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Bullet of defense  作者: もやし好き
第2章 Before Night
27/42

第27話 過去(12)-大切な人-

「ここまで来れば…。」

拓馬は恭子を連れ、学校からは距離の離れた公園に来ていた。

日は沈み、闇が支配し始める。公園は街灯によりかすかに照らされていた。

「拓ちゃん…?どういうこと…?」

恭子は拓馬の顔を覗き込む。

「…。」

拓馬は口ごもった。

「先生の手はなに?黒坂君は大丈夫なの…?」

「…。」

「拓ちゃん!教えてよ!!」

恭子は叫ぶ。すると

「教えてやれよ。僕は化け物ですってなぁ!!」

不意に聞こえた正義の声に二人は公園の入り口を見た。

「拓馬~。いい度胸だな。」

正義の姿を確認すると、拓馬は恭子を自分の後ろに隠した。

「そうか…じゃあ…死ね。」

そう言うと正義は一気に拓馬との距離を詰め拳で拓馬を殴った。

拓馬の体は横に吹っ飛ぶ

「拓ちゃん!!」

恭子は叫び拓馬のもとへ駆け寄ろうとするが正義に腕を掴まれた。

「離して!!」

正義は腕を引っ張り恭子を自分のもとへと引き寄せる。

「やはり、美味そうだな。やっと浴びるほど飲める。」

そう言うと正義は爪を構え振り上げた。

「きゃあああああああ」

「ああああああああ!!」

恭子の悲鳴と共に拓馬の叫び声が響く。

ドン

鈍い音と共に正義の体は後方に吹っ飛ぶ、そこには両手をメナスのものに変えた拓馬が立っていた。

「俺の大切な人なんだ!!触れるな!!」

拓馬の視線の先には正義が立っていた。

「出来損ないが!!俺に勝てると思うなよ!!」

正義は再び距離を詰め、自分の爪で拓馬に斬撃を与える。

拓馬は爪で攻撃を防ぐ。

「ここは、人間の体だもんなぁ!!」

正義は逆の手で腹部に思い切り打撃を与えた。

「ぐふっ…。」

拓馬は短いうめき声をあげるとその場にしゃがみ込む。

「黒坂…。やっぱり俺じゃあ…守れない。」

拓馬の頬を涙が伝う。

正義は爪を構え振り下ろした。

キィイイイイイイイイン

鋭い音が辺りに響く、拓馬が顔をあげるとそこには刀で爪を受け止める黒坂がいた。

「生きてるか!?」

黒坂は拓馬に呼びかける。

「大切な人なら、最後の最後まで守りぬけ!!」

「黒坂…。お前…。」

拓馬はなんとか立ち上がる。すると恭子が駆け寄ってきた。

「拓馬。少し離れて。あと梅崎さんも。」

そう言うと恭子は拓馬を連れ後方へと退いた。

「黒坂。まだ、やるつもりかい?」

「そうですね。」

黒坂の額からは血が流れ出ていた。

「おまえ…。」

正義は何かに気づいたかのように黒坂を見た。

「言ったじゃないですか。あなたを殲滅するって。」

そう言うと黒坂は右手に刀を左手をメナスのものへと変化させ正義に構えた。


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