8話 沙衣、依頼される
中野沙衣探偵事務所は、沙衣がまだ大学生のため夕方の2時間だけ事務所を開けている。その事務所に夕方、男が訪れる。
祐二が応対に出る。
「こんにちは、何か御用ですか。」「私は鵜飼と申します。中野沙衣所長はお見えになりますか。」
事務所の奥にいた沙衣が言う。
「中野沙衣は私です。」「先生になにとぞ力添えをおねがいしたいのです。」
「どのような要件でしょうか。」「私はテレビ局の局長をしています。」
沙衣はテレビ局と聞いて警戒の色を濃くする。
「知って見えると思いますが、テレビ局のスタッフが生放送中、ダム湖で遭難しました。彼らの捜索に力を貸していただきたいのです。」「私はテレビに出るつもりはありませんのでお断りします。」
「先生が依頼をお断りしたのは承知しています。」「ならば私の答えは分かっていると思いますが。」
「今回はテレビには放送しません。」「どうして放送しないのですか。」
「目的が人の救出だからです。」「ならばもっと早くに行うべきだったのではないですか。」
「これまで騒がれていましたので静かになるのを待っていたのです。」「それでも危険です。私の手には負いかねます。」
「そこをお願いします。先生しかいません。」「・・・」
「依頼料はいくらでも払います。」「それなら前金で払ってもらいますよ。」
「はい、お支払いします。」
沙衣は高額の金額を吹っ掛けて諦めてもらうことにする。
「この金額なら仕事を受けましょう。」
紙に金額を書いて鵜飼に見せる。鵜飼の顔が青くなる。
「わ、分かりました。お支払いします。」
鵜飼は沙衣の目の前で小切手を切る。沙衣は驚く支払えるわけがないと思っていたのだ。
「これで先生にお協力いただけますね。」「分かりました。私たちは、助手と2人で参加します。」
「こちらはADが2人参加しますので使ってください。車と機材も用意しますが他に必要なものがあれば連絡ください。」「それではマーカーを用意してください。テレビではロープが役に立たなかったようですから目印をつけて行動したいと思います。」
「ペンキのスプレー缶でよろしいですか。」「はい。」
「では、明日からお願いします。」「はい、分かりました。」
鵜飼は事務所の外に止めていた車に乗り帰って行く。祐二が小切手を見る。
「これ0が多いですね。えーっとこの金額本当ですか。」「生きて帰れたら、ボーナス出すわよ。」
沙衣は、音鳴村にかかわることになる。




