第二話 組織
第二話です!今回はいろいろ説明があるので頑張って読んでください!
それではいってらっしゃいませ。
「ん…ん…?」気が付くと俺は見覚えのない部屋で寝ていた。
「どこだここは…?」俺は寝ていたベッドから立ち上がった。
「お、やっと起きたようだね」女性の声がした。「!?」
横を見ると、椅子にスーツを着た警察のような恰好の女性___「…神崎さん?でしたっけ?」
「名前覚えててくれたんだ、ありがとうね。阿部悠真くん。」
「!?なんで名前を…」「乃亜ちゃんに教えてもらったんだ。」「そうですか……乃亜はどこへ?」
「乃亜ちゃんなら別室にいるよ。ここは組織のアジトだ。ついてきな」俺はベッドから立ち上がった。
「うっ」体がめちゃくちゃ痛い。できれば夢であってほしかった。
「ごめんね。今回は組織の不手際による事故だ。…君が”箱”を取り込めたのが事故だね」
「えっ?」俺は困惑した。「普通の人間は”箱”を取り込めないんだ。ましてやその力を使うなんてね」
あー…あいつらもそんなこと言ってたな。
「このままだと君は研究材料として組織の上層部に連れ去られてあんなことやこんなこと、■■■までされちゃうかもしれない」
「え”っ」「ちなみに冗談じゃないからね。上層部は頭がいかれてるもんで」俺はある疑問をぶつけた。
「ていうか、組織って何なんですか?」「聞きたい?まあ後々話そうと思っていたけど…」
「対影影法師特殊警察…。昨日君が倒した影霊にかかわる事件を担当してる。」「へぇ~。ってうん?俺どんくらい寝てたんですか?」
「えーと、今が16:30だから…大体一日だね」「ええマジっすか…」道理で頭がガンガンするわけだ。
「…まぁその程度で済んでるのは運がいいよ」「え?」神崎さんが何かつぶやいたが、よく聞こえなかった。神崎さんが立ち止まった。上を見ると、「会議室Ⅲ」と書いてある。
「着いた。ここに乃亜ちゃんがいるよ」神崎さんがドアを開けた。
ドアを開けるとそこには椅子に座った乃亜と青い服を着た男の人がいた。
「!!悠真!」乃亜が椅子から立ち上がった。
「乃亜…」あわよくば夢であってほしいと願った。だが、乃亜のこの顔で信じてしまうようになった。
「大丈夫だよ、乃亜ちゃん。この子は箱を取り込んでも死なない、珍しい身体だった。取り込んだ瞬間暴れるのを除けばね。しばらくは組織で預からせてもらうよ。」
乃亜が神崎さんの方を振り向いた。「無事で何よりです…ありがとうございます、神崎さん。…でも…」
少し乃亜が呆れ口調で言った。「…またやりましたね?」「う”っ」神崎さんがなぜか冷や汗を流した。
「え?なんですか?」俺が聞く。乃亜がこちらを向いた。
「この人、ちょくちょく上層部と揉め事起こしててね。今回のこともまた隠蔽する気じゃ…」
すると、神崎さんが急にこちらに走ってきて乃亜と俺を抱きしめた。「「えっ」」
「仕方ないだろう?乃亜ちゃんも悠真くんも助けるには隠蔽&権力行使しかない。
悠真くんにはさっき言ったけど、上層部はイカれているんだ。老害まみれだよ。パワハラ、セクハラ、モラハラ、もう何でもしてくる。吐き気がするよ。」「大丈夫なんですか?」神崎さんに聞いた。
「さっきも言ったろう?「権力行使」とね。私は組織に取っていなくてはならない存在なんだ。
逆に言えばジジイとかも私が辞めようものなら焦りに焦る。私って意外とすごいんだよ?」
「す…すごいっすね…」俺は苦笑いした。すると乃亜が、「そろそろ離してください…暑いです…」
といった。確かに、この人なんか力が強い。「ああ、ごめん悪かったね」
神崎さんが俺たちから腕を離した。すると、苦い顔で話し始める。
「上層部がイカれているといったが……君もあの誘拐犯から聞いたかもしれないが、乃亜ちゃんは特別な体なんだ。当然上層部としては研究材料となる。さっき君に言ったあんなことやこんなことや■■■を普通にしてくる。それに加えて私情で暴力や性的行為をしてくる。
世にまみれる汚いジジイやロリコン共の集合体。自分の利益にしか興味がない。影霊よりも邪悪な存在。それが上層部だ。正義の味方がコレとは全く反吐が出る。そこで君だ。悠真くん。君がこの世界を守るべき存在になってくれ。あいにく君には今までの人間にはない才能がある。もちろん無理は言わないさ。
でも…」神崎さんがこっちへ近づいて耳元でささやいた。「乃亜ちゃんは守ってくれるね?」
「…はい」神崎さんがニヤッと笑った。乃亜が不思議そうな顔をしている。
「じゃあ、乃亜ちゃんはは一旦帰宅ということで…」
乃亜が部屋を出た。神崎さんがこちらを見る。
「悠真君、これから君は組織附属の教育機関に通ってもらう」「えっ」
「すまない。しかし、今の君が今の高校に通ったら…残酷かもしれないが君を狙って学校を巻き込む凶悪犯が現れるかもしれない。辛いかもしれないが今の高校はやめてもらうよ」
「…っ」もう普通には戻れないのか…。だがそれも俺が箱を食ったせいだ。これは自分の判断だ。
「…わかりました」俺がそういうと神崎さんが申し訳なさそうに笑った。「…ありがとね。」
「それじゃあまず君には組織の仕事を見学してもらおうと思う。
さぁーて、だ・れ・に・し・よ・う・か・な…折角ここにいるんだから…玲くん!君にしよう!」先ほどまで乃亜と一緒にいた男の人がこっちを向いて冷や汗をかいている。
「えっ…?」「頼むよ!」神崎さんがあちらを向いた後、こちらを向いた。男の人がこちらに肩を落として歩いてくる。「こちらが今回君と私が見学させてもらう人、玲くんでーす!!」
「よろしくお願いしまぁーす」玲さんがガックリしながら言う。
「実力は安心してほしい。私と同じ0級だからね。」「…ていうか階級みたいなのがあるんですか?」
「そりゃあるよ。英検と同じく、5級、4級、3級、準2級、2級、準1級,1級と上がっていく。
1級が一番強いけど、1級という物差しをぶち壊すほどの強さをもつ人間は0級になるよ。
私たちはその最強格にいるんだ。それでも、階級が高いからといって上層部にどうこうできるっていうわけでもない。上層部はさっき言ったように腐っているからね。知り合いのコネ、賄賂なんかを使うと偉くなれる。」「へぇ……」正直どのくらい強いのかがわからない。俺の記憶で見ると、あの影霊を一掃できる力は相当なものな気がするのだが。「あ、玲君そういえば任務だったね。ついていかせてもらうよ」
「わかりました…」すると、神崎さんがこちらを向いた。
「このアジトは異空間にあるんだ。影法師はこうやって移動する」俺を含める部屋にいた3人のいる足元の地面にヒビが入り、その瞬間ガラスが割れるように空間が割れた。「うおっ…」
俺は急になくなった足元に反応できず、そのまま落ちてしまった。
下を見ると土が広がっていて、そのまま空間の裂け目に落ちた。
「いっててて…」「ああ、そっか慣れてないもんね」神崎さんと玲さんは着地に成功したらしい。
「よいしょ…」俺は立ち上がった。「!」
よく見ると目の前には森が広がり、大きい館のような建造物があった。
「ここでは興味本位で入った子供や心霊動画配信者の人間が次々と消えていっている。
影霊の集まる心霊スポットだね。」「じゃあ中はいりますか」と、玲さんが扉を開けて中に入っていった。「言っとくけど悠真くん。今君の体の中には影力が溢れてる。影霊は生存本能で影力の強い人間をねらうから、私たち3人ともターゲットだ。だけどね悠真君。影力は基本的に一般人には操作がしづらい。今の君は影力は一般人超だけど、拳で殴ってもそれに影力がないから君は影霊を祓えない。
君は私or玲君から離れちゃだめだよ」「…わかりました」そうか。これはあくまでも「見学」。
影法師という職業を知る上でも重要…。すると、神崎さんが何かに反応した。
「来たね、玲君」「ええ」何事かと思っていると、廊下の奥から大きめの影霊が這ってきた。
「ウ”ォォォォ…」たまにホラー映画で見るグロテスクな怪物だった。
すると、玲さんが消え、影霊の前に瞬間的に現れた。玲さんが拳を影霊に振りかざした。
拳が影霊に当たった瞬間、影霊の体がひどく歪み、その場から消失した。
「お見事!流石玲君だ!」「今ので終わりですかね?」もう終わったのかと思ってホッとしていると、
急に地面が割れ、天井を突き破り館の外に出された。「!!」
なんとモグラのように館ほどの大きさの影霊が地面から飛び出してきた。
「うわっ…!」空中に投げ出され、影霊の口の中に落ちそうになるが、
神崎さんが服の首の部分を持ち、助けてくれたが、神崎さんの体は宙に浮いている。
「…影は影でしか覆えない。影霊は影力じゃなきゃ殺せないんだ。
そこで、影法師達は”箱”の力を使う____」
「頼むよ”0級”」玲さんが腕を前に指パッチンの姿勢を作った。「【斥】」
玲さんが指をはじいたその瞬間、影霊の体に空洞が空き、体をゴリゴリとえぐっていく。
神崎さんと玲さんが地上に着地するころには影霊は館ごと葬り去られていた。
「玲君の箱の力は”磁力”。君が取り込んだ箱にも能力が宿っている。」「・・・!!」
「…別に悠真君、こんな働きまで君に求めてはいないよ。けれども、君のその力は人を助けるのに使える」「!」館の前の森に人がたくさん見える。館の残骸を見ると、檻のような場所が一部破壊されており、その中にいた人たちが外の人と涙を流しながら抱きあったりしていた。
「任務だからね。感動の再会はサブ。でも、こんな景色見たくないわけないだろう?」
…確かに、いい光景だ。「さあて、やるのかやらないのか」「…やります」
こうして、俺は正式に組織に加入することにした。
なぜか話が短くなってしまうんですが、なぜでしょうか?
もうちょっと詰め込んだ方がいいんですかね?それではま会うう日まで。