①何者かが特定できないまま・・・
次の日になり、NMSPの職員らは、未だに何者かを特定できないままでいた。そんななかでも、坂本長官は緊迫した面持ちで何者かの特定を急いでいた。
「これほど調べても、情報が出てこない。」
坂本長官がそう言っていると、誰かが入ってきた。
「こんにちは、坂本さん。改めまして、この前は大変お世話になりました。」
入ってきたのは、前にミッションを依頼したISDCの中で唯一存在が認められている情報部の部長である岡部秋富だった。ジャーナリストを扱っている。今日は灰色のスーツ姿だった。
「こんにちは、岡部社長。お久しぶりですね。それで今日はどうしましたか?」
「その前に、一つ確認したい事があります。坂本さん、真壁代表から聞きましたが、もうAIIBSOを壊滅しに行くミッションに出る準備をしていますか?」
「はいそうですが。」
「私も、調べていたのですが、実はもう一つAIIBSOと手を組んでいる組織を見つけました。真壁代表にも話しました。NMSPは唯一AIIBSOに対抗する諜報機関なので、その組織も壊滅してもらいたいのです。AIIBSOを壊滅させるミッションは、その後でお願いします。ミッションの準備中の中、急遽申し訳ございません。」
「わかりましたが。それはどんな組織ですか?」
「ドバイの首都アブダビ中心部から少し離れた砂漠にあるAIIBSOと関連のある組織です。もともとはイギリスの組織で、ドバイを拠点にしています。組織の名前はキングJ。もともとはハッカー組織として動いていましたが、AIIBSOと知り合ってからはマックが率いる麻薬製造工場での支援と、ISDCの情報収集を手助けするようになりました。アダソン兄弟にこれ以上やられないためにお願いします。」
「わかりました。」
「ありがとうございます。」
「ミッション依頼書をお願いします。」
「わかりました。」
ミッション依頼書
岡部 秋富は依頼者として依頼します。
依頼内容
・キングJという組織に潜入し、国際秘密防衛会社(ISDC)の情報収集を阻止するために壊滅させる。
依頼理由
ISDCからの依頼の通り
依頼者
岡部 秋富
諜報機関長
坂本 美春
重要
202?年10月20日発行
「あと、私が今回キングJについて調べましたので、NMSPは調べなくても大丈夫です。ミッション管理官に役立て下さい。」
「わざわざ、ありがとうございます。」
坂本長官が、少し元気がない表情で言ったので岡部部長が気になって、
「坂本さんどうしましたか?」
と尋ねた。
「実は昨日、ここはカードを通さないと入れないはずなのに、何者かが侵入していた亜用で、まだ特定もできず探し出せていないのです。」
「そうですか。私も手伝いましょう。」
「いいのですか?」
「ええ。」
「ありがとうございます。」
その後坂本長官は、ミッション依頼書を持って第1ミッション管理官へ向かった。しかし、坂本長官がいなくなった後、岡部部長はなぜか長官室に残った。そして、岡部部長は密告用スマホをカバンから取り出して誰かと英語で連絡をし始めたのだ。
「ジェイムズ、マック、『あいつら5人』を始末するための第1歩である『アダソン兄弟の逆襲』の依頼をし終えました。」
「ありがとう。よくやってくれた。しばらくの間、泳がしたらこっちに来てくれ。」
「了解しました。」
何者かの正体は、そう、岡部部長だったのだ。なぜ、岡部部長はアダソン兄弟と手を組んだのか?これから明らかになる・・・。