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短編シリーズ

500回も異世界転生したら流石にテンプレにも飽きるって話

作者: だるは

流石にふざけすぎました。

コメディ調にしたので許してください

 俺の今の状況を説明しよう。簡単にいえば大型トラックに背後から突進を食らって空中で走馬灯を見ている。

 

 無様にくるくる回転しながらだ。でも安心してくれ、もう慣れっこだから。

 

 確かトラックで死んだのは200回目だったかな? 『何言ってんだコイツ』と思った君、大丈夫、俺もそう思う。


 実は俺何回も死んで、何回も異世界転生してるんだよね。


 あー! 待ってくれ! 『またいつものか』なんて思わず話を聞いてくれ!!


 いや、俺もこのサイトで夜な夜なファンタジー小説を読み漁ってたからその気持ち分かるさ。『またこれか』なんて思いつつ『異世界転生出来たらどんなに良いだろう』なんて考えてたよ。


 そしたら急に通り魔にブスー!って刺されてさ、『あ、死んだ』って思ってたら神様だっけ? が現れてさ、気づいたら中世の町並みに!! とかめっっちゃ混乱したよ!?


 初めはさ、チート能力で無双したりとかハーレム作ったりとかやってウハウハしてたよ? でも500回は飽きるって!!!


 あ、意識途切れてきた、転生しそう。俺くらいの転生のプロになると行きたい世界にやんわり誘導できるんだよね―――


 

 『王様! 召喚に成功しました!』

 

 ん? 召喚パターンは王道だけど転生したのに赤ん坊からじゃないのは珍しいな。

 

 『おお! 良く来た勇者よ!』


  とりあえず困惑した振りでもしておくか。

 「!? 俺は学校に向かっていたはず……」

 

 俺も慣れたもので演技なんてちょちょいのちょいだな。これは多分あのパターンだな……


 『王様! コイツ"スキル"がありません!!』

 『なんだと!?』

 はいはい出ました、召喚されたのに追放パターンね。いつも思うけど王様理不尽すぎない?


 おっと、そう言えば目的を伝え忘れてたな。俺はもうテンプレに飽きちまったんだ。それである日思い出したんだよ。前前前前前……まあ引きこもりだったときの俺はいわゆる「逆張り野郎」だったことをね。


 そう、だから俺の目的は「転生テンプレに逆張りすること!」だ。なんだそれって思うだろうけど、500回も転生してれば君もそうなる。


 というわけで先ずは追放を避けないといけないよな……どうしたものか……そうだ!!


 俺は王様が何か口にする前に立ち上がり、おもむろに護衛をぶん殴り気絶させる。


 『なに!?』


 よしこうすれば役立たずだとは思われないだろう。ちなみにこれは63世界前の俺の格闘術だ。


 『スキルはないが、腕利きの護衛を一撃とは……』


 あれ? まずいな。これじゃ無双系テンプレ一直線だぞ? なんとかせねば。


 『素晴らしい!! では――』


 「いってえぇぇぇ!!!!」


護衛を殴った右腕を抑え、うずくまって転げ回る。どうだ王よ。12世界前に鍛えた俺の演技力は!!


 『だ、大丈夫か? まあよい、とりあえず金貨10枚あげるから、魔王討伐たのむよ。』

 

 当然金貨は受け取らず逃げるように城を出た。ここまでやればもうただの一般人に―――


 『やめてくださいっ!』


 ああまずい、屈強な男達に狙われる獣人の美少女が見えるよ。助けたら確実にテンプレに近づいちまう。


 「やめろ!」

 

 120世界くらい前魔王だったときの威嚇をすればたちまちに筋肉だるまたちが逃げていった。さすがにそこまで人間は捨てていないぞ。


 『あ、あのお名前を……』


 一目散に全力ダッシュでその場を離れる。ごめん、名も知らない少女よ。


 それにしてもテンプレ過ぎないか? 回避するだけで一苦労だ。


 ん? なんだこれ、地面がへこんで…… あ、直感で分かる、これ隠しダンジョンだ。


 ダンジョンの主になったこともあったっけなー。


 蓋を開け、ダンジョンの中を覗く。


 『あぶなーーい!!!』

 

 へ?


 次の瞬間俺の頭に飛んできた剣が刺さり、俺は死んだ。え? 今回ダサいし唐突すぎない?


 まあいいや。慣れっこだし。次はどんな所に転生するのかな?


 いや走馬灯邪魔!! ほぼ王様しかいない!! はよ終わってくれ!!!


 走馬灯が終わって目を開ける。さあ中世か? 


 薄らいだ目を擦っていると視界に自分の手が映った。


 「あー、悪役令嬢ねー」


 今までから想像できないほど華奢な細い指が少女になったことを指し示している。


 大丈夫、初めて少女になったときは混乱したけど……まあ500回は伊達じゃないってことだ。


 意識がはっきりしてきて前を見ると紅茶をかけられた使用人の少女が涙目で横たわっている。


 あー、本当に悪役なんだな。テンプレだと確か何だかんだあって男と恋愛だったっけ?


 「さっさと掃除しておきなさい!」

 そう吐き捨ててその場を離れる。気分の良いものではないが致し方ない。すまない使用人よ、逆張りのためだ。


 廊下を適当に進んでいると前から整った顔立ちに高い身長、極めつけにキラキラの金髪の男が歩いてきた。


 『ソアラ! もう貴方の行いにはうんざりだ! 婚約を破棄させてもらう!!』


 しまった……たしかテンプレには婚約破棄もあったか。というかこの体ソアラって言うのか……


 さすがに時間は戻せないので了承しておくか。


 「あー了解でーす。」

 こんな男に俺の演技力を披露する必要はないので棒読みで言ってやると金髪はしばらく呆然としていた。


 なんとなーく奥に向かうとでかい扉があった。バーン!と勢い良く開くと中に父上っぽい人がいた。


 『ソアラ、レン子爵との進展はあったのか?』


 あの金髪はレンか。子爵となるとワンチャン政略結婚狙ってた口か?


 「いやー父上、婚約破棄されちゃいましたよー、えへへ」


 『なんだと!! 何のためにお前を作ったと思ってるっ!!! 処刑だー!!』


 そして俺(私が正しいか?)はギロチンで首をやられた。まだ小さいソアラの処刑ノータイムで決めて、しかも誰も止めないとか倫理観ぶっ壊れてるだろ。


 また転生か……


 503回目、まぶたを開くとそこは中世でも何でもない、幻想的で無機質な空間だった。


 (なんか見覚えあるな。)


 『貴方は死にました。ですが神である私が転生させてあげましょう。』


 目の前にいたのは俺が度々お世話になった神様だった。あれ? なんか目が虚ろだな。


 「なんか目虚ろだけど大丈夫そ?」


 『貴方は死にました。ですが神である私が転生させてあげましょう。』


 ああ駄目だ、転生させてあげましょうBOTになってるわ。


 「本当に大丈夫か? 神さんにはお世話になったから話聞いてやるから!」


 神さんの肩を揺らすと頭をガクンガクンさせながら語りだした。


 『実は私、転生管理会社の下っ端社員なんです。』

 

 管理会社? そんなものあんの?


 『その会社が本当にブラックでして。あー!!あのクソ上司がっっっ!!!』


 唐突に目を見開いて叫ぶのに気圧される。神にもブラックとかあるんだ。


 『貴方には失礼なことをしましたね。急がしすぎてテンプレしか用意できませんでした。』


 「いや、百歩譲ってテンプレは良いんだけどさ、500回はどうなの? きついよ?」


 『ああ、それでしたら……』


 何やらゴソゴソとポケットを漁ると中からくしゃくしゃに丸められた紙がでてきた。


 『この「転生心得」の第一か条の「転生させる目的は救いようの無い奴を改心せること」のせいでしょうね。』


 ん? それってつまり……


 『貴方は何度やってもどうしようも無い奴だったということですね。』

 

 はあ!? 俺ただテンプレ進んでただけなんですけどお!?!?


 「ま、まあ人の心は転生なんかじゃ変わんないってことでしょ……」 


 「じゃあ俺がこの会社変えるよ!」


 実際変えられるとは思う。何回かダンジョン経営とかしたしね。


 『本当ですか!? ぜひお願いします!!』


 「さあ! 俺たちの戦いはこれからだ!!」



        ~完~

いつもとは違った作品でした


お読み頂きありがとうございました。

不定期に短編を投稿しております、だるはです。

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