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影葬の箱  作者: いうな
第二章 東西の変
27/50

第二十七話 分断

「......以上のことから星野マナには制御能力も、自分から殺人を

犯そうとした事実もありません。主張は以上です。」


弁護士役がそう言い、

着席した。


今は、組織が用意した裁判所で

マナの大量殺人の裁判の真っ只中だ。


マナ側についた弁護士は

マナには殺そうとした意思がないため、

無罪にしろということを主張した。


俺もできれば、無罪にしてほしい。

本来ならば全員がそう言うだろう。

だが、数が数なのだ。


マナの暴走により、

一般人が約22890人殺され、

負傷者も大量に出たそうだ。


「_判決を言い渡す。」


ん?早くね?結審とかじゃないのか?

まあ組織の裁判所だからそこらへんのルールは

ちょっと違うのか?


「...被告人には殺害の意思がなかったが、

実際に世界に与えた影響が大きい。

だが、無罪だ。星野マナには罪がないものとする。」


.....よかった...。

正直組織が認めたのも意外だったが。

神崎さんとか玲さんが上手くやったのか?

...それは色々問題になりそうだが....。


こうして、マナの罪の有無は、無罪として終わったのであった。

だが............。

-------------------------


「はあ....はあ.....」


どういうことだ.....!!

なんでだよ....!!


俺は組織の東京支部の入り口へと向かう。

そこには、キャリーケースを持った、制服ではなく私服の

マナの姿があった。


「どういうことだよマナ....!!

組織抜けるって....!!」


マナに問う。


「せっかく無罪にしてもらったんだぞ!?」


「それでも、人が死んだのは私のせいだ。

制御できたできなかったのかの話じゃない。

廻星に捕まらなければあんなことにはならなかった。」


「.....っ、それでも組織を抜ける理由にはならないだろ」


「逆に、なんで組織にいる必要があるんだ?

私の目標はもう叶った。リンも助け出せたし、

力の使い方も学んだ。もうやることはねえよ。」


「........。」


言い返せない。

今までのこいつの気持ちを考えたら、そりゃそうだ。

精神面的にも相当疲れてるはずだ。


「....わかったよ...でも....。

法師もやめんのか?」


「...ああ、やめるよ。法師じゃなくなりゃ

箱の力を個人的に使っちゃだめになるけどな。」


マナがバッグからキャップを取り出し、

頭に被った。帽子のツバを持ちながらこちらを見る。


「...リンと....ノアをよろしく。」


そのまま、マナは組織を出て行ってしまった。

俺は、どうすればよかったんだ?


.............。


嫌なのは、このタイミングで

ノアがこちらへ転校してくるということだ。

アイツがいなくなった穴を、ノアで

埋めるのは違う気がする。


.........大丈夫だ。

マナは一人で旅をはじめるのだろう。

その先に、新しい物語も待っているのだろう。


「はあ......いつかまた会えるといいな」


俺は入り口を背にし、建物の中へと戻っていった。

いつか、また再会してやる。

その時は、笑いながら話でもしようぜ。


                       つづく。

新章開幕だああああああ!!

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