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影葬の箱  作者: いうな
第二章 東西の変
26/50

第二十六話 喧嘩

「.....遅いな」


玲さんが一人で東京まで行ってしまった。

ワープ自体は使えないが、超高速で移動すれば何とかなるらしい。

とりあえず一級法師や構成員は京都でテロの被害者の

救援をしておけ、とのことだ。


「そういやさあ、悠真君ってなんで組織入ったの?」


一級法師の男_というかちょっと子供っぽい_に聞かれる。

コイツはたしか.....


「ねえなんで?」


「...人を守るためです」


とりあえず無難に返しておこう。


「ふーん、誰を?なんかあったの?誰か殺されたの?」


「......」


デリカシー皆無だな......。


「悠真君はある女の子を守るために組織に入ったのよねえ。」


男の隣に座っていた一級法師の女性が会話に入り込んできた。

この人は....確か”純子”とか言ったな。

なんかよくマンガに出てくるようなお姉さん気質な人だ。


「女の子ぉ?あっ恋愛してんの?そんな理由で組織入るのは

不純だよ~。」


「駄目よお。悠真君とノアちゃんはそんな関係じゃないんだから。」


名前出すなや!!!

十数人いんだぞここ!!


「ああー、ノアってアレ?玲の妹?

え?アイツのために組織入ったとかマ?

玲の前じゃ絶対言えないけどさあ、なんでアイツ二級法師になれたんだろうね。組織にやっぱ優遇されてんのかな。」


.......あ?


「ちょっとそんな言い方.....」

「でも事実じゃん?本人は箱50個分の力があるだけなのにさあ。

戦闘に参加すんなよって話だよなあ。

ちょっとちょっかい出しただけで怒ってくるし、

顔と体が良いから色々誘ってるけど乗ってくれないし、

大人しくアイツは無力なお姫様(笑)として....グッ.....!?」


「もういい。しゃべるな。」


気づいた時には体が勝手に動いていた。

俺は男の首を掴んで壁にめり込ませていた。


「なっ...!」


「オイオイどうしたんだよ青二さ...あ"あ"!?

何してんだお前!?」


駄目だ。なぜか手が動かない。

男の首を絞めたまま動かない。


「なんだよお前....先輩に楯突こうってのかぁ!?」


「悠真君逃げっ...」


直後、男から謎のエネルギーを感じ、

手を放して後ろへ下がった。


男が指を構える。

その瞬間、何か危険な力を感じ、

影を纏った左手を構え、

横に薙ぎ払った。

すると、薙ぎ払った方向の地面に切断したような跡ができた。


「...えっ...!?」


純子さんが驚く。

まさか耐えると思っていなかったのだろう。

男も少し驚いている。


「へえー....何その力。上層部からは影を操る力としか聞かれてないんだけど.....。僕の能力が消されたっていうわけ?どういう力なのかもうちょっと見せてくれよ!!」


「上等だ!!」


「やめろ!!構成員同士の戦いは規則違反だぞ!!」


知るか。先に攻撃したのは確かに俺だが、

大切な人(ノア)の悪口言われてそのままでいられるか。

先輩とか関係ねえ。階級が上とか関係ねえんだよ。


「【斬】」


詠唱...!!男が単語を発すると、

先程と同じ斬撃が飛んできた。

影を全身に纏う。


キイイイイイイン!!


「ぐっ....」


斬撃こそ食らわなかったものの、

痛みだけ走った。

何でも無効化できるわけじゃないのかこの力。


「なんで斬撃が効かないんだよ....。

物量で押そうか。【”切り捨てられる頭足” ”剥がれる皮” ”不純” ”除け”】」


「なっ...!!やめろ”緑空(りょくくう)”!!」


緑空ってアイツの名前か?


「悠真君逃げてー!!」


ていうかこんなところでやったら他の所まで

被害が及ぶだろ。バカなのか。

しゃーない。全部影で食らいつくしてやるよ。

右手を前に出す。


「【微塵廻(みじんかい)】!!」


見えないが、大量の斬撃が俺の前方の広範囲

を埋め尽くす。これを止めなければ、

俺の後ろの方まで完全に微塵切りにされるだろう。

ちょうどいい。前に玲さんと練習した()()を使うか。

---------------------------------------------------------

十数日前......


「はぁ...はぁ.....」


「もうガス欠か?」


今は組織の専用の運動場で新技の練習中だ。

そしてその技というのが....。


「「指定した超広範囲に影を展開させる」って

そりゃガス欠にもなりますよ....」


「うーん、悠真は不器用なんだよなあ」


横で見ていたマナが突っかかってくる。


「悠真さあ、()()()()になれば勝てるっていう思考やめな?」


その横に座っていたノアに言われる。

まあ確かにそれはあるかもしれない。


「.....暴走状態のことか。あれを任意で出せるようになったのか?」


「はい....。何となくですが」


「暴走ではなく完全に操れるようになってからその力に

頼れ。死んだらどうすんだ」


「...あれってどういう仕組みなんですか?

血が影に変わって体内に入っていきましたけど」


「自身の血を影に変換することで一時的に影力を増やしてんだよ。

その影の形は人によるがな。力を使ったら

獣に変身するやつとかもいるし」


「....じゃあ、わざと血を出してそれを影に

変換させて広範囲に出すってのはどうですか?」


「!!....貧血になりそうだが...ありだな。

でも血を出す必要があるし、やりやすくするなら

手の平から血出しとけ。一回それでやってみよう。」


---------------------------------------------------------

さっき斬撃を受けた時に手の平だけ斬撃を食らっておいた。

ちゃんと血は出ている。

右手に影力を集中させ、血を影へと変換させる。

そしてその影を超広範囲へと広げた。


「なっ....!?なんだあの影!!」


「....そんなんで耐えられるのと思っているのかなぁ!?」


俺は影を袋のような形状に変化させ、

前方へと飛び出した。

影が口を開けるように形状を変え、

全ての斬撃を飲み込んでいく。

------------------------------------------

「技名とか決めないのかお前は」


「うーん.....ダサイのが嫌なんで」


「あ!じゃあ私が考えてあげるよ!」


ノアが手を挙げる。


「いい名前あんのかお前?

私も考えるぞ」


マナも考え始めた。


「うーん、影で技を喰らうってのがカッコイイし...そうだ!」

------------------------------------------------------------

「【喰術影(グーク)】...!!」


影で全ての斬撃を喰らいつくした。


「なっ...!?全部吸収した...!?」


「...おお...意外とやるじゃねえか青二才.....!!!」


「チッ....クソ!!なんで効かねえんだよ!!」


俺は緑空に向かって歩き続ける。

緑空は俺に向かって斬撃を出し続けるが、

先ほどの余った影で全て無効化した。


「さっきテメェはノアが優遇されて二級になったとか

ほざいてやがったな」


緑空へ言い放つ。


「....ああ!!そうだ!!

アイツのどこに二級の要素がある!!

戦えもしないただの女だぞ!!」


「だがお前は今自分より階級低いやつに負けてんぞ」


右の拳に影力を込める。


「お前も特別に一級にならせてもらったんじゃないのか!?

 自分に危機感持っとけクソ野郎が!!」


直後、俺の右ストレートが見事に

緑空の顔面にクリーンヒットした。


「ぐあっ.......!!!!」


吹っ飛ぶ緑空に近づき、

もう一発お見舞いしようと

拳を振りおとした。


パアアアアアン!!


気づくと俺の拳は誰かの手の平で受け止められていた。


「.....ぐっ.....」


金色の髪が揺れる。


「........ノア....!?」


俺の拳はノアの手の平に受け止められていた。


「....ダメだよ悠真...その気分でこの人のことを殴ってたら....

すぐにこの人は死んじゃう.......」


......俺はバカか。

ノアのために怒り緑空を倒そうとした。

だが、そんなことはノアの迷惑にしかならないではないか。


「そうだぜ青二才ぃ」


ガイルが近づいてくる。


「今回の一件は俺らで擁護してやるよ。

でも、考えないで突っ走るのはよくねえぜ」


「....ああ」


「....チッ...。」


!緑空が立ち上がる。


「クソが....」


それだけ言い残し緑空はテントの中へと戻った。


「......緑空の奴よお、」


ガイルが小声で俺に話しかけてくる。


「アイツは組織の会長の息子なんだ。

喧嘩起こしたらメンドクセえことになるから気を付けとけ。

アイツ自体特別に一級にさせてもらった立場のくせに、

よく言うよな。あ、そうだあと....」


ガイルが俺の肩を掴んで引き寄せる。


「...アイツはノアを狙っていやがる。

さっきはあれだけ悪口を言っていたが、

多分お前に共感をさせてノアへの感情を

変化させようとしたんだろうな。

ま、お前は一途だから大丈夫だと思うがな。

ガハハハハ!!」


「.....そうなのか」


ならますます気に入らねえな。

神崎さんが言ってた「上層部のクソ」がなんとなくわかってきた。


「...してもオメエすげえじゃねえか!!」


ガイルに肩を叩かれる。


「...そうね、緑空はあれでも上澄みな方、

アレ相手にあそこまで追い詰めるとは中々じゃない。」


純子さんもきた。


正直、斬撃を無効化できなければ死んでた気がする。

あれの威力は地面を削るぐらいだったしな。

にしても緑空.....アイツには今後気を付けねえとな。


直後、玲さんから連絡があり、

マナの大量殺人の裁判は保留、影捌賢者の全滅、一人を捕縛完了という形で

この事件は終わったのであった。


だが、この事件により影の存在を世間に知られてしまうことに

なり、さらなる混沌が待ち受けるのであった。


                  つづく

主人公が変わる危険がでてきた

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