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影葬の剣  作者: いうな
第一章 影と共に
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第十三話 二人

「んん.....?」


後ろから眠そうな声が聞こえた。


「....幽真!」


「....やっと起きたか....」


マナが目覚めた。

マナは周りをキョロキョロしながら、

不思議そうな顔をする。


「.....だれかいなかったか?」


「いないよ、誰も。

 .........起きたなら早くいくぞ。」


「....ああ。」


スマホのマップを確認する。


「....お前それどうしたんだ?」


「........落ちてた」


どうやら本部の研究所はもっと山奥にあるらしい。

俺たちはそこを目標として歩きはじめた。


---------------------------------------------------------


「.....本当にここか?」


数十分山道....というか獣道を歩き、着いたのは神社だった。


「そのスマホになんか書いてねえのか?」


俺はスマホの検索ボックスをタップする。


どうやらこのスマホは一般常識以外の影や箱、組織について検索できるらしい。


検索結果がでてきた。


「......この中に...」


神社の社の中に入っていく。

中に入った瞬間、目の前に青いゲートのような、ホールのようなものが床に開いた。


「おお、なんだこりゃ....」


「どうやらこん中らしいぜ」


そういや神崎さんも組織の本部は異空間にあるっていってたな....。


「いくぞ!」


「ああ!」


俺とマナはゲートに飛び込んだ。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


大きな音とともにビルが崩れ落ちる。


.....雑魚は全滅したかな。


落ちてきたビルの瓦礫を能力で退かし、被害者の元に向かう。


このビルにいるやつらは手当たり次第に影力のある少女を攫っていったらしい。普通に犯罪だな。女の子たちが変なことされてないか心配だ。


少女たちに近づく。俺の能力で怪我はしてないはずだ。


「あ、あ......」


「もう大丈夫だ。頑張ったな」


5人くらいか。意外と影力持った人間って少ないのな。


「あ、後ろ....!」


俺の背後に瓦礫が飛んでくる。


右手を出し、瓦礫を粉々に分解する。


「なっ.....」「...まだ生きてたのか」


ビルの倒壊時に瓦礫にエネルギーを込め、Kにホーミングで

集中的に攻撃したつもりだったんだが.....。


「まあ流石’αβ(ファルタ)’の一人ってとこか。同族として恥ずかしいよ、こんなやつがいるとは」


瓦礫を飛ばしてきたのはボスの’金田五郎’、

通称:”K”。Kはかつてビルがあった空中へ飛び立ち、大の字のポーズになって頭上にエネルギーを溜め始めた。


夜空に光が輝く。


「目、閉じといたほうがいいよ」


少女たちに注意し、右手をKに向ける。


「死ねェェェェェ!!!」


Kがエネルギーを集め、凝縮された巨大な光の弾丸を俺と少女たちに向かって放つ。エネルギー弾が俺の右手に触れる。


直後、弾が分解され、虚空へ消えた。


「.....!?」


Kが絶句している。


「...所詮’αβ’の中間地点(研究過程)か。期待した俺がバカだった。」


Kの目の前へ瞬間的に移動する。Kの顔面を掴んで地面に叩き落とした。

ビルの瓦礫が崩れ、Kの血が散った。

そのままKが動くことはなかった。


「......あれ?これだけで死んだのか」


俺の’箱’のエネルギーを加えたとはいえ..。

Kの死体が分解されて空気中に消える。やはり面倒くさいなこの能力。


少女たちを後から到着した組織の部隊に保護させ、俺が帰路に着こうとすると、後ろから肩を叩かれた。


「やあB君。調子はどうだい?」


「神崎.....」


俺が睨みつける。


「.....何その目。一発やっとく?」


「ああ、お望みしたいね」


「じゃあ本部行こっか。あそこじゃないと暴れられないし。」


「そんなことよか.....だ。お前は幽真とマナの件について聞いたのか?」


「ん?うん。」


「なんですぐに止めに行かなかった?」


「................」


「幽真のためにも言った方がいいんじゃねえの?()()()


「まだ。今言ったら大変なことになるからねー。」


「チッ。」


神崎はいつもこうだ。

幽真達には尚更近づけさせたくない。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ゲートに入ると、そこには鉄ばかりの景色が広がっていた。

先程までの古い木で作られた社の風景は消し去られていた。


「.....研究所か。」


「ここにリンがいるはずだ。」


鉄の床を歩いていく。少し進むと、突然警報がなりはじめた。


(侵入者ー。侵入者ー。早急に始末せよ)


「やっべ....おい逃げるぞ!」


「前見ろバカ!!」


前を見直すと、既に研究員がぞろぞろと来ていた。

次の瞬間、前方の研究員たちの中から飛び出してきた何かで胴体を殴られ、

後方へ吹っ飛ばされる。


「幽真!」


何とか空中で体勢を整える。


「お前も後ろ見ろ!来てるぞ!」


宙返りをして地面へ着地する。

目の前にはメカメカしい拳をつけたデカい女と杖を持った、

魔法使いのような恰好をした女児がいた。


「おい、テメェもなんかやれや、ルーナ。」


「は、はい....」


....手下ってことで大丈夫そうか。2対1....マナの方は...。

マナの方を見ると、雑魚そうな研究員に囲まれていた。


まああっちは大丈夫そうか。こっちも多分大丈夫。


「オォイ、テメェ何しに来やがった?」


「....お前、’リン’って知ってるか?」


「アァ?知らねえなあ、そんな実験体のことなんてよお!!」


知ってんのか...。聞き出すしかないな。

女がこちらへダッシュで迫ってくる。

銃を取り出し、女の拳へ当てる。装甲が少しだけ剝がれた。

鉄の板が地面に転がる。


「....!?すげえ威力の銃だなあ!!やり返してやるよ!!」


女が拳を振りかざし、俺目掛けて振り下ろす。

ギリギリで転がって避ける。


地面に拳が当たり、衝撃波が流れる。

強風のように俺の身体を吹き飛ばす。

そこへ、光の弾が飛んでくる。遅かったので避けられた。


なんだ今の遅い光線は?


「ルーナァ!なんだその攻撃はぁ!!舐めてんのかぁ!?」


「す、すみません!!」


....まあ、女児の方は気にしなくて大丈夫そうだな。


「まだまだぁ!!」


女が両手の拳を前方向へ構え、何かを溜めはじめる。


まずい。

だが、背後から光の光線が飛んできて、女の拳にヒットした。。


女が後ろへと吹っ飛ぶ。


「んなっ....!?」


後ろを見ると、マナが敵と戦いながら、片手でピストルのポーズを作っていた。ノールックで当てたようだ。


「....やべー.....」


女に向かって、足を踏み込みダッシュする。今がチャンスだ。

銃を刀へ変形させ、接近する。

倒れていた女が立ち上がる。


「まだだ....!」


すでにチャージは終わっていたのだろう。


再び拳を俺の方へ向け、攻撃の態勢になる。


「発射ぁ!!」


青い光が俺へと向かってくる。

刀に俺の影を纏わせ、光ごと斬った。


「何ィイイ!?」


刀を銃に変形させ、鉄の装甲にゼロ距離で命中させる。

メカの拳が完全に壊れ、女が無防備になる。


刀でトドメを刺そうと思ったが、死なれると困る。

銃をしまい、拳に影を込める。


勢いでそのまま女の胴体に拳をクリーンヒットさせた。


「ぐあああああ!!」


女が吹っ飛び、壁に激突した。

.....終わったか。


「よお、そっちは終わったかー?」


後ろを振り向くと、マナが無傷で立っていた。

研究員って何十人かいた気が。


もっと後ろの方を見ると、大量の研究員が倒れていた。


「マナ....お前はヤベえよ...」


「そうか?意外と早くおわったぞ」


マナが一人で立ちすくんでいる少女の方を見る。


「.....一人残ってるが」


「別にいいだろ。大して危なくもねえしな」


さてと....女の方に情報聞き出しますか、俺とマナが女に近づく。

その時、後ろから駆けるような足音が聞こえた。


「ま...待って...!」


少女が俺たちの目の前に立ちふさがる。

その体は小刻みに震えていた。


「頼むからお姉ちゃんは殺さないで!大切な家族なの...」


「.....確かルーナとか言ったか。日本人か?」


「ううん.....お姉ちゃんは京子(けいこ)っていうの...元の名前があるらしいけど知らない..」


「....ん?京子..なにか聞き覚えが...」


マナが何か考え事をしている。その時、女____京子が起きた。


「お姉ちゃん!!」


ルーナが意識を取り戻した京子に抱きつく。

京子がルーナを手で押しのける。


「邪魔だルーナ....」


京子とマナの目が合う。


「「.....あああああ!!」」


マナと京子が同時に叫び始めた。

鼓膜破れるて。


「お前中学の時の...!」


「忘れもしねえぜクソ女!!」


「どうした何があったんだ」


息を切らしながらマナが答える。


「コイツ中学の時同じクラスだったんだ。すぐ喧嘩売ってきやがる」


「うるせえ!....つーか、お前どこ行ってたんだ?学校の奴らはほとんど研究所で奴隷になってるぞ...」


「...いろいろあってなあ、この研究所潰すことになった」


「はぁ!?無謀だ!ここのボスはえげつねえんだ!勝てるわけが...」


「勝つんだよ。勝ってほしけりゃ情報よこせ」


「チッ....」


...口論は意外と早く終わったか。情報ちゃんと聞こ。


「...ここの研究所は多層構造だ。層つっても横にな。中央までたどり着くには大分かかるぜ。そんでボスについてだが....イカレてる。あいつは大量の遺物(アーティファクト)を所有している。それで大量の土地を支配してきたらしい。この世以外、地球以外の空間でもな。」


「...なあその’遺物’ってなんなんだ?まだよくわかってないんだが...」


マナがこっちを向いて呆れたような表情をする。

いや、本当に知らないんだってばよ。


「....’遺物’っつーのはいわゆる’アイテム’だ。使用すれば様々な効果がでる。それが世界を滅ぼすものか平和をもたらすものかわからないって感じだ。遺物は世界の至るところに眠ってる。お前が持ってるその銃も遺物だぞ。」


「....はぁ~ん。」


なんか段々’影’と話が離れていくような.....。気のせいか。


「続きいいか?」


京子がこちらを睨んでくる。

せっかちな奴だな。


「ああ、いいぜ」


「んで...ボスの能力はまだ正確にはわからない。空間を把握するものらしい。同じ空間にいれば力を感じとって正確な位置がわかる。その後新たに建造物をつくることも可能らしい。実際この研究所もヤツの能力で作られたらしいからな。」


「....ほえ~~」


空間掌握能力ねぇ......めんどくさいな。


「じゃあもう行くからな。」


「ちょっと待て...行くならルーナを連れていけ」


「「......ああ?」」


ル、ルーナ...この小さい子か。連れて行っても危ないだけなんじゃ....。

俺が戸惑っていると、京子がため息をついた。


「ルーナは’箱’を取り込んでる。得た能力は...'魔法'だ。もちろん一つ一つの力は雑魚だ。だが便利ではある。連れて行って損はないぞ」


「お....お姉ちゃん...」


....。マナと顔を見合わせる。まあ別にいいか。


「よし、じゃあいくぞ」


「は....はい!」


俺たちはボスのいるところへ向かった。

                   つづく

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