③紀ノ松のためだけに作られた新しい剣
1日目の訓練が終わりエージェントたちは訓練室から出た。
「初日の訓練お疲れ様でした。」
と岡田が言った。
「お疲れ様でした。」
エージェントたちがそう言い終わると紀ノ松が
「ごめん、僕行きたい所があるんだ。」
「どこに行くの?」
「20階の武器管理官室にある武器開発室へ。今回のミッションで、またジェイムズが現れてもいいように新しい剣を作ってもらう。何が何でもAIIBSOの本部に潜入する前に絶対今度こそは!マックの彼女(東崎)のことも心配だ!今度こそジェイムズを倒し、マックから彼女を解放しなければ!」
紀ノ松はそう言ってから、先に武器開発室へと向かったのだった。
「エージェント5は、相変わらずジェイムズを倒すこととマックの彼女のことでいっぱいだな。」
「確かに。」
「きっと、前に言っていた先輩エージェントが殺されたからジェイムズをとても憎んでいるのでしょう。だからこそマックの彼女のことも心配なのだと思います。」
紀ノ松は、エレベーターで20階に武器開発室へと向いた。
着くとそこは、武器管理官たちが武器のメンテナンスをしていたり、パソコンに向かって仕事をしていた。またそのずっと奥は、武器庫となっていた。
「すみません。エージェント5です。用があって来ました。相原武器管理官長。」
「こんにちは。用件は何でしょう?」
「交渉です。僕だけのためにジェイムズと同じような新しい剣を作っていただけませんか?何としても次こそはジェイムズを倒したいのです。お願いします。」
「そこまで言うなら仕方がありません。作ってあげましょう。」
「本当ですか?」
「ええ、」
「ありがとうございます。また、訓練管理官からジェイムズの剣のデーターを借りてきて来ましたので、これを基にして作って下さい。ジェイムズのあの『水色に光る剣』の設計図はK &Gにはありませんでした。それに対抗できるような剣をよろしくお願いします。」
「わかりました。」
相原は剣担当の武器開発係を呼び、剣を作るように指示をした。そして、作り始めて何時間がかが経った後。
「エージェント5、剣が完成しました。」
相原は手に銀色の筒状の物を持っていた。
「それが剣ですか?」
「はいそうです。ジェイムズと同じく折り畳み式の剣で、『究極の禁断の剣』と同じです。つまり、相手の剣の動きがわかるシステムを入れました。」
「K &Gにはあの『水色に光る剣』の設計図がなかった中、データーだけで作っていただきありがとうございます。同じような剣という事は、これでジェイムズを倒すことが出来るはずだ!」
紀ノ松は喜び、剣を受け取ってから、さっそく試しに使うことにした。ボタンを押すと紫色に光る剣となった。ジェイムズが、今使っている『究極の禁断の剣』とまさに同じだった。宙に浮いて動くボールを剣に見立てて振った。すると、ボールが次にどこに行くのか剣のおかげでわかったのだ。
「こんな素晴らしい剣、ありがとうございます。これでジェイムズと同じく究極になれると思います。」
「いいえ、どういたしまして。」




