのか説明して欲しいんだが。

てかさっきの男死んでないよな、大丈夫だよな。


「さっさとやりたかったしね。

 じゃあ友達の契約結ぶために屋敷戻るか」


えっ?契約?

あのー話し読めないままなんですけど。

後何故いつのまに追いついたミーシャさんとメニカは嬉しそうなの?

頼むから誰か説明してくれ!




読んでいただきありがとうございます。

中途半端になってすみません。

なかなか話し進まなくて難航してます。

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