①この組織、やっぱり何かおかしい
もうそろそろお昼になる頃、だった。エージェントたちは3階に着いた。3階は休憩スペースで、目の前のガラス張りの窓の外には一面砂漠が見えていた。休憩するため、テーブルがずらりと置いてあり、右側の奥にはいろいろな自動販売機がたくさんあった。左側には、よく大学の食堂やバイキングレストランなどで見かけるような厨房から注文したものを受け取る場所があったのだ。今日の主な献立は、オムライスとカレーだった。
エージェントたちは、今日の献立から注文して受け取り、自動販売機で飲み物を買って座った。
そしてエージェントたちは、食べながら小声で話し始めたのだった。
「まだ誰もいない。ガラガラだな。」
「確かに。」
「何かさっきやばいことを僕たちが手伝ってしまったような気がする。」
「俺も実はそう思った。まあ、こうなったら、上の階まで見て壊滅を図るしかない!」
と新板がいった。
「そうだね。やっぱりここの組織は何かおかしいし、いつもと違うような気がする。さっきから。ボスは誰かと僕たちの事連絡していたような感じがしていたし。」
「確かに、ボスの行動も怪しかった。あと俺は構成員がじろじろ見ていたと感じた何かの合図を送っていたような気がする。」
「そう言えば、潜入する前僕ブルジュ・ファリファから少し離れた所で見たんだ!」
記ノ松言った。
「何を?」
「岡部部長かもしれない人が、僕たちの方を見て誰かと無線で連絡を取っていたんだ!」
「うそ!?それほんと?」
「僕たちが訓練し始めたころから、岡部部長の姿が突然消えたし、何かおかしいと思ったんだ!!」
「確かに岡部部長変だった。」
「言われてみれば・・・。」
「でも、岡部部長は遠くで見守っていたんじゃないかな?坂本長官と連絡とっていたんじゃないの?」
「いや、そんなはずはないと思うんだ!きっと、NMSPの組織ビルに侵入した何者かの正体は、岡部部長に違えない!」
「でも、岡部部長は何のために・・・?」
「そこがまだ謎が解けていない。まさか・・・、岡部部長・・・!」
「どうしたの?」
「アダソン兄弟が現れないという事は、岡部部長が代わりだ!つまり岡部部長は、アダソン兄弟と手を組んでいるにちがいない!」
「ええ?でも何で?」
「それもわからない」
「でも、アダソン兄弟はどこにいるんだろう?」
横田は気になって言った。
「別な場所で僕たちを監視しているのかもしれない。しかも、マックの彼女も現れないし、心配だ!」
と記ノ松は東崎のことを心配しながら言ったが、横田が次に
「そういえば、イルマさん車で送っている最中何かを僕達に伝えたいような感じがして様子が変だったような気がする。」
「確かに言われてみれば、まさかイルマさんの正体はマックの彼女だったにのか!」
「何でそれがわかるの?」
と横田は記ノ松に問いかけた。
「これはあくまでも僕の予想だ!本当はあの時、僕達に何かを伝えようとしたが、マックの指示で口止めされていたに違いない!でも本当かどうかまだわからない!次マックに出会った時は、彼女のことを聞くしかない!彼女も探さないと!」
「わかった。」
「ボスもおかしいから、しばらくの間ボスの様子を見よう!」
と新板は言った。




