水川龍王脈(後編)3
鉄心は上に鎚を投げ上げ、
屋根は瞬く間に大穴が開き、
続いて構造が崩壊し、
吉田が巨額の資金を投じて造ったオフィス兼会議室は全滅した。
外の空は嵐が吹き荒れており、
雨粒が少しずつオフィスの廢墟の地面を浸食していた。
「いい天気だな!竜力が一時的に小幅に回復した。」
鉄心は天を仰いで嘆き、
体の銀白青の鱗甲の亀裂した部分が湿らされた。
【水竜・水波】
「この一撃で、この組織を徹底的に破壊しよう!吉田を裸の王様にしてやる!」
鉄心は狂笑しながら筆先を無数の銀青の水滴に変え、
空中に浮かんだ水滴が驚くべき速さで落下し、
地面に触れた瞬間にまるで生き物のように直立した!
「気が狂ったのか?こんな場所で禁術を使うな!」
青竜の竜鱗が驚きで激しく震えた。
「違う!彼らは阻止する暇がない!」
「この狂人め――!」
「Tidalis――(潮汐の一)!」
竜呪の初節が口から出た瞬間――
豪雨が逆巻いて天に突き上がり、
鉄心の背中の青竜の血紋が浮かび上がり、
十二枚の巨輪のような水符文が周身に結晶化し、
符文の中心の口が狂ったように回転し始めた!
「ふぅっ!」
麗子は激しい痛みで目を覚まして血を吐き出し、
水撃波の切断力で腰から二つに切断された。
「何...中...」
彼女は半分の腕を伸ばし、
虫のようにゆっくりと何中の方向に這っていった。
何中はその場に凍り付いて表情が固まり、
乱れた予香さえも呼吸を止めた。
麗子は半分の体を引きずって這い、
地面には塩の霧と血の混合物が固まっていた。
何中はよろめきながら立ち上がり、
血で滲んだ視界を麗子の荒廃した体に集中させた。
彼は跪き、震える指で彼女の冷たい手首の骨に触れ、
喉が詰まって完全な言葉が出せなかった。
鉄筋が貫通した傷口からはまだ血がどっと湧き出て、
泥水と混ざって地面に暗赤色の川を作っていた。
「麗子……ここにいるよ……」
彼の嗄れた声は大雨に大部分が飲まれた、
「弟のこと……君のせいじゃなかったよ。」
遠くで母の詠唱が強まり、
呪いのようでもあり鎮魂歌のようでもあった。
何中は突然頭を上げ、瞳孔に麗子が瀕死の際に噛み出した血の呪文の模様が映り――
その図案は鉄筋に掛かっている眼球と同期して震えていた。
彼は染まったジャージの破片を取り外して彼女の腹腔の裂け目をしっかり押さえたが、
温かい、トマトケチャップのような組織液を掴むだけだった。
「頑張って……今度は俺が君を守る……」
何中の肺が裂けるような叫び声が雷雨と一緒に轟き、
麗子の散った瞳の中に、
最後に映ったのは彼の背後に静かに集まった、
十二枚の水符文の巨輪の影だった。




