第四十七話 作戦
策なら、ある....!!
私はピンクに背を向け、全速力で走り始めた。
この城には柱とか本棚とかの障害物が多い。
無数に置いてある本棚を倒していく。
物が多ければ流石に追いつくのは遅くなるだろう。
まずは疲労させる。ピンクは無理矢理操られているのではなく、洗脳されているだけだ。疲弊すればその分動きは鈍くなる.......はずだ。
大分長いこと走った。
ピンクの方を向く。
「なっ....」
ピンクがステッキを持っている。
まずい。
ピンクに赤いオーラが被さっていく。
.....変身された。
ピンクがステッキを私の方へ傾ける。
ステッキに異質なエネルギーが溜まり始める。
あれは.....【ピーチファイヤー】......!!
ステッキからビームが放たれる。
私の前で見せた時とは全くの別物だ。
ビームというか極太レーザーになっている。
レーザーがスライディングして倒れてくる柱を避けていた私の頭の上を横に薙ぎ払う。
その衝撃で上から大量に瓦礫が落ちてきた。
まずい....この量の瓦礫....私はいいがピンクはひとたまりもないぞ...!!
ピンクが手を上に向ける。
ピンクの手に瓦礫が触れる。
スン...........
次の瞬間、瓦礫は全て砂のように柔らかくなり、全て落下した。
【無力化】の能力か....。物理的にも作用すんのか。
ピンクの方を向いたまま後ろに退がる。
!私は後ろの壁に空洞が空いていることに気付いた。
多分この穴は...
後ろの壁から風が入ってくる。
壁の向こうとは高低差があるのだろう。
私はそのまま壁の中に落ちた。
「えっ.....ちょっ....マナぁ!?」
悠真の声だ。やっぱりな。
「悠真!!そっから跳んでピンクの頭に【喰術影】をぶつけろ!!」
「はぁ!?いや全然高さ違うだろ!!」
「いいからやれ!!ピンクを救い出せる可能性はお前しかいない!!」
「........わかったよ!!」
これが次の作戦。
悠真の影でピンクの脳に直接干渉する。
それでピンクの中の自我を取り戻す。
やるしかない。イチかバチかだ。
「ああもう....【影跳弾】!!」
悠真が私の方向にある壁に自身の影を伸ばして括り付ける。
「そんまま私に触れろォ!!」
「ああ!?」
悠真が弾性の影から手を離し、影を纏った手で私の手を握った。
多分これで...!!
影力が戻ってきたのを感じる。
「あ!悪ぃ間違えて握っちまった...」
「いやこれでいい!!飛ばすぞ!」
「えっ」
そのまま慣性に任せて悠真を投げ飛ばした。
ピンクが私を追って壁から落ちてきた。
だが、その上まで悠真が飛ぶ。
「【喰術影】!!」
悠真の腕から太い影が出現する。
影はピンクの上半身を飲み込んだ。
そのまま悠真は下に落ちた。
「痛ってぇ....」
そう言いつつも、しっかり影でピンクを固定している。
追って私も着地した。
「ピンク!どうだ!?聞こえるか!?」
ピンクに向かって叫ぶ。
「..........」
無反応だ。
「...おい、悠真。打ち消し効果って威力高くしたりはできるのか?」
「ああ、一応な...」
「なら頭に集中させれば脳が元に戻ったりしないか...?」
「いや.....脳ってのは繊細な箇所だ。間違って深刻なダメージが入れば冗談にならない。」
それもそうだな....。どうする....?
「う......がぁぁぁぁぁ!!!」
「「!?」」
急にピンクが虚空に向かって叫び始めた。
ピンクの体が宙に浮き始める。
「なっなんだぁ!?」
ピンクの真上の天井が崩れていく。
ピンクの叫びによる地響きが止まらない。
「マナ!俺に掴まれ!」
「えっ!?あっ...ああ....」
悠真の服に掴まる。
ピンクが上へと向かって上昇し続ける。
ゴゴゴ......
影の世界の空まで来てしまった。
てかここ....私達が影の世界に来たのと同じ場所じゃ.....
パリン。
ピンクの上に謎の裂け目が現れる。
裂け目は大きくなり、ピンクに影で張り付いていた悠真と私ごと裂け目に飲み込まれた。
つづく




