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Bullet of defense  作者: もやし好き
第1章 Begins Night
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第1話 三発の弾丸

「ねえねえ彼女。俺と遊びに行かない?」

様々な明かりに照らされ夜にもかかわらず暗さを忘れた大道りから少し奥に入った暗い小道では、現代風のファッションに身を包んだ二人の若い女性が、同じく若そうな二人の男性に声を掛けられていた。

「絶対楽しいからさ。」

にこにことしながら女性を誘う二人組みは、いかにも女性に好まれそうな顔つきである。

「どうする? ついてく?」

「いいんじゃない? カッコイイし!」

二人の女性は男性に了承し、四人はより一層暗い小道へと進んでいった。


「ねえ どこ行くのか教えてくれない? 暗くて怖いんだけど…。」

先ほどから一切振り返らず黙々と小道を進んでいく二人の男性に危機を感じ始めたのか二人の女性は身を寄せながら片方の女性が消え入るような声で前を行く男性に聞いた。

「この辺でいいかな?」

「ああ。ここまで来れば声出してもバレないだろ。」

と言うと二人の男性は振り向いた。その顔には先ほどまでのにこにことした表情はなく、気味悪く笑っていた。

「なにするの? ここ何にもないじゃない…。」

男性の顔を見てから、より一層不安になった二人の女性は恐怖の色を顔に示しながら聞いた。先ほどからしゃべっているのは片方の女性だけでもう一人の女性は、声もなくただ震えていた。

「なにするって、ディナーだよ。」

男性の片方がそう言うと、もう一方の男性は笑った。

「ディナーなんてないわよ! いいかげんにして!!」

恐怖に震える手を握り締め女性は叫び後ずさりした。

「あんたらだよ、ディナーは。」

そう言うと二人の男性は距離を詰めるように歩き出す。

そこには今までとは決定的に違う部分があった。

「何なのよその手…。」

男の手は人間の手ではなかった。爪は鋭く尖り、皮膚は月明かりをうけ漆黒に輝いていた。

「来ないでよ!!」

必死に二人の女性は後ずさり持っていたバッグを投げつけるが男たちは不気味な笑みを浮かべたまま近づく。

「そんじゃ、いただきます。」

その声とともに二人の男は人間のものとは到底思えない腕を振り上げた。

「きゃあああああああああああ!!」

―ダアアアアアアン―

女性の叫び声と同時に一発の銃声が沈黙に支配された空間に響き渡った。

「そこまでだ。」

銃声とその声に反応し二人の男性は振り返る。そこには黒いコートを着た一人の男が立っていた。

「メナス(menace)…だな。お前等を殲滅する。」

そう言うと男は天に構えていた銃口を二人の男性に向けた。

「なんだてめぇ!! ディナーの邪魔すんじゃねぇ!!」

一人の男は先ほどまでの笑顔など微塵も感じさせぬほど怒りに顔を歪ませて叫んだ。

「おい、俺らのことを知ってるってことは…ハンターじゃねぇの?」

しかし、もう一方の男は顔に恐怖の色を浮かべて呟いた。

「ああ? 奴等は銃じゃ俺らを殺せねぇよ! どうせハッタリだ!!」

「逃げたほうがいいって…」

「じゃぁ てめぇはそこで見てろ!!」

怒りに震える男はその腕を構え銃を構える男に飛び掛った。

「ハンターなら俺を殺してみろ!!」

「ああ。 殺してやるよ。」

そう言うと男は銃を構え引き金を引いた。

―ダアアアアアアン―

響き渡る銃声とともに弾丸は銃身から発射され飛び掛る男の額を貫いた。

貫いた直後飛び掛った男の全身は緑色の炎に包まれ灰と化した。

「なんで!! 何で銃で…!! こっちに来るなぁぁ!!」

後ろにいた男は叫び銃を構える男に背を向け走り出した。

すると銃を持った男は何も言わず逃げる男の後頭部に照準を合わせ、引き金を引いた。

―ダアアアアアアン―

三発目の銃声とともに弾丸は発射され逃げる男は炎に包まれ、灰と化した。

男は銃をホルスターに納め、声もなく震える二人の女性を見た後携帯電話を取り出した。

「終わった。女性が二人、確保しといてくれ。」

そう言うと携帯をしまい男はその場から立ち去った。



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