第五十三話 花言葉
「いや....ないんだ義手の説明書」
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多分今トワさんと俺には同じ思考が流れている。
「....じゃあなんで義手遺物にしたんだ?」
やっとのことでトワさんが口を開く。
「いや...どうせならと思って...好奇心で.....。
遺物にできるって言われたから....。」
「「「.........」」」
「まあいいや。お前たち、今日は帰れ。
明日までに何かしら掴んどけよ。」
.....帰っていいんだ。
...明日?
「これから毎日ここに通ってもらう。
基本的な力の底上げをしないと一級には足りないからな。」
なるほど......まあいいか。
一級になればできることも増える。より近くでノアをちゃんと守ることも可能になるはずだ。
何よりもっと強くならなきゃいけない。
烏相手に手こずってたようじゃ俺はダメだ。
能力を強くする。
トワさんが言っている通り、俺の技は全部ワンパターンだ。
別の方法を考えないと。
まあいい。今日は疲れた。二回くらい死にかけたし。
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ここは古玉中学校。
私達魔法少女は、いつもここで勉学を学んでいます。
「桃花ぁ~」
オレンジ_もとい「夏美」が私の席に倒れてくる。
「もう疲れて来たよ~毎日授業受けて毎日戦うなんて....」
「私達の活動は必ず誰かのためになってる。忘れちゃダメだよオレンジ。」
そう言ったのはアクア__もとい「美波」だ。
「でもぉ~....」
気持ちはわかる。
毎日人のためにシャドウを倒し続ける。
もちろん感謝もされるしサインも要求される。
テレビで取材されることもある。
それがオレンジにとっては疲れるのだろう。
申し遅れたが私はピンク__もとい「桃花」。
魔法少女のリーダーだ。
でも今は六時間目。
特に部活にも入っていないためもう帰れる。
で、今日は予定がある.....。
「ラベンダ.....詩音のお墓参りのお花買っていかないとね」
「うん......」
ラベンダ__詩音が亡くなってからちょうど一か月。
あまりにも早すぎる死だった。
あの斬撃を扱うヤツ....次会ったら絶対許さない。
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「あぁ~~やっと終わったぁ~~」
昇降口をくぐる。
「交差点に花屋あったよね?」
夏美に確認する。
「うん。あそこはきれいなお花多いしいいよね」
詩音.....。今でも記憶から離れない。
小学校からずっと一緒だった私の幼馴染。
あんなにあっさり....。
....?
みんながコソコソ何か話している。
「....ねえあの人美人すぎない?」「うちらの中学じゃないよね?」
「ナンパしちゃおうかな?」「写真撮ってくれないかなー?」
....なんだろう。みんなが見ている方向をみる。
「!」
そこにいたのは校門によたれかかっているマナだった。
なぜか内側にいる。
うーん....まぁ確かに美形...か....?
髪も綺麗な金髪だし....地毛?なのかな?
スカジャンの下にミニスカというコーデだがとても寒そうである。
「....来たか、行こうぜ。」
マナがこちらを向く。
「.....うん」
私達は花屋へと向かった。
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「...どの花がいいかな」
「好きな花とかなかったのか?」
好きな花.....。
「...文字通りラベンダーが好きだったんだけど....。
この時期にはないし...。」
「.....これとかどうだよ」
マナが手に取ったのは白い花だった。
花の名前が書いてある小さい板を読む。
....ヘレボロス?
「ヘレボロス....」
美波がそう言いながら近寄ってくる。
「花言葉は[relieve my anxiety].....」
「.....わからん..何だ?」
マナが不思議そうな顔をする。
「いい意味ですよ。」
「じゃあこれにしようか。」
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ジョロロロロ...
手桶で暮石に水をかける。
ここには何回も来ているが、その分何回もやるせない気持ちになる。
墓に向かって両手を合わせる。
.....................。
何を考えればよいのだろう。
敵をとること?魔法少女の仕事を全うすること?
何かを誓えばよいのか?
違う。詩音が思うのはそんなことじゃないと思う。
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___________「桃花と私なら最強だからね!約束!もう泣いちゃだめだよ!桃花見てるといっつも心配になっちゃう!」____
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..........いつかの大切な言葉。
詩音。私、もう負けないからね。
目を開ける。
「ヘレボロスの花言葉....それは「私の不安をやわらげて」」
「「「!!」」」
「.......英語で言ったらわかんねえだろ」
「そっちの方が粋かと思って。
花言葉で選ぶ花を決めると長くなりそうだし。」
「....詩音がラベンダーの次に好きな花だったんだよね。」
他愛のない会話を交わしながら、私達は帰路へとついた。
つづく
しばらく日常を描き続けます。
平和でもいいじゃない。




