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Bullet of defense  作者: もやし好き
第2章 Before Night
26/42

第26話 過去(11)-守る-

「拓馬…。お前メナスなのか?」

校舎の片隅、誰も居ないことを確認して呼び出した拓馬に黒坂は話しかけた。

「な!?」

拓馬は目を見開き黒坂を見た。

「僕は、ハンターだ…。拓馬の吸血行動が確認されたらしい。だから…」

「俺は!あいつの血なんて飲んでない!!」

「じゃあなんで彼女の血を抜くんだ?今日だって、貧血で倒れたらしい。」

黒坂がそう言うと拓馬は目を伏せ黙った。

「本当のことを教えてくれ。拓馬が彼女を傷つけるなんて…。」

「俺は…落ちこぼれなんだ。」

拓馬は顔を上げ話し始める

「生まれたころから、手しか変化させられなかった。そのせいでずっと迫害されてきた。親に捨てられ、絶望の中に居たとき助けてくれた人が居た。」

「助けてくれた人?」

「ああ。木下正義だ。」

「木下…木下って担任の?」

黒坂の問いに拓馬は頷き、また話し始めた。

「やさしい人だった。でも、二年前から急に人間の血に執着を持ち始めて…。俺に獲って来いって…。今では、別人みたいだ。」

「そっか…。じゃあ拓馬は飲んでないんだよね?」

「本当は、もう彼女を傷つけたくない。でも、俺なんか落ちこぼれだし敵うわけないし…。言うこと聞かないと…。」

「分かった。」

黒坂はそう言うと拓馬をその場に残し歩き出した。


「拓ちゃん!一緒に帰ろ~。」

拓馬が教室に戻るとそこには恭子がいた。

「もう…大丈夫なのか?」

「うん!」

拓馬は恭子と一緒に校舎を出る。

時間は遅く、学校にはもう誰も残っていないようだった。

「よお、拓馬。」

校門から出ようとしたとき、拓馬を呼ぶ声がした。

振り返ると、そこには正義が立っていた。

「先生。どうかしたんですか?」

拓馬は恭子と正義の間に立ち身構えながら言った。

「お前がぐずぐずしてるから、俺が自分の手でもらおうと思ってな。」

「恭子、逃げろ。」

拓馬は恭子に話しかける。

「え?なんで?」

「いいから!早く!」

必死の拓馬の呼びかけにも、恭子は訳が分からず応じなかった。

「お前、俺に逆らうのか?」

正義はにやりと笑いながら二人に近づく、その手はメナスのものへと変化していた。

「なにあれ…?」

恭子は正義の手を見て呟く

「大丈夫。絶対守る、恭子だけは。」

自分に言い聞かせるようにそう言うと、拓馬は正義の方を見た。

「待てよ。」

その場にいる三人とは別の声が響く。

その声に反応した三人は校舎の方を見た。

「拓馬、早く連れて逃げろ。」

そこには片手に刀を持つ黒坂の姿があった。

「でも…。」

「いいから!!早く!」

黒坂の声に頷き、拓馬は恭子を連れ逃げていった。

「黒坂、どういうつもりだ?」

正義はゆっくりと振り向き黒坂のほうを見た。

「ハンターだ。お前を殲滅する。」

黒坂はそう言うと、鞘から刀を抜き正義に構えた。



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