第五十四話 放課後
「じゃ、またね~ノア!」
「うん。また明日」
これから部活があるクラスメイトたちと昇降口で別れる。
部活....入ってみたかったなぁ。
組織のこととかで忙しいから無理だけど。
たまには遊び行ったりしたいな。
.....?
校門前に見覚えのある黒い姿がある。
黒い髪にあの制服.....。
「...おいアレ悠真じゃねえか!?」「アイツどこで何してんだろ....」
周りから色々声が聞こえてくる。
悠真が転校してから三か月?くらいだろうか。
「....悠真!なんでいるの?」
名前を呼びながら悠真に駆け寄る。
「いや.....しばらく任務はないらしくて...暇だからさ」
「......暇だから?」
「噓だよ。どっか遊び行こうぜ。」
学校帰りに悠真と帰路に着く。
三か月振りではあるが、随分と久しぶりに感じた。
悠真と仲良くしてた人達はとても寂しがっていた。
悠真とまた色々猥談がしたいらしい。
しょーもないけど、気持ちはわかる。
後.....。
チラッ、と周りを見る。
いや、別に多いわけではないのだが、
悠真は意外とモテていたっぽく、
悠真のことが好きだった女子達からの視線が痛い。
別に....付き合ってるわけじゃないけど。
ていうか.....
「どこいくの?」
「確かに....」
何も決めていなかったらしい。
「ノアは行きたいとことかないの?」
「うーん...じゃあ...」
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覚えてるか?
俺の名はガイル。
組織で働く構成員だ。
今はショッピングモールにて魔法少女への差し入れを見繕っている。
ガヤガヤしている所は嫌いじゃねえが、
なぜか視線を感じる。
俺は人一倍、五感が鋭い。
視線の方向を見る。
「げっ、バレた....」
「逃げるな!」
俺を見ていたのはマナだった。
でももっと視線を感じる気がする。
「お前何してんだよ。女性用の服屋で....。
周りの視線気になんねえの?筋骨隆々の軍人野郎がいたらそりゃそうなるわ。」
「ん!?良くないのか?」
「いや、この時代良くないってわけじゃないが...」
時代ねえ....。
「...魔法少女への差し入れか?」
「そうだ。何がいいのかわからねえ。」
「しょうがねえなぁ~~、私が手伝ってやるよ」
コイツ.....もしかしてオシャレに敏感だったりするのか?
...確かにマナのコーデはいい感じか....!
「...つーかよ、お前俺がアクアのことぶん殴ったの怒ってねえのかよ?」
「.....怒ってないわけじゃない。でもしょうがないだろ。
それに今お前は全力で償おうとしてる。それで十分だろ。」
心が広い....。
東京でのあの事をまだ引きずってはいるんだろう。
それでいてこのメンタルか。
最近のガキはどうなっていやがる。
「まあとりまさっさと選ぶぞ。アイツらが好きそうなのは....」
マナが白い服に手をかける。
「これとかアクアが好きそう....」
マナがこちらを向く。
だが、その顔には何か違和感があった。
というより、こちらではなく俺の奥を見ているようだった。
また影霊か...!?
後ろを向く。
「...............!!!!!」
店の前の吹き抜けの手すりの向こうに見覚えのある二人がいた。
「....ガイル。」
「わかってる。追うぞ。」
服を棚に戻し、手すり越しに二人を見る。
「これは一大事だ....。」
「玲にも伝えた方がいいんじゃねえか?」
俺達の視線の先にいたのは____
___悠真とノアであった。
「やるぞ」
「ああ。」
つづく




