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《AIと300ラウンドも戦って、こんなことまで書いてしまった。本当に我慢できない。》  作者: AIのマスター
水!水!水川龍公(廃案)

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龍血の記憶寄生虫

麗子が扉を開けた刹那。


「驚きましたか?」予香は針先を舐めて笑った。


「吉田様が新しい仲間への手土産を持って来いって。♥」


梁田の道服の襟が滑り落ち、何中と同じ龍鱗の灼けた痕が露出する。


予香はちょうど梁田の首筋に『龍麻』を注入しようとしていた(昏倒して龍血の力を持つ者に作用する)。


尖った注射筒は軽々と皮膚を貫き、赤く澄んだ注液が針管を伝って梁田の血液へと流れ込んだ。


「吉田様が言ってたの…これはあなたの前回の断指から抽出したものよ♥」


そして予香は小さな手で一押しする。


梁田は糸の切れた人形のように、予香の支えを失い、力なく地面に倒れ込んだ。


「面倒ね、梁田はここでちょっと寝ててね!」


予香は梁田の身体を踏み越えながら中へ入ってきた。


「ふふ〜、梁田の身体、ぬるぬるしてて気持ちいい〜」


予香がそんな声を漏らすと、当然のように何中の下卑た視線を引き付ける。


何中の視線が向けられると、予香は口を開いた。


「何中くん〜〜、踏んでみたい?」


予香は何中の前に歩み寄る。


「それとも、下の方を舐めてあげようか?」


予香は注射筒を掲げ、針先を舐める。


舐め方は獣性をかき立てるようで、


「あふ〜、あふ〜」


軽い喘ぎが漏れる。


黄色い縦の瞳が彼の首筋をじっと見据え、彼女の体内の龍血は沸き立っていた。


その瞬間、何中は警戒を解き、理性の制御を失う。


「だ、だいじょうぶ――?」


言いかけたその瞬間、予香の犬歯が何中の首筋に突き刺さった。


皮膚の下に、母親・予英の顔が浮かび上がる。


「何中くんの血はね…忘れられない味がするの♡」


「う、うわっ!!!」


何中はこの奇襲に不意を突かれ、激しく抵抗して彼女を押しのけようとする。


!!!!


匕首が刺さった肩から蒸気が噴き、予香の胸部を灼く。


何中は予香を押しのけることができない。


「何中くん♡」


予香は両腕で何中を抱き締める。


「んふぁ〜、んあ〜」


予香は悦楽に浸るような声を続ける。


「痛いよ!こいつ、私の血を吸ってる!」


何中は慌て、匕首の刺さっていない方の手で、予香の後頸を掴む。


だが予香の首筋には金稲穂の龍紋が刻まれており、掴んだ瞬間、何中の手背にある赤紅の焰龍紋と予香の龍紋が接触する。


直後、何中は激しい痺れを感じ、気づけば視界は真っ暗になり、意識を失って倒れた。


「ふふ、何中くん♥」


予香は最後に何中を呼んだ。


《五年前・龍華高校 地下医学実験場》


「頭が痛い…ここはどこ?」


何中は予香の記憶へと引き戻される。


「いいぞ、こいつはいい実験体だ」


何中が最も嫌う声が聞こえた。


「まるで安物の龍血体の実験テンプレそのものだ!」


吉田は両手を震わせ高らかに言う。


「では、これから始めよう!」


吉田はメスを手に取り、手術台の上の何中をゆっくりと解剖し始めた。


「どれもこれも俺と同じじゃないか?」


手術台の自分の臓器には龍語が刻まれており、何中の胸中に怒りが再び燃え上がる。


「死ね、猿!」


何中は突っ込んで吉田に一撃を食らわせようとするが、身体は奇妙にすり抜けていく。


「何だ、こりゃ?」


何中の拳は空を打つだけだった。


彼が困惑している間に、吉田は楽しげに何中の心臓を取り出す。


真っ赤で握り拳ほどの大きさの心臓は鼓動し、そこに「王室龍脈」が浮かび上がる。


次の瞬間、それは収集器へと放り込まれた。


何中はその光景を見て、驚愕と吐き気を禁じ得ない。


「気持ち悪い……」


彼は吐かないように口を押さえ、できるだけそのおぞましい光景から目を背ける。


一方、吉田は狂気にも近い高揚を見せ、手術刀が震えを止めない。


「素晴らしい!実験体の臓器もこんなに新鮮だ!」


吉田は狂気じみて天井の手術灯を見上げ、両手を掲げた。


「これほどのテンプレがあれば、王室龍脈復興の戦いも近いはずだ!」


だが突然、吉田は冷静さを取り戻す。


「予英、今すぐ赤紅焰龍の血剤を取ってこい」


吉田は背後に立つ予英に命じる。彼女はまるで給仕のように酒杯を運んでいた。


「はい!」


予英が応えると、吉田はその酒杯を一気に奪い取る。中にはやはり一本の指が浸っていた。


何中は好奇心でその一部始終を見続けつつ、手術台上の自分を直視しないように努めた。


「本当に気持ち悪い……」


予英が去ろうとすると、何中は興味本位で後を追う。どうせ彼らには見えないのだから。何中はどの建物も自由にすり抜けられる。


二人は見えないまま歩いていく。


「これらは……いい値で売れるはずだ」


何中は去っていく予英に続き、吉田は臓器の価値に悦びを示す。


「人をゴミ扱いする奴は、いつか報いを受ける!」


予英はそう囁き、まるで何中に向けるように呟いた。


ジジ……ジジ……


予英はかすかな灯りの下を歩き、龍血改造人の禁室を次々と通り過ぎると、龍のような咆哮のような声を上げる。


「まったく龍の叫びとは違う。むしろ人が龍の声帯を真似たような音だ」


何中は後ろからそれを評する。予英にはそれが日常だった。


「でも、あなたの名前は予香……さっき私を噛んだ子と似てる?」


何中は目の前の、予香に似た存在に話しかけてみる。反応はない。何中は黙るしかなかった。


ジジ…ジジ…ジジ…


灯りの点滅が速くなる。予英は不穏さを感じて足を止める。


「どういうことだ?」


何中がまだ疑問を抱いていると、灯りは一斉に消え、また点いた。


そこには全裸で屈強、身長二メートルを越える巨漢が立っていた。水流をまとったような盤龍の刺青を背に負い、険しい顔つきで予英の肩に手を置く。


「ここからどうやって出るんだい、お嬢ちゃん?」


水川・龍王脈——不動院・鉄心(龍血実験体:A-5)。


彼の圧倒的な龍の息吹は周囲の実験体を押し潰し、声を上げることすら許さない。


「おっと、驚かせてごめんね」


その声は重く威厳があり、予英の瞳を海のような藍で見据えると眩い光を放つ。


肩には銀白と青の鱗甲が生え、全身が湿り気を帯びている。


予英は吉田の時とは遜色ない、虎のような龍の気配を感じ、恐怖に震える。


「逃げて!」


何中は再度予英に向かって叫ぶ。


「怖い匂いがする?」


鉄心は彼女の体内の水分を螺旋の水刃へと変え、こう言い放つ。


「逃げるなら体は水のように散るぞ!」


鉄心は予英の額に流れる冷たい汗を指差し、続けた。


「俺は液体に混じる匂いに敏感なんだ。お前の額の汗が奴を露見させたんだ」


鉄心の口調は怒りを帯び始める。


予香は息を殺し、目の前の男への恐怖を増幅させる。


「わ、わかりません……」


「嘘の味だ!お前の涙は血より興味深い」


肩に置かれた手が徐々に力を強め、彼女は体内の物質が締め付けられるのを感じる。


何中はただ目の前で予英が死に瀕するのを見守るしかない。助けたいのに何もできない。


「いや…そんなことしたら、私の子が……」


「うっ——!」


予英は口から激しく血を吐き、鼻孔や耳、目尻から血が溢れ出した。


「最後のチャンスだ。言わなければお前を潰す」


鉄心は完全に忍耐を失い、顔が凄まじく歪む。


「だ、だめ……」


予英は絞り出すように言葉を吐き、血混じりの涙を流す。


何中は目を閉じ、結末を悟った。


水流の中で混じるのは、彼女の娘の叫び声「ママ…助けて…」だった。


何中は驚いて目を見開くと、鉄心は高圧の水鉄砲となり予英の胸腔を突き刺し、予英は瞬時に血の霧と化して噴き散った。


何中の瞳には、砕け散った彼女の頭蓋が「A-10」を形作る光景が映る。内臓は四散した。


「言わないなら、行け!」


鉄心は手に付いた血を振り払い、身体ごと水の塊となって地中へ流れ込んだ。


床には乳児の手形のような水跡が残された。


何中はその光景を見て、涙と吐き気が込み上げる。予英の爆裂した視覚的衝撃が頭から離れない。


「うっ——ごめん、予香。助けられなかった。俺は失敗者だ」


「もしも掴めていたら……絶対に助けていた」


何中は吐きながら泣いた。無力さを嫌というほど味わったのだ。


「私たちはそんなに親しくなかったけれど、これからは親しい。もう一度機会があれば、必ず助ける。無力感はもう味わいたくない」


何中は胸の誓いを固める。


「責任感があるのね、君は。私の見る目が間違っていた」


予英の声が背後から聞こえる。


「予香?君、死んでいなかったの?」


何中は振り向き、先ほど粉々になった予英が再び現れたのを見て驚いた。


「そんな言い方…まあいいわ。ここは私の心域よ。簡単に言えば、予香という子に忘れられた心の領域」


予英は手を振る。


「そう、焰龍と同じように。つまりこの光景は君の記憶ね?」


何中は賢く推察する。


「その通り。ただし私は彼女の龍ではない。単に彼女の潜在意識が思い出せない人物なの」


「それはどういう――」


予英はその言葉に一瞬言葉を止め、次に語り始めた。


「私は彼女の母親。吉田は私を奴隷にし続けるため、水川の龍を逃がした後に私の子を捕まえ、子に龍血剤を注入して後頸に四つの龍印を刻み、私の記憶でその身体を支配しようとしたの」


予英の瞳に涙が溢れ始める。


「しかし私はもう従わなかった。だから彼は私の記憶を消し、私の子を自分の奴隷にした……」


悲しみを抑えきれず、彼女は声を上げて泣いた。


「王室龍脈復興のために、彼がどれほど多くの家庭を壊したことか!」


「お願い、娘を必ず助けて。頼む!」


彼女は何中の両手を掴み、涙を拭いながら真剣に言った。


「私の娘を吉田の支配から遠ざけて。さっき誓ったでしょ?もう一度チャンスが来たら、必ず助けるって。今、その時が来たのよ!」


「言わなくても、私は救う。私の拳は人を救うためにあるのだから!」


何中は力を込めて予英の手を握る。


「必ず助ける」


予英はその言葉を聞いて張り詰めていた表情を緩め、垂れ下がった頭をさらに低くする。


「本当に?ありがとう」


「あなたのような人がいてくれるなら、私の予香はあなたに託すわ」


予英は涙で顔をぐしゃぐしゃにして再び顔を上げた。


「性格はちょっと病んでるけど、感動しやすい子よ。私の娘だもの、わがままでも構わない」


「私は彼女のそういうところを気にしない。重要なのは、彼女が弱者で、守られるべき存在だということ」


何中は興奮して叫んだ。


だが予英の身体は少しずつ消え始める。


「もう私のことを完全に忘れてしまうみたい……」


予英は淡々と最後の結末を告げる。


「予香!必ず助けるからね!」


何中は予英を抱きしめようとしたが、空を抱いただけだった。


予香は口元に微笑を浮かべ、明るく笑った。


「そう?じゃあありがとうね」


予英は消える前に、指を何中の眼球へ差し入れ、記憶を伝えた。


・予香の後頸に刻まれた「金稲穂」は、実は龍卵植入器である。


・吉田は毎夜、青銅の鱗片で彼女の脊髄液を削ぎ取っている。


「救え…さもなければ次に解剖されるのは――」


何中は必死に叫んだが、彼女はもはや聞こえなかった。完全にこの世から消えてしまった。


予香……


何中の意識は蘇り、彼は肉体へ戻った。


何中が目を覚ますと、予香は注射筒で彼の傷口から滲む青い血を吸い取っていた。


「動かないでね〜これは吉田様への♡」


注射筒の中の血が突然凝縮し、予英の顔を形作る。何中は叫んだ。


「逃げろ!」


麗子は突然注射筒を叩き割った。


飛んだ破片が何中の頬を切り裂く。


「バカ!彼女の血には『記憶寄生虫』がいるんだ」


予香は首を傾げて微笑む。


首の皮が剥がれ、黄色い鱗甲が露出する。


「見つかっちゃったね…なら早めに『収穫』するしかないね♥」

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