表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/15

暗殺

老将ガレンがリアムの味方についたという知らせは、瞬く間に王都中を駆け巡った。この予期せぬ同盟は、商家の長であるエリザベスを激しく動揺させた。彼女は、自らの研究施設で、静かに新たな策略を練っていた。


「愚か者め、武力と理想が手を組むなど。この国を動かすのは、金と情報よ。王座はすでに私のものだというのに…」


エリザベスは、高価な香木が香る書斎の椅子に深く腰掛けていた。机の上には、リアムとガレンの動向を記した報告書が広げられている。彼女は、二人を対立させるための新たな陰謀を練り上げていた。金で傭兵を雇い、リアムの評判を落とし、ガレンの忠誠心を試す計画だ。


その時、書斎の窓から、鋭い矢が一本、風切り音もなく飛び込んできた。


エリザベスは、何が起こったのか理解する間もなく、胸に激しい痛みが走るのを感じた。矢には毒が塗られており、彼女の全身の感覚は一瞬にして奪われた。彼女の指先が、机の上に置かれたガラス瓶を弾き、透明な液体が床にこぼれ落ちる。それは、彼女が「囁く病」の治療法だと信じていた、まだ未完成の秘薬だった。


「…ま…さか…」


エリザベスは、かすれた声で呟いた。彼女は最後まで、自分のような完璧な策士に、死がこんなにも無秩序に訪れることを信じられなかった。彼女の体から、次第に力が抜けていく。そして、彼女の瞳に映る最後の光景は、窓の外を素早く去っていく、黒いフードを被った人影だった。


彼女の死は、王都を更なる混乱に突き落とした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ