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Bullet of defense  作者: もやし好き
第2章 Before Night
17/42

第17話 過去(2)

「黒坂、お前に任務が来た。」

オフィスのような一室に座りながら黒坂は一人の男から紙を受け取った。

「初任務だ…。」

今よりも少し幼い姿の黒坂は与えられた紙を見ながら呟いた。

「そうだな。お前もこれで一人前だ。」

「はい…。」

そこに居る男は後に黒坂に銃を渡すことになる黒坂の師匠だった。

「緊張するのは分かるが、お前なら大丈夫だ。」

「はい…。」

いまだに緊張が抜けず顔を強張らせている黒坂に、師匠はやれやれと言った感じでため息をついた。

「同行は師匠ですか?」

ハンターの初任務には熟練のハンターが一人つくのが条件になっている。

「めんどくさいから、パス。」

「え!!」

師匠からの思いがけない一言に黒坂は声をあげた。

「お前なら、大丈夫だって言っただろ。」

「無理です!!」

黒坂は師匠が座る椅子の前に行き再び叫んだ。

「うるさいな…。早く行けよ。任務蹴ったら免許剥奪だぞ?」

ハンターは正当な理由がなく任務を拒否した場合、組合から除籍されることになっている。

師匠は腕時計を見ながら黒坂に言った。

「行きます…。」

黒坂は諦めドアの方へ肩を落としながら向かった。

「おい。あれはばれないように使え。」

ドアを開けたと同時に師匠が言った。

「はい…。」

黒坂は頷くとそのまま部屋を後にした。


「血だ…血が欲しい…血…血…。」

薄暗い路地裏に茶髪の若者が地べたを這いずっていた。

「人間の…ちがああああああああ!!!」

若者は叫び両手を挙げた。その手は月明かりを受け漆黒に輝いていた。


「この辺りだな…。」

黒坂は刀を両手で握り、薄暗い路地裏に居た。

「大丈夫…大丈夫…。」

深呼吸をした後呟いた。

すると後ろから若い女性が四人で歩いてきた。

「いつも思うけどここ怖くない?」

「うん、でも通らないと帰れないし…。」

残りの二人も頷きながら、影に隠れる黒坂の前を通っていった。

「血だ…血が来た…。」

すると辺りに不気味な声が響いた。

「なに?」

「やだ…。」

女性達は身を寄せ合い恐怖に震える。

その時

「血をよこせぇええええええええええ!!!!!!!」

上空から茶髪の青年が飛び掛った。

「きゃああああああ!!」

一人の女性が押し倒され周りの女性は悲鳴を上げた。

「血だ!血だ!!」

そう言うと青年はメナスの爪を振りかぶった。その目は赤く染まっていた。

「やめろおおおおお!!」

黒坂は飛び出し隙のあるわき腹を蹴った。

ドン

鈍い音と共に青年は吹っ飛び闇に消えた。

「大丈夫!?」

黒坂は女性を見たが気絶しているらしかった。

「この子連れて逃げて!!」

その場で硬直していた女性達に声を掛けると気絶した女性を抱え逃げていった。

「落ち着け…大丈夫…。」

黒坂は刀を鞘から取り出し闇に構えた。

「あああああああ!!!」

突如闇から飛び出した漆黒の爪が黒坂を襲う。

キィイイイイイイイイン

黒坂は刀で防いだ

衝撃が受け止めきれず刀が弾かれる。

「な!?」

隙のできた腹にもう片方の爪が近づいていた。

「くそ!」

黒坂は刀を落とし攻撃を自分の手をメナスの手に変え、防いだ。

「ぐあああ!」

防いだはずの爪は黒坂の手に浅く刺さり血が流れた。


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