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影葬の剣  作者: いうな
第一章 影と共に
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第五話 事件

短めの話をたくさん出そうと思います。

「やっと任務が来たぞ!!」

そういって寮の扉を開けて入ってきたのはマナだった。

ここは組織の家がない人用の寮らしい。電気もwifiもあるので結構快適だ。

「また神崎さんからか?」俺はベッドから立ち上がった。

「違ぇよ!組織から直接だ。神崎さんは出張でいないらしいし。」

「へえ,,,,,,いつやればいいのそれは」「今日だよ。今から行くんだ。」

「いませっかく5周目終わりそうだったのに.....」

「......お前ゲームRTAする派だったんだな」


.....................................................................................................................................................

「ここが依頼現場?」「そうらしいな」

組織の車に乗って着いたのは廃校だった。

それも小さい......

「はい。ここが今回の現場となっております。」

そう言ったのはサポート....というより補佐役の石崎さんだった。

「石崎さんは戦えないのか?」「無理ですよ。箱も取り込んでないですし」

「それじゃあ行きますか......」

昇降口まで歩くとある違和感にきづいた。

扉が黒くなっていたのだ。

「なんだこれ.....影か?」

「これは拡張影法........まあいわゆる結界だな。入ろうと思えば入れるんだが、戻ってくるには本体を倒さないといけない。」

「でも入んなきゃいけないんだろ?」「そりゃそうだろ」

俺はマナと扉の先の影へと足を踏み込んだ。

「「!?」」

廃校舎の中に入ったと思うと、そこは別世界だった。

「なんだここ.......」

どこにでもありそうな学生たちのいる学校と化していた。

ちゃんと人として学生が歩いている。中学生くらいだろうか?

「どういうことだ......?」

生徒同士はしっかりしゃべっているし、日本語として聞き取れる。

「わからんが、まずこの人間に触れられるかどうかだよな」

マナが生徒の肩に手を置いた。実体はあるようだ。

マナが口を開く。

「ちょっと話してもいいか.....あ?」

その瞬間、マナの右手の肘から下がはじけ飛んだ。鮮血が床や体に飛び散る。

「え.....グぅああああああ!!!」

「チッ.....こっちだ!!」

俺はマナの左手を引いて校舎から出た。

出ると、そこには晴れた天気に校庭が見えた。

そこで俺はある事実に気づいた。

「嘘だろ.......」

そういえばそうだ。校舎から出られるわけがない。

この「外」ですらも結界の「中」ってわけだ。

「どういうこっちゃ......影ってなんなんだよ」

とりあえず校庭から離れた倉庫の裏に隠れた。

「大丈夫かマナ!!」「大丈夫....だよ。魔術で止血もしたしな」

「そうか....」俺は一応のために持参していた包帯をマナの腕に巻いた。

「とりあえずだ。ここからどうにかして一旦でないと....」

「無理だ。さっきも言ったろ。本体が死なないと結界は壊れない。

しかもこのレベルの結界......」

マナが顔を青くした。

「0級相当の影がいる」「れ....0級......?」

なんでそんな任務が俺たちに?

とにかく、こいつだけは外に出さないと......

「....!!悠真!後ろだ!!」「は?」

後ろを向くと、そこには人が異形化したような人とは呼べない生物だった。

「影k」その瞬間校舎を貫いて俺は吹っ飛ばされた。

「ぐっ......」頭から血が出ている。意識が朦朧としてきた。

「ワタシの結界に入ってくるってどういうコト?死にに来たの?」

さっきの影がこちらへ向かってきた。

「お前がこの結界の本体か」「ナニ?君?ていうかその影力.....影法師かナ?」

クッソ.....どうすれば勝てる?

なにか.....銃......剣......箱................

俺は銃を取り出し影霊に構え、電気の弾丸を放った。

「オォウ.......その銃.....なんで君なんかが持っているんダ....」

影霊は手を上げたと思うと手を一気に下げ謎のバリアで弾を防いだ。

「なっ......」どうやら俺の攻撃は効かなそうだ。

どうする?っていうか、腕を簡単に弾き飛ばせる能力があるくせに、

なんで俺をすぐに殺さない?なにか条件がある?攻撃の手段は...

「この人間に触れたら能力発動ってことか?」

「オシイ。私の【箱】の能力は〘抗力(ドラッグズ)

私が触れて力を与えたものに役割をあたえるのヨ」

つまり触れてなければ攻撃の回避は可能ってわけね.......

なるほど、さっきぶっ飛ばされたのは「俺」じゃなくて

「俺に近いもの」にでもふれてたのか?

クッソ.....意識が遠のく........

俺はうずくまった。地面に顔が近づき、血だまりが地面にひろがっていた。

そして俺はあることに気づいた。体全体でうずくまっているのに

地面が暗くなっていないのだ。

確かに、光がなきゃ影はできない。ここは結界内だ。光も何もない。

だが、光がないのに物を捉えられるわけがない。

影って意識に直接干渉できんのか....?

どっちにしろ、もう死にそうだ。直感でわかる。

「結局ノアもマナも守れなかったな.....」

意識が朦朧とし、ついに意識が途絶えてしまった。

.......................................................................................................................

「ヤット死にましたカ」

0級の影霊は箱をもっていることがある。

しかし、それは人間が保有する【創造の箱】ではなく

【破壊の箱】という全く別の箱である。

「サテ、もう一匹の方も処理しましょうかね」

影霊はマナの方へと歩いていく。

その瞬間、背後からとてつもない影力を感じた。

「!?」悠真の方向を見ると、血だまりが真っ黒の影となり、

悠真本体に流れ込んでいく。「ナッ.....!?」

悠真が立ち上がる。本人は意識すらないはずなのに。

その時の悠真はもはや悠真ではなく、人型の影霊のようになっていた。

「ナンダオマエハ......!?イキているのカ!?」

その瞬間、悠真は自分の影に一瞬でもぐりこんだかと思うと、

影霊の目の前に立っていた。

「ア....?」悠真が影霊の首を掴む。「グッアアアア!!」

影霊が何かに触れようとあがくも、影霊はもはや地に足をつけておらず、

手足をじたばたしているだけであった。

「タスケテ!タスケテェエ.....あ」

影霊の首がはじけ飛び、影となって消えた。

そして、結界が崩壊し、もうそこは誰もいない廃校と化していた。

「..........???!」一部始終を見ていたマナは絶句していた。

(どういうことだ.....?しかも何もしゃべらないし....本当に無意識なのか?)

すると、悠真がマナの方へと歩いてくる。

「おい!大丈夫なのか悠真!」

悠真は何もしゃべらずただただマナへ近づいてくる。

「お.....おい.......」

悠真の足が黒くなったかと思うと、マナの体を高速で蹴った。

「ぐっ....!?」マナは左腕で体を守ろうとしたが、

右腕がないため平衡感覚を失い、そのまま廃校の壁に激突した。

「ぐあっ.....」マナは地面にうずくまった。

右腕の包帯が取れかかり、背中から血が出てくる。

「な....なんで...」

悠真はもうすでに生きているもの全てを殺しにかかってきているようだった。

悠真はマナに近づき、影でできた棒でひたすらマナを殴った。

「ぐっ..あっ..あ"っ」10秒ほど殴り続けた後、

悠真の手から影が長細く出てきたと思うと、

それは剣となった。悠真がマナに剣を振りかざす。

「い......いや....ちょっと......待ってくれよ....悠真.....」

悠真にマナの声は届かなかった。

マナの声も虚しく、剣が振り下ろされた。


つづく

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