11話 閉じ込められる
沙衣たちは辛抱強く歩き続ける。すると再び社が見えてくる。沙衣が言う。
「私たち閉じ込められているわ。」「ああぁ~」
ADの1人が崩れ声にならないうめき声を出す。
「とりあえず、ここを調べましょ。」
ADの2人は限界なのかもうろうとしている。祐二は野望のためにと社の周囲を調べ続ける。
沙衣は社を調べる。社にはカギがかかっていない。沙衣は社の中を調べる。社の奥には緑青の浮いた銅鏡が置かれている。彼女はこの社の御神体だと考える。
彼女は他にこれと言ったものは見つけられず社から外に出る。すると2人のADが座り込んでいる。
彼女はみんなに言う。
「今日は社の中で寝ましょ。」
ADはふらふらと社の中に入ってゆく。祐二が沙衣に言う。
「何か出られる方法はありましたか。」「まだ、ないわ。」
「明日も頑張りましょう。」「祐二は強いのね。」
祐二の心が軽くなる沙衣に褒められたのだ。2人が社に入るとADは倒れたように寝ている。
祐二は沙衣の横で寝ようとするが彼女は怖い顔で言う。
「2メートル以内に近づいたら殺すわよ。」「せめて1メートルにしてください。」「だめ。」
彼は仕方なく2メートル離れたところで寝ることにする。
沙衣が目を覚ます。まだ、社の外は暗い。時計を見ると午前8時になっている。沙衣は祐二を起こす。祐二は寝ぼけて沙衣に抱き着く。彼女は彼を投げ飛ばして足蹴にする。
ADも起きてくる。ADが聞く。
「何やっているんですか。」「祐二が抱き着いたから折檻しているのよ。」
「こんな時によくやりますね。死ぬかもしれないんですよ。」「まだ、決まっていないでしょ。」
「そうですけど、出られそうにないじゃないですか。」「入れたんだから、元の世界と繋がっているわ。」
「はあぁ~」
沙衣は、このままではADの気力が持たないと考える。彼女の足が止まると祐二が沙衣の足に抱き着く。
「何、考えているのよ。」「つい、きれいな足があったから。」
「離しなさい。」「嫌です。結婚してください。」
「変なこと言わないで。」「僕は本気です。」
沙衣は後ずさるが祐二がずるずると足につかまったままついて来る。彼女は足を取られて転ぶ。彼女の手に銅鏡が触れる。彼女はとっさに銅鏡で祐二の頭を殴る。
すると突然、社に日が差してくる。沙衣はADに言う。
「外を確認して。」
ADはのろのろと社の扉を開ける。ADは急に元気になり叫ぶ。
「帰ってきたぞー」
沙衣と祐二も外を見るとダム湖に戻っている。彼女は祐二がご神体の銅鏡に触れたから退魔の力が働いて元の空間に戻ったと考える。
しかし、彼女はこのことを隠しておくことにする。
翌日、AD2人はテレビスタッフの遺品であるビデオカメラを持ち帰ったとしてテレビに出演する。
2人は質問に答えるが沙衣と祐二のことは話さない。テレビ局は沙衣との約束を守った様である。
沙衣たちは生還したため、祐二にボーナスを渡す。祐二は言う。
「ボーナスより君が欲しい。」
沙衣は黙って祐二を殴る。彼はまだ変なスイッチが入ったままである。




