第四十八話 帰路へ
「うおっ!?」
裂け目から体が飛び出し、地面に投げ出される。
ここは....?
!!
私達は現世の交差点に投げ出されていた。
辺りを見回すと、普通に人がたくさんいる。
てかここ....交差点の角の店を見る。
そこにはたい焼き屋があった。
ピンクと一緒に食べていた場所だ。
なおさらピンクを暴れさせるわけにはいかない。
「悠真!!まだ持つか!?」
「ああ.....俺の影の”打ち消し”だけいい感じに薄めてピンクの脳に集中させてるが.....やっぱり100%じゃねえとちゃんと機能しない....!!」
悠真が影をさらに強く握りしめる。
「コイツを絶対に動かすな....!!」
「ああ....わかってる。」
.....?
何やら大衆が騒がしい。
「あれ....魔法少女だよな?」「その隣にいるのは誰だ...?」「あれだよ、なんか途中から新しい子いたろ、」「どうしよう...魔法少女ピンチなんじゃないの」「あの黒い男は....敵?だよな....?」
....まずい!!!
魔法少女のステッキにはとある”副効果”がある。
それは....”「応援」されると身体能力とステッキの力が1.5倍になる"。
今ピンクは大衆にピンチだと思われている。
つまり....!!
「ガァァァァアァァ!!」
ピンクがまた叫び始める。
ピンクが高速で空中に浮き、どこかへ向かって飛行を始めた。
まずい、逃げられる...!!
どうする....!?ピンクに一般人を傷つけさせてはいけない...!!
だが追いつけるスピードじゃない.....!!
「.....マナ、一つ策がある。”この作戦”ならピンクに絶対追いつける。」
「!?冷静だなお前....!!」
「ここまでは予想できてた。あんなスピードで逃げられるとは思ってなかったけど.....」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「.....本当に大丈夫なのか?こっちピンクと完全に逆方向だぞ」
「これでいいんだよ」
10秒くらい全速力で走ってきた。なにするつもりなんだ......
....?
全然気づいていなかったが、悠真の両腕から影が伸びている。
さっきまで使ってた弾性の.....
......どこまで繋がってんだ?
後ろを見る。
..........................。
うーん、見えねぇ.....。
...........いや、普通に考えて見えないことあるか?
ピンクの家は中野区ら辺だったよな....
さっきのたい焼き屋も中野区.....
「.....なあ悠真、その影どこまで伸びてやがんだ?」
「....あー、それぞれ大体中野駅と沼袋駅くらいだな」
「.................」
はぁぁぁぁぁぁ!!!???
ちょっ....直線距離でどのくらいあんだそれ!?
今頃ネットニュースで話題になってそうだな。
「謎の黒い影」みたいな....
...いやマジで呑気なこと考えてる場合じゃない。
ピンクが飛行を開始してから19秒くらいか。
「覚悟はいいか、マナ。」
「ああ、絶対ピンクを取り戻す」
悠真が反対方向を向く。
「この影持て。重いけど」
「その影ってパスもできるのか....」
影を両手に装着してもらう。
がぁぁぁぁ重い。これでも悠真が負担を軽くしてくれてるんだ。
「俺が背中を押した瞬間お前の箱の魔術の力を最大出力で放出しろ。」
「わかった」
「いくぞ!!」
悠真が私の背中を押す。
【出力最大・電衝・ロリカ】!!
「うおっおおおお!?」
ド
ン!!!!
音がめっちゃ遅れて聞こえる。
「ロリカ」は私が自分で編み出した全身に影力を張り巡らせる技だ。
田舎の研究施設ん時に圧縮女に対して勘で発動した。
これを使えば大きな圧力は大体防げる。
.....にしても速過ぎんだろ。
守ってないと体が焦げてたな。
...!!ピンクが見えてきた。
大体肉眼で....
1000m...
800m...
200m.........!!
「オラァァァ!!!」
ピンクの腕を掴む。
「ちょっと痛ぇけど我慢しろよ!!」
ピンクの腕を持って地面へと投げ飛ばした。
ドゴオオオン!!
街が崩れる。
肉眼で人がいないところに打ったから多分大丈夫だろう。
ピンクのとこまで落ちる。
「ウ....ガァァァァ!!!!」
ピンクがまた叫び始める。
ピンクに近づき、肩を押さえつける。
「う.....ぉぉぉぉぉ!!」
とんでもねぇ力だ....!!!
「頼むから....これ以上暴れないでくれ....!!
覚えてねえのか!?魔法少女のこと....!!
意識を取り戻せ!!お前はヒーローだろ!!」
「ウ.....ガァァァァ!!」
「!!」
ピンクから光線が無作為に放たれる。
だが、その一本一本が細い。
先程の極太レーザーとは大違いだ。
ピンクも抵抗しているのかもしれない。
光線が私の体に傷をつける。
傷も浅い。威力は落ちてる!!
「戻ってこい....ピンク...!!」
「ガァァァァアァァ!!」
まずい....弾き飛ばされる...
耐えろ...耐えろ.....!!
....?なんだ....誰か近くに....
「戻ってきて、ピンク!」
「そんなの....ピンクらしくないよ!!」
「!!お前ら...!!」
そこにいたのは、アクアとオレンジだった。
「覚えてないの!?みんなで肩組んで....シャドウから街を守るって言ったの....!!」
「みんなで....美味しいものもいっぱい食べたじゃん!」
「ウ...が?」
衝撃が収まってきた。
いける...!!
「だから....戻ってきて!!」
「「桃花」」!!
「う....が.....?」
アクアとオレンジの手が光りはじめる。
そうだ。魔法少女の持っている特殊な影力.....。
シャドウを消せる力.....。
そして、その光はピンクを覆いつくした。
「う.....あ......」
ピンクの変身が解け、ピンクは倒れた。
「あ.....」
......やった......
「....やりましたね、ライト!!」
「....ああ....後...やっぱり"ライト"はやめるよ。普通に”マナ”でいいや。
やっぱり、私には似合わない。」
傷だらけの自分の体を見る。
...まあ、私以外に被害はなかったしな。
「....ていうか、さっき”桃花”って言ってたが....」
「ああ、それはピンクの本名です。学校に行ってる時は名前で呼んでるんですよ。」
「...そうなのか。ていうか、とりあえずピンクを運ぼう。
家に帰って....話はそれからだな。」
空を見上げる。.....?空....紫色みたいになってたよな?
空が夕焼けのオレンジ色になっている。
...まあ戻ったに越したことはないか。
私はピンクを背中に負い、ピンクの家へと歩いた。
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「あーあ、あの洗脳薬そこまで役に立たないんだね」
ディスプレイを眺めながらとある小柄な男がため息をつく。
「申し訳ございません。調合が甘かったようで...」
男の隣に立っていた大柄な男が謝罪する。
「いいよいいよ。そういうの....」
小柄な男が立ち上がる。
「いらないからさ」
小柄な男が指を上に振る。
ザシュッ。
斬撃が飛び、大柄な男の上半身と下半身が泣き別れになった。
「片づけといて」
「はっはい...ただいま....」
男が女の執事に指図する。
「まあそれこそあの子を早く手中に収めなくちゃ....♡」
男が舌なめずりをし、胸ポケットから何かを取り出す。
そこには、ノアの写真があった。
「あの男から助けてあげるよ....」
そう言いながら笑う男__緑空は、出口に向かって歩いていった。
つづく




