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影葬の剣  作者: いうな
第四章 日常編
58/59

第五十七・一話 固有特性

サボリまくりである。

少し時を遡り....

-----------------------------


ガシャァァァン!!


「何?今の大きい音.....」


「ああ.....」


ガラスの割れるような音が鳴り響いた。

事故か?


それとも影霊....。




テンテンテンテーーン.....




アナウンスの音が鳴る。




〘古玉ショッピングモールにお越しくださりありがとうございます。


お客様に連絡です。この後テラス付近でショーを行うため、


少々大きい音が鳴ります。申し訳ございませんがご容赦くださいませ。


ショーは三階のテラス付近広場で行います。


ぜひご覧いただければ幸いです。〙



テンテンテンテーン......


「何だ.....ショーの演出の音か。」


事故かと思ってビックリした。


「どうする?見に行く?」


ノアの方を見直す。


「でも服選ぶんじゃ....」


「後でいいよ。始まっちゃうかも!」


それもそうか。

俺とノアは駆け足でテラス付近広場へと向かった。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~


広場へと着く。


三階の広場は一番上の階のため、

屋上をぶち抜く形で吹き抜けになっている。

雨の時は閉まるらしい。


広場を見る。


そこでは、全体的に丸い三等身の武士のような

見た目のゆるキャラが、

ニット帽を被った黒い服の男と戦っていた。


男は鎖と繋がれた斧とナイフを使っている。


.....随分リアルだな。


「!」


着ぐるみにナイフが当たる。

が、着ぐるみに破損はない。


まあ普通の小道具(オモチャ)か。


「すごい....あの着ぐるみ重そうなのに

すごい軽快な動き...。」


ノアが感心するように言う。


確かに....。


着ぐるみは重そうなボア生地だ。

なのに随分とアクロバティックな動きで

敵と殴り合っている。


「中の人は随分筋肉があるんだろうな。

俺だったらあんなの着てあんな動いたらすぐにバテるぞ。」


「中の人とか言わないで。」


ノアに怒られる。


まあ子供も見てるし夢がないか。


........?


着ぐるみの戦い方に違和感を持つ。


適当に殴ってるわけじゃない....。

どこかで見たような格闘スタイルだ。


カウンターを意識した殴り...。

回転しながらの蹴り...。


「.....マナ?」


--------------------------------------------------------


「ほっ....はっ....」


中々技を発動するチャンスがない....


新技は発動するまでには三秒ほどかかる。

この激しい肉弾戦の中でそんな余裕は生まれないだろう。


左腕が使えない状況でチャンスは作れない。


どうする....。


「遅くなってきてるぞォ!?」


男が鎖を振り、斧を飛ばしてくる。

ギリギリで避ける。


クンッ...


!!


斧の軌道が急に曲がる。


もう一つの機能か...

まずっ.....




「.......!?」


急に体が浮き上がる。


というか、体が振り子のように動き、

自由には動けない。


なんだ....?


上を見る。


そこには、黒い一本の線が続いていた。


「....ワイヤーアクション....!!」


広場の吹き抜けから見える夕空に、

クレーンが見えていた。


クレーンとワイヤーを一瞬で創造したのか...。

だがいい、とにかくチャンスはできた。


「リン、両手の部分だけ開けてくれないか?」


ガガ...


「いいけど...なんで?」


着ぐるみの手の先の方が開く。


左手を無理やり動かし、

左手の指と右手の指を交差させる。


「【ロリカ】........」


交差した指を手ごと強く閉じる。


「【超越流動(オーバーフロー)】......!!」



ドクン。



心拍数が上がるのを感じる。

体が重くなる。


「ぐっ....」


めちゃくちゃ体が痛い。


だが......


------------------------------------------------------

二日前の訓練中....



「.......体の強化術が欲しい?」


「ああ。」


影の世界の城の時みたいに

あの謎の力をいつでも操れるとは限らない。


あの時は運が良かっただけだ。

実際、城の外の敵を全て倒すまで意識がなかった。


「.....シンプルな影力での強化じゃダメなのか?」


「......なんというか....インパクトが足りないというか....

火力が安定しないんだ。悠真とかの影力の纏い方と

なんか違うっていうか....」


「.........固有特性か」


「......固有特性?」


                           つづく

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