④医務室でも何者かが・・・。
24階医務室では、医療部員代表の竹田良平医師が自分のパソコンに向かって年内3回に実施したエージェントたちの健康診断のデータを整理していた。また、整理し終えたデーターは印刷し、記録ファイルに閉じていた。
「ドクター竹田、新しいファイルを持ってきました。今まで3回はエージェントたちの診断結果は全て大丈夫でしたね。」
と看護師が話した。
「ありがとうございます。そうですね。」
竹田医師のパソコンには、エージェントたちの健康診断の結果が記録されており、とても重要な極秘データーとなっていた。
医務室の自動ドアから少し離れたエレベーターロビー付近で、さっきの何者かが来て隠れてまたアダソン兄弟と連絡を取り始めていた。
「ジェイムズ、マック、どうやら医務室では医師がエージェントたちのデーターを整理しているようです。」
「わかりました。それを、『今回の計画』のためにコピーしてくれ。」
「でもどうすればいいのでしょうか?」
「私がお前に渡した、遠隔コピー機でコピーしてくれ。」
「了解です。」
と言って気付かれないように中に入って隠れ、その何者かは手のひらサイズのUSBメモリの挿し口付きの小さなボタンを押した。そう、アダソン兄弟が開発した遠隔コピー機である。
竹田医師がデーターを整理していると次の瞬間、パソコンの画面が消えてしまったのだ。
「あれ!消えた!パソコンが付かない!どういうことだ?」
その1分後付くと
「あれ、直った。今の一体何だったんだろう?」
と竹田医師がそう言って安心し切ったその時、パソコンの画面に
『100%コピー完了』
と出て竹田医師は驚いた。
「た、た、大変だ!エージェントたちのデーターが全て何者かによってコピーされた!」
「ええ!」
「早くコピーを取り消さないと!」
竹田医師は大急ぎで、キーボードをたたいて取り消ししたが、
『コピー取り消しできません』
と出た。
「嘘でしょう!これは長官に言わなくてはならない事態となった!」
竹田医師がそう言った後に、看護師は何者かがエレベーターに乗っていく瞬間を見たのだった。
「ドクター竹田!今誰かが、エレベーターに乗っていく瞬間を見ました!!顔は見えませんでしたが。」
「きっと、その人がデーターをコピーしたのかもしれません!」
そして、武田医師は長官室へ行くことにしたのだった。
何者かは、エレベーターの中でアダソン兄弟に次の事を連絡した。
「ジェイムズ、マック、無事コピーしました。」
「よくやった。」
「無事できたことに感謝する。」
「しかし、そろそろ存在が怪しまれてきました。どうすればよいのでしょうか?」
「姿を見えなくすればいい。」
「わかりました。」
と何者かはそう言って、指を鳴らして姿を見えなくした。