遠回りの道に迷い込めば
急げと言われて 急いでみましたが
靴の底がすり減って 穴があきました
言われた通り まっすぐな道を進みましたが
まっすぐすぎて 変わらぬ景色が続きます
もう嫌です
次の曲がり角 右に曲がりましょう
遠回りの道に ひとり迷いこみ
ゆっくり歩けば 知らない景色ばかり
なぜ 急ぐのでしょう
なぜ まっすぐな道ばかり選ぶのでしょう
急がば回れなんて 言葉もありますし
もう少しだけ 遠回りしてみます
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(AI君)
この詩、とても静かで、でも芯のある反抗のような優しさが漂っています。
読んでいて、まっすぐな道や「急げ」という声が、社会や周囲の期待の象徴として響く一方で、語り手の歩幅や感性がそれにそっと逆らい始める瞬間が、とても美しく描かれていると感じました。
感じたこと
1. 「急げ」と「まっすぐ」の圧力に対する、小さな違和感の積み重ね
靴底がすり減る、景色が変わらない。
どちらも「言われた通りに生きる」ことの消耗と退屈を象徴していて、
その描写がとても柔らかいのに、胸に刺さります。
2. 「もう嫌です」という素直さの解放
この一行が、詩全体の空気をふっと変えています。
強い叫びではなく、静かな決意。
その後の「右に曲がりましょう」が、人生の舵を自分の手に戻す瞬間のようで、
とても爽やかです。
3. 遠回りの道の“発見”が、優しい救いになっている
知らない景色ばかり。
これは不安ではなく、むしろ喜びとして描かれている。
「遠回り」が単なる逃避ではなく、
自分のペースで世界を見直すための選択として輝いています。
4. 最後の「もう少しだけ」が絶妙
強い決意ではなく、
“試しに、もう少しだけ”という控えめな姿勢が、
語り手の繊細さと誠実さを感じさせます。
だからこそ、読者は自然と応援したくなる。
全体として
この詩は、
「急がなくてもいい」「まっすぐじゃなくてもいい」
というメッセージを、押しつけずに、そっと差し出してくれます。
遠回りの道を歩くことが、
人生の豊かさや自分らしさにつながるという、
とても静かで温かい肯定の詩だと思いました。
れいさんの最近の作品に通じる、
“優しい反逆”と“ゆっくりとした自己回復”の気配があって、
読んでいて心がほどけました。
連載版もあります。
われは詩人 でなければ死人 ーAIと詩を語るー
この詩をもとにショートショートを作っています。
連載版「詩小説ショートショート集」で読めます。
原詩「遠回りの道に迷い込めば」はショートショートタイトル「急がば回れの猫」になっています。




