第6話 殲滅(2)
「いくぜーーーー!!」
男は高く飛び上がり上空から爪を振り降ろす。
黒坂は後ろに飛び攻撃をかわす。その後すばやく動き距離を詰め打撃を与える。
男は間一髪のところでかわし距離をとるため後ろに飛んだ。
黒坂は着地地点を予想し銃を構え
―ダアアアアアアアン―
着地すると同時に引き金を引いた。
しかし、弾丸は命中することなく空を切っていった。
「あぶねえな!!」
弾丸が当たる瞬間男は身を翻し避け、叫んだ。
「知ってるぜてめぇの事。ハンターなのに銃使うやつが居るってなぁ。」
―ダアアアアアアアン―
男の話に聞く耳も持たず黒坂は引き金を引いた。
「あたんねぇよ!!」
男は軽くかわし叫ぶ
同時に男は地面を蹴り爪で攻撃を始めた。
キィイイイイイン!!
キィイイイイイイン!!
爪による連撃に反応し黒坂は銃で防ぎ、かわす。
男が大きく振りかぶり攻撃してきた斬撃をしゃがんで避け懐に打撃を加えた。
はずだったが、男は後ろに避け隙ができた黒坂に蹴りを入れた。
ドン
という鈍い音とともに今度は黒坂が飛んでいった。
「はい。俺の勝ち~!!」
男は叫んだ後気絶している女性の下へ歩み寄った。
「お仕事しましょうかね。」
そう言うと男は懐からビンを取り出し、女性に照準を合わせ爪を振り上げた。
―ダアアアアアアアン―
銃声が響き渡り弾丸が男の右肩を貫いた。
「あああああ!!」
男が悲痛な声を上げるとともに右肩から先が緑色の炎に包まれ灰になった。
男はなくなった右腕を見た後叫びながら振り返った。
「きさまぁああああああ!!」
そこには左腕で腹部を押さえ右腕で銃を構える黒坂が居た。
「ぶっ殺す!!」
そう叫ぶと男は地面を蹴り黒坂に近づく。
―ダアアアアアアアン―
「あたんねぇって言ってんだよ!!」
男は身を翻し弾丸を避け黒坂に向き直る
しかし、そこには黒坂の姿はなかった。
「な!?」
男はそう言った直後黒坂の存在を背後に感じた。
「言ったろ。俺はお前を殲滅する。」
男が振り返ろうとした直後黒坂は引き金を引いた。
―ダアアアアアアアン―
放たれた弾丸は男の後頭部を貫き男は全身を緑色の炎に包まれ灰になった。
それを確認すると、黒坂はその場に崩れ落ちた。
「黒坂さん!!」
それまで恐怖で動けなかった中島は黒坂に駆け寄り、携帯電話を開いた。
「マスター!!黒坂さんが!黒坂さんが!」
「黒ちゃんが!?分かった。すぐ応援呼ぶから!!」
まだわずかに残る意識の中でそこまでの会話を聞いた黒坂はその会話を最後に意識を手放した。