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まさかのお泊まり!?キミにドキドキ。

「おじゃましまーす...」

「どうぞー」

部屋の中を見渡す。やっぱり、男の子の部屋だなぁ。私と全然違う...

「座りな?」

「うん...!」

冬樹の隣に座ると、とくんと胸が高鳴った。

「(なんだろ...このドキドキ...)」

「...アリス?」

「へっ!?あ、はい!?」

「あはは、緊張してんの?」

「えと...あの、初めてだからっ...誰かの家に入るって...」

「...ってことは俺が最初?」

「うん...」

「そか、なんか嬉しい...」

「冬樹...あの...お泊り会ってゲームとかしたりする?」

「んー?ゲーム?まあやったりするけど...なんで?」

「あの...えと...冬樹はゲームとかするのかなって...」

「そこのパソコンでやってるよ、オンラインのだけど。」

そう言って冬樹はパソコンの場所まで行くとカチカチとクリックしてゲームを起動した。画面には、ランク80 冬樹 とキャラクターとともに映し出されていた。アリスはその画面に見覚えがあった。だってそのオンラインゲームは...

「アリス?どうした?」

「このゲームって冬樹の...お友達もいるの?」

「友達っつーか...憧れの人はいるかな」

「えっ!どんな人?!」

「んー...と。桜空(さくら)さんって人。パーティ一緒にいてくれるし強いしランクがすごすぎて神様みたいなもんだよ。ゲーム内の有名人だし。」

「へぇー...その人見れたりする?」

冬樹はいいよ、とそのアバターを見せてくれた。しかし...

「(間違いない、私だ...)」

「よかったらアリスもやってみる?そんなに難しくないオフラインで」

「あ、私はいいよ!?冬樹がやって?」

「せっかくだからアリスも出来るようになってほしいし。ね?」

「うん...」

アリスは椅子に座ると操作を始める。

「(冬樹は気づいてないみたいだし...とりあえず普通に操作しよう...)」

画面のキャラクターが動き出し、操作通りの動きをし始めた。

「お、なかなか上手いじゃん。いい感じ」

「あ...ありがと。冬樹もやってみて?」

「いいよ」

冬樹は黒ふちメガネをいつの間にかかけていて、椅子に座ると慣れた手つきでキャラクターを自在に動かす。

「...桜空(さくら)さんと話したことある?」

「んー...まあ挨拶くらいは。あとは絵を見せてもらったかなあ。オリジナルの。」

「イラストレーターさんなの?」

「兼業みたいな感じらしいよ...って気になるのか?」

「有名人だし、冬樹の憧れの人だからどんな人かなって思ってさ。いつか会えるといいよね」

「いやいや、会えたら奇跡だよ。でもまあ、俺にはアリスがいるし。」

「えっ?」

「そのままの意味。たとえ桜空(さくら)さんに会えても付き合うならアリスと付き合うかな」

「!?」

「さてと。アリスを連れて行きたいとこがあるから出かけるよ。」

手を握られ、そのまま部屋を出た。


外をしばらく歩くと目的地らしき建物に着き、個室に通された。

「アリス、着いたよ」

「ここは?」

「ライブハウスと同じ設計のスタジオ。経営を俺の昔からのダチがやってるんだ。今日は貸切だし、いくらいても大丈夫。アリス、ステージの袖が楽屋になってるから行ってきな。プレゼントがあるから。」

「うん...わかった...」

冬樹に言われた通り楽屋に向かう。そこにあったのは新しい可愛らしい衣装一式だった。編み上げの黒いブーツ、ふわふわしてひらひらの衣装。ダメージ加工された黒とピンク色のニーハイソックス。

少しだけ涙ぐんだけれど、すぐに着替えた。

衣装に着替え終わると、アイドルとしてのスイッチが入る。今の私は、アイドル桜雪アリス。

コツコツとブーツの音が響き、ステージにあるマイクスタンドの前に立つ。

「アリス、今日は貸切。だから、思いきり歌って聞かせてよ。」

アリスはにこりと笑うと頷く。

マイクを握りしめると同時に音源が流れてくる。

「〜♪...舞い上がれ〜桜姫〜っ♪」

アルバム曲、桜姫からスタートしたミニライブはときめき、キス。で終わりを告げた。最後まで歌って踊ったあと、拍手が起きる。

「プレゼント、気に入ってくれた?」

「うん、とても!でもどうして...?」

「実はアリスのとこのマネージャーさんに頼まれてね。新しい衣装が決まらないって相談されたんだ。だから、隼人と一緒に考えた。デザインは俺が考えたやつが反映されて衣装になったんだけど...どう?」

「ありがと、嬉しい...」

「泣くなって。それと。...アリス。俺と付き合ってほしい...好きなんだ。アイドルしてるアリスも、普段のアリスも。」

「...でもわたしはアイドル。恋愛は出来ないよ...」

「大丈夫。社長にも、アリスのマネージャーさんにも、認めてもらえるようにがんばるからさ。」

うん、と頷いて、冬樹の家まで帰った。



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