第四十四話 烏
「ほらほら逃げてばっかじゃなくて攻めてきたらどう?」
烏の女がかぎ爪を巨大化させて攻撃してくる。
しかも高速でだ。
一回当たったらその後は即死のコンボが繋がってしまうだろう。
爪を全力で避ける。
【究極影法】(微)を使ったせいで影力が枯渇している。
不完全だったせいで影力を操作できていなかった。
「じっくりやるのもいいわよね。【強翼の羽】」
烏の女が翼を前向きにし、大量の羽根が飛んでくる。
流石に全ては避けきれず、何十発かを喰らった。
喰らった所から血が流れ出る。
一つ一つが鋭い刃物のようだ。
「影を出して防がない....もしかしてガス欠なのかしら?」
「!」
案外早くバレた。だが......。
「....よく俺が影を自由に使えるって知ってんじゃねえか。誰から聞いたよ」
「.......さぁね」
そう言って烏の女がまた羽根を大量にまき散らした。
さっきの数十倍はあり、多すぎて前が見えない。
目に当たらないよう腕で目を覆う。
「そんなことしてていいのかしらぁ!?」
烏の女が足をこちらへ向けて俺の腕を掴んだ。
しまった。
烏の女が足で俺を振り回す。
「はぁ!!」
俺はそのまま壁へとぶっ飛ばされた。
ドゴォン!!
「ぐはっ....」
体を守る影すら残っていなかった。
先程の大量の羽根に襲われた時に残っていた影は使い切った。
「もう終わりかしら?」
烏の女が近づいてくる。
まずい...立て立て!
「さっさとあっちも殺しに行きましょうかね。【上限の突撃】」
烏の女が体を翼で覆う。
頭側をこちらに向け一直線に突撃してきた。
やばい...まずいまずい!!
影を高速で作れ!地面に手を当てて祈り続ける。
まずい。間に合わない。
俺は目を瞑った。
カァン!!!!
....?何の音だ?
壁に金属が当たるみたいな...
「......は?」
前を見ると、茶髪のショートカットがたなびいていた。
そして奥から眩いほどの光が溢れ出していた。
光の壁.....?
「大丈夫?悠真」
この声......
「..........ノア!?」
光の壁を作り出して烏の女を防いでいたのはノアだった。
「.....影ないの?」
「あ...うん、そうなんだよ....」
ノアが片手で俺の胸に手を当てる。
「ぐっ...!?」
突如体の中にエネルギーが入り込んできた。
「しばらくしたら影力戻ってくるから」
そう言ってノアが前を向き直す。
その背中は、俺の”護る”という使命が何なのか錯覚させるようだった。
つづく
ノアの戦闘シーンどうしようかな




