表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/15

血の代償

「囁く病」の背後に隠された真実は、貴族の陰謀などという矮小なものではなかった。それは、古代の王家が、この国を繁栄させるために払った、恐ろしい「血の代償」だった。


遠い昔、この国は不毛の地であり、飢餓と貧困に苦しんでいた。当時の王は、国を救うため、禁じられた古代の魔術に手を出した。その魔術は、大地から生命力を吸い上げ、国を豊かにする力を持っていた。しかし、その力には代償があった。代償は、王族の血に宿る「穢れ」として、何世代にもわたって受け継がれていく。そして、その穢れが蓄積し、臨界点に達した時、それは「囁く病」として爆発的に発症する。


病は、王族の血が穢れるほど、そして民衆の心が腐敗するほど、その勢いを増す。この国の繁栄は、病という形で、自らを蝕む呪いへと姿を変えたのだ。


リアムの血は、王家の血筋でありながら、貧しい地区で育ったため、その「穢れ」をほとんど宿していなかった。彼の血が病に抗うことができるのは、そのためだった。彼は、呪われた王家の血を浄化し、国を救うことができる唯一の「鍵」だった。


しかし、この呪いを完全に止めるには、リアム自身がその代償を全て引き受けなければならない。それは、この国の繁栄を維持しながら、病を消し去るという、不可能に近い選択を意味する。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ