第二十一話 絶望
「今、助けるから。今度は私が。」
「グオオオオオオオオ!!」
怪物が口を少女に向ける。
怪物がエネルギーを溜め始める。
「......02,斧」
次の瞬間、少女の手に斧がつくられる。
それと同時に、怪物が口から光線を放つ。
少女が腕を上に振る。
光線が真っ二つに割れた。
少女の周りにだけ衝撃波が走る。
次に少女はビルよりも高く跳んだ。
怪物も標準を少女に合わせ続ける。
標準通りに怪物から光線が放たれる。
少女の跡を光線がなぞる。
少女は飛びながら怪物の完全な背後を取った。
「......なんか削げるモン!!!」
少女の手に丸いノコギリが現れる。
少女が怪物の背中に降り、背中をなぞりながら
肉をノコギリで削いでいった。
「グオオオオオ!!」
(....ごめん。痛いよね。でも、絶対助けるから)
「グガアアアアア!!」
怪物の背中に大きな四角い穴が開き、
四角い衝撃波が出てくる。
少女の体にモロに当たる。
少女の体が動かなくなる。
怪物が放ったのは体を硬直させる波であった。
怪物の背中から無数の棘が現れ、
少女の体を突き刺そうとする。
「斬撃」
怪物の棘がすべて横に切られた。
少女は怪物の技の硬直を振りほどき、
一気に怪物との距離を詰める。
次の瞬間、少女の目の色が赤く変貌する。
「【”切断” ”導線” ”溺れる産毛”】
........................ごめん。痛いかもしれないけど我慢して。
【天獄】 」
少女と怪物の周りの世界だけが赤く染まる。
次の瞬間、怪物を無数の斬撃が襲った。
「グオオオオオオオ!!」
「.............なるほどね」
怪物は体の斬撃を受けた部分の性質を
ゼリーのように変え、肉を荒ぶらせていた。
「......いた」
少女が怪物の背中からマナの反応を感知する。
「そこか!!」
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いたい....いたい....
体中に力がかかってるみたいに.....
..........何か聞こえたような気がする。
感じたことのある気配だ。
この懐かしい感じ.....
......リン?
「うがああああああああ!!」
何かに引っ張られている。
次の瞬間、目に暗い夜空が写った。
誰かに背中を掴まれているのか......。
「マナ!!」
頭上を見る。
「リン......!!」
やっぱりだった。目が覚めていたんだ。
リンが街の外の道路に着地する。
「大丈夫だった?」
「ああ....。」
一瞬安堵感に包まれる。
だが、目の前の景色がそんな感情をブチ壊した。
都会が、炎に包まれている。
人々が逃げ回っている。
そこら中から血の匂いがする。
腐った匂いがする。
「う、うわあああああああああ!!!」
全部....全部記憶に残っている。
大量の人間を殺害し、街を壊した記憶が。
「オ”エ”ッ.......」
胃の中の物が出てくる。
これは....現実なのか?
う...あ、あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ。
「マナ.......」
私はとことん何もできない人間だと再度自覚した。
だって、目を覚ました親友よりも
自分の罪を憎むのを優先してしまっているのだから。
リンが私の肩に手を乗せる。
「......先のことを考えよう。
多分、まだ敵は残ってる。」
「........」
だめだ。体が動かない。
動きたくない。
「........っ、マナ!!
まだ戦いは終わってない!今は敵を倒す!
償うつもりがあるなら人を救うことからだよ!!」
リンが真正面から
そう言い放った。
.....そうだ。
ここでうずくまってるなんてただの自己満足だ。
「....ああ。ごめん。いま行く。」
「...何があったか後で聞くからね」
リンと共にもう一度さっきの所の中へ走り出す。
......殺す。あのクソみたいな影を。
つづく
また一つ、罪を背負うものが。




