第十七話 嵐の前
ちょっと投稿が遅くなりました。
夏風邪で大変だったもんで....。
10月3日
「ねえあの話知ってる?」
「あーあれ?”ドッペルゲンガー発見!?”ってやつ?」
「いないよ、そんなの」「.....ノアって都市伝説とか信じないよねえ」
「だって.....」もうたくさん見てきたからなあ.........。
私の名前は田中乃亜、16歳。
小鳥高校の二年生。
一応箱の力も使える。みんなにはあまり見せてないけど。
それより今日は......。
学校が終わり、下校時間となった。
自分の家へと帰る。家といっても、少し特殊だが。
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「........なんで学生に事務作業やらせるんですか?」
俺とマナは組織の支部のデスクで報告書を書いていた。
「これは事務作業じゃねえよ、Mとの戦いで何があったかを知るための単なる後処理だ。安心しろ、給料でるから」
目の前のデスクに座っている玲さんがそう言う。
「にしても.....」「限度ってもんがあるだろ.........5000字以上って.....]
「文句なら本部に言えー」
..............................。
.............................。
.....静かだな。なんか話題でもないか.....。
「あっそういや知ってるか?最近ドッペルゲンガーを見る人が増えたって話!!」マナがついに話を振りはじめた。
「ドッペルゲンガー?いつの話だ全く.....。」
俺が呆れていると、「....どうやらそうらしいな」
真剣なトーンで玲さんが返事をする。
「....珍しいなこの手の話題に玲が乗ってくるとは」
「......話していいかどうかは知らないんだが...」
玲さんが話し始める。
「最近、ウチの法師が任務のあとに自分に似た人間に襲われて重傷を負うっていうことが増えてきてな。だがその全てが捕獲、討伐する前に消えている。現在調査中だ。」
「....本当にいたのか」マナが驚愕する。
笑いごとじゃないな....。
「まあ記録にも残ってないから調査が難しいんだけどな」
「お疲れさまーーーー!!みんなーーー!!」
扉を開けて神崎さんが入ってくる。
「....こっちは疲れてるんですが」玲さんがため息をつきながら言う。
「まあこの後パーティーがあるってことを伝えに来たんだ。悠真君とマナちゃんもくるでしょ?」神崎さんがこちらを向く。
「.....どこでやるんですか?」「ノアちゃんの家」
「え?」
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待ち合わせ場所に着いた。すでにマナは来ていた。
「......ていうか乃亜の家ってどういう感じなんだ?」
マナに訊かれる。「いや昔行ったことあるらしいんだが.....」
記憶にない。すると神崎さんがやってきた。
「よし!じゃあいこ!」
数分ほど歩いた所、何やら大きい屋敷が見えてきた。
「.....ここが...」ノアの家.....?東京の家にしては少々大きすぎる気がする。
神崎さんとマナが先に門を通る。それに続いて俺も門をくぐろうとすると、
バジイイン!!
「痛ってえ!!」電撃のような痛みと共に門から吹っ飛ばされた。
「だ、大丈夫か!?」マナがこちらへ駆け寄ってくる。
「あ~バリアまだ機能してたんだ。Bくぅん、悠真君のこと入れさせてあげて」
もう一度門を通ろうとすると、今回は問題なく通れた。
なんだったんださっきのは....。
「いやーごめんね。流石にノアちゃんが住んでる家をそのままにするってわけにはいかないからさ。”影”に反応して反射するようにしてあるんだ。許可しないと入れないんだ。ごめんごめん」
防犯対策ってことね....。なるほど。
「お邪魔しまーす」神崎さんが入り口のドアを開ける。
すると、賑やかな子供たちの声が聞こえてきた。
廊下や部屋のドアから子供がたくさんでてくる。
大体5~9歳ってとこか。なんでこんなに....。
玄関で眺めていると、2階から誰かが降りてきた。
「いらっしゃい!みんな来たんだね!」
ノアだった。料理でもしているのか、エプロン姿だった。
「早く上がってきて!もう他の人いるから!」
そう言ってまた二階に上がっていってしまった。
「じゃあ上がらせてもらうか」
二階にある部屋に入ると、すでに三人いた。
玲さんと....白髪の女性、隣に刀を置いた黒髪の男性がいた。
「適当に座っといて。」部屋の奥からノアの声が聞こえた。
キッチンでもあるのだろうか。随分と豪華な部屋だな。
部屋はいかにも女の子っぽい装飾が施されている。
「....ここに大量にいた子供はどこから..?」
神崎さんに質問する。
「ここは孤児院...というか、別に里親が来るのを待ってるわけでもないんだけどね。影法師達の任務先で親を失った子供たちをここで保護しているんだ。ノアちゃんとかもその子供の一人。ちなみに全部Bくんが管理してる。君も会ってたよね?」
あんな悪人っぽい表情で悪人っぽい口調だったのに....。
そういや全部演技だったらしいな。すごい人だ.....。
「そういやそちらのお二人は...?」
玲さんの隣にいる二人に問いかける。
「あーこいつらは....」「自分から説明するからいい!」
女性の方が手を挙げる。
「私の名前はルナ。玲とは同期。これからよろしくね!」
「ああ...よろしくお願いします。」
意外と活発的な人だった....。じゃあ後は....。
「俺も自己紹介しないとダメか」「ダメだな」
玲さんが黒髪の男性に言う。
「俺の名前はトワ。同じく同期だ。よろしく。」
「..まあこいつに限っては色々複雑な事情があるんだけどな」
玲さんが言う。複雑な事情?
「じゃあお前らなんか飲むか。一年二人は何飲む?」
玲さんに訊かれる。
「「.....コーラ」」「ガキすぎんだろ。まあいいや。
ノアー、コーラと適当なモン持ってきてくれ」
玲さんがキッチンに向かって言う。
ていうかそんなノアと仲良かったか?この人....。
そういやあんま関わってるとこ見てないな。
「あとこの服洗っといてくれ。」玲さんがノアに上着を差し出す。
「あ・の・さぁ.....」お怒りモードのノアが後ろから玲さんに近づく。
大丈夫なのかこれ....。身構えていると、衝撃の一言が飛んできた。
「あのさあ!こういう時ばっか私に任せないでって言ってるよね!?
お兄ちゃん!!」
.......。「「えあっ!!??」」
俺とマナが驚愕して後ろへさがる。
「あれ、悠真君たちには言ってなかったの?」
言われてねえ....。驚愕の新事実だ。
「わかったよ、手伝うよ」
玲さんが立ち上がる。
「ああ、あと鍋の方の料理もよろしくね」
ノアが玲さんに指示する。
珍しく玲さんが笑顔だ。
「本当に仲の良い兄妹だよねぇ。.....っ!!
つまり悠真君はこれから玲君のことをお義兄さんと呼ぶというわけなのか!?」
「ブーーーーッ!!!」
思わず飲んでいた水を吹き出してしまった。
「なんてこというんですか!!」
「事実なんじゃないの?」「えっ悠真君てノアちゃんのこと好きなの!?」
ルナさんまで突っかかってきた。
「いや....えー....うーん....」
本人が近くにいる前で言えるかあ。
「悠真君てなんで組織に入ったの?」
「悠真君は成り行きでなっちゃって。入らせたのは私。
ノアちゃんを守るんだってさ」
「もう付き合っちゃえば?」「いやいや!無理ですよ!!」
「何で無理なんだよ」
とうとうマナまできた。女子三人と恋バナはキツイよぉ....。
「悠真君困ってるぜ。そこらへんでやめてあげろよ」
!!ついにトワさんが口を開いた。
「トワは恋愛経験少なすぎなんだよ。」
「そうか?お前らよりは確実に長いはずなんだけどな」
トワさん....複雑な事情とはなんだ?
一番謎が深いかもしれん.......
数時間後....
「「じゃんけんぽん!」」
玲さんがグー、ルナさんがチョキを出した。
「しゃあっ!!お前30杯目かよ!よえ~~~」
辺りにビールの空き缶や、酒の瓶が散らかっている。
じゃんけんをして、負けた方が酒を一杯飲み、
先に潰れた方が負けらしい。イカレている。
「だまれ!こうなったら物理勝負じゃ!表出やがれ!」
ルナさんが部屋のベランダの窓を開け、庭へ落ちた。
玲さんも後を追って庭へ落ちる。
「ええ.....」平然と二階から落ちた......。
庭を見にベランダへといく。
いい夜風が吹いている。空を見上げると、
満点の星が輝いていた。
下を見ると、玲さんとルナさんが戦闘を繰り広げていた。
裏庭がクソ広いから大丈夫だと思うが、
バリバリ能力を使っているため、騒音というか、
一般人に見つかるんじゃないのかと不安になる。
「綺麗な星空だねえ」
気づくと隣にノアがいた。
「なあノアあの人達....」
「大丈夫大丈夫、この家外から人とか音を認知できないようになってるし、外からの衝撃も中からの衝撃も防いでくれるバリア張ってあるから。」
「すげ......」セキュリティ完璧すぎるだろ。
どうやってんだ...。あとなんなんだこの孤児院は?
「B先生の友達に超科学者がいるらしくてね。
ここにいろんな設備作ってくれてるらしいよ。」
「その....Bって何者なんだ?」
「.....先生は昔っからこの孤児院の院長をやってて、他に大人がいないのに、全部一人で子供たちを育ててるすごい人なんだ。私も子供のころからここでお世話になってるんだ。それでも0級の称号背負ってるんだよね。本当にすごい人だよ。」
「へえ~~~」
......あの悪人ヅラのイメージしかないB...。
マジで「善」の方の人間だったんだな。
「.....ごめんね」
「えっ?」
急にノアに謝られて困惑する。
「私のせいでこんな仕事に就くことになっちゃって。
本当なら悠真は普通の高校生として生きていくはずだったのに。
毎日命の危険を冒してまで、任務をこなすことになって.....」
「.....ちげえよ」
ノアの意見をきっぱり否定する。
「え?」
「もちろんこの仕事が好きってわけじゃない。
任務を遂行するのだって嫌だし、それをやっている間に死ぬかもしれない。
死ぬほど怖えよ。」
「なら......」「けどなあ。」
ノアの目を見る。
「友達が困ってるの見て普通になんて生きていけるかよ。
箱を取り込んだのだって俺の意思だ。
俺は、俺の意思で影の討伐やってんだ。
それに.....」
一瞬言うのをためらう。
「....?」ノアが不思議そうに見てくる。
「俺は、お前を守りたい。
もう大切なものを失ったりしたくない。
...........まあ、これに関しては俺のエゴだけどな。」
「....悠真......」
ノアがふふっと笑う。
「ありがとう。」
その笑顔は、俺の生きる価値を示してくれる。
いつだって。
だから.....。
絶対に失ったりなんかしねえ。
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「......た...助けてくれえ!」
一人の組織の構成員が逃げていく。
「まあ待ちなよ~」
一人の影が追いかける。
影の指が伸び、構成員の背中を刺した。
「ガハッ....」
指を引き抜き、周りの死体を見まわした。
「今日もこんなに殺しちゃった。」
「殺し過ぎだ。」
凄惨な現場にもう一人。
「次に殺すのって誰だっけ?」
「こいつだ。」
影が影へ紙を渡す。
「ああ~.....私のオリジナルじゃん。」
紙に写っていたのは、まぎれもなく金髪のロングヘアの少女。
星野マナであった。
つづく
新章、開幕。
なお、この話の文字数はほぼ5000字いってる模様。
5000字で音を上げてる人もいましたけど....




