第十八話 テロ
「...なんで京都?」「さあ?」
今俺たちは京都へ向かう新幹線へ乗せられていた。
メンバーは、俺、マナ、玲さん、神崎さんだ。
どうやら俺たちは班が同じらしい。
新幹線の特別な個室に乗せられている。
「どうです?」「いま連絡とってるところ。」
玲さんと神崎さんはノートPCで作業をしている。
神崎さんが携帯で他の班へ連絡をとっている。
「えー、こちら第49班。もうすぐで京都に着きます。」
新幹線が駅に着く。
荷物をまとめて降りる。
新幹線に乗っているのは、東京から京都へかけての
影のレーダーを反応させるためと、一般人として京都へ向かうためらしい。
正直、後者はいつものワープでいいと思うだろ?
だが、ワープを使うと敵にバレるらしい。
「ただいま、京都に着きました。
支部へ向かいます。」
「...ここが支部?」
完全に寺のような所へ来た。
「中に入るぞ。」
玲さんについていく。
「第49班です。本部の指令により参りました。」
「おお、よく来たな」
中に入ると、年をとった老人が立っていた。
「まあ、本部の指令に従ってもらえればよい。
何か異常があればすぐ報告してもらえると助かるのでな」
「...で、なんで京都に来たんですか?」
「ああ、先日本部にとある手紙が来てね.....。
10月21日午後7時に影による大規模テロを京都市で行う、とね。」
「...大規模テロ...」「なんかヤバそうだな」
「現在本部でも調査中だ。他の班もじきに到着する。
総勢100人ほどだな。」
「でも一般人はどうするんですか?」
「避けて戦う。夜の京都の町には人が多いが。」
「本部が判断したことだ。本部は一度決めたら二度と作戦を変えないからね。さて、持ち場は指示されたでしょ?それぞれ持ち場に着くこと。
キツくなったらすぐに連絡すること。それじゃあいいね?
解散!」
持ち場へと歩き出す。
夜の京都....わざわざそんな場所でやる必要があるか.....?
確かに京都は観光客が多い。だが、観光客が多いだけだ。
本当に人を殺すつもりなら、都内とかでやるべきじゃないのか...?
なんならそろそろハロウィンだ。
その時に東京に実行した方が効率的にはいいはずだ。
まあいいや。
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10月21日 18:58
夜の京都の町の至るところに組織の構成員、影法師が集まる。
18:59
19:00
街はありえないほど静かであった。
19:30
「おい、何も起きねえぞ?」
「嘘だったんじゃない?」「流石にこの組織に全面戦争しかけるわけねえか」
「帰っちまわねえ?」「いやいや....」
「ガハッ」構成員が一人倒れる。
「おい、どうしたよ...グッ...ガハッ..」
「がっ...」「苦しい....」「痛い!痛い!」
「助け...」「ガッ.....」「グアッ......」
「あーあ、やっぱり’組織’も雑魚じゃん」
一人、ガスマスクをつけた影が現れる。
「30分....何もなかったらなんか考えないかなー?
例えば...その間に街中に無色無臭の毒ガスで満たされていってるとか」
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「な....なんだ!?」
急に周りの人達が倒れ始める。
どうやら何かに苦しんでいるようだ。
苦しむ....毒ガス!?だが、俺には何の異常もない。
影の力でガスを打ち消しているのか。
つまりこのガスは影によるものってわけだ。
すでに始まっていたんだ。最初からこの「大規模テロ」は。
だが、バレないという意味では名案だ。
とにかく、元凶を探さなければ。他の人間も呼ぼう。
街を見渡すと、影霊が大量に湧いていた。
影霊でも対応しやがるのか...!
見える限りの影霊へ銃を撃ち、
何匹かを処理した。
俺はマナの所へ向かった。
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「.....う...ゲホッゲホッ」
苦しい。箱の力でガスの体への回りを防いでいたが、
そろそろ限界に近い。息を吸うこともままならない。
とにかく安全な所へ......。
「あ、いたいた~」
...目の前に敵が現れた。だが、苦しくてよく見ることができない。
目を凝らし、体勢を前に戻す。
そこにいたのは.......。
「.....は?」
私と形、姿そっくりの影だった。
だが顔には傷があり、確実に自分ではないと確信できた。
「私はお前の影。まあ....人間で言うところのドッペルゲンガーだね。」
私の....影....?意識が朦朧としつつ影に集中する。
影が前へ歩き出す。その瞬間、私は光線で影を撃った。
影が手を前に出す。光線は、影の手で受け止められた。
「効くと思ってるわけ?こんなんが私のオリジナルとか....」
その瞬間、影の姿が消えた。気づけば私は顔面を影につかまれ、
建物に突っ込まされた。
「ぐっ....」
ガスを食らってこれだ。意識が遠のいていく。
「こんなんでもうダウンか。じゃあ、計画通り進めようか」
それが、京都で最後に聞いた言葉だった。
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「.....どういうことです?」
街が混乱に陥っている中、
組織の幹部の緊急会議が開かれていた。
「どういうこともねえ、俺らはまんまと引っかかったってわけだろ!」
「これは非常にまずい事態ですね。本部へのワープも
何かしらの力で防がれています。」
「ガスの体への回りが異常に早い。吸ったら一発アウトって感じだね」
「構成員の回収が追いつきません!
回収に行った'黒子'達も行ったきり帰ってきません」
「....敵の数は?」
「......大量に影霊が沸いています。ですが、一つレーダーが大きい反応を確認した場所があります。ここに配置されているのは....玲さんの班の構成員じゃないですか?」
「えっ?」玲が反応し、影に反応するレーダーを覗く。
そこは、マナが配置されている場所であった。
「....行ってくる」「え!?危険ですよ!」
「大丈夫だ、毒ガスはそもそも食らわねえ能力だしな。」
玲がマナの場所まで走り出す。
京都は混乱に包まれていた。
人々は毒ガスにより苦しみ、
影霊が生き残っている人間を食らいつくす。
だが、現場の人間たちはまだ気づいていなかった。
これが、京都だけではないということに。
つづく
急展開。




