1話 鳴沢村と音鳴村
鵜池猛と鷹山康は、2人で廃墟や心霊スポットへ行き、ネットにライブ配信をしている。
鵜池猛がナレーターで鷹山康がカメラマンである。彼らは久遠市へ来ている。
2人はそこから山道に入り、ダム湖を目指している。今年は雨が降らず、ダム湖は干上がり、沈んだ村が姿を見せていた。
彼らはダム湖に着くと早速配信を始める。鵜池猛が調子よく話す。
「鵜の目鷹の目、今夜はどこへ行く~の時間です。えっ、まだ昼だって、本番は夜8時から始めるから心配なく。」
「今、俺たちがいるのは、音鳴村で有名な山の中。そこのダム湖にきてまーす。」
「ダム湖の水は干上がっていて、沈んでいた鳴沢村が姿を見せてます。」
「そこまで言えばわかるよね。俺たちは鳴沢村へ行って、ほんとは音鳴村ではないか確かめます。」
「8時からの配信たのしみにしてねー」
予告の配信を終えると康が言う。
「明るいうちに村を見ておくか。」「それじゃあ、生中継にならないだろ。」
「それがな村の入り口に地蔵のようなものが5体あるんだよ。」「何、見せてみろ。」
猛は康の持っている望遠レンズ付きのカメラを手に取ると村を見る。康の言う通り村の入り口に5個何かが並んでいる。
「これはいいなー、盛り上がりそうじゃないか。」「本当に音鳴村だったらどうする。」
「俺たち有名人じゃん。」「行ったら戻ってこれないというぞ。」
「行方不明の人が出てたら騒ぎになるだろ。大丈夫だって。」「ならいいが・・・」
「康は心配性だな。俺たちうまくやってきただろ。」「ああ。」
2人は、下見をせずに水没した村の址に向かうことにして、夜を待つ。
暗くなり2人は準備を整える。そして、午後8時になるとライブ配信を始める。
「こんばんはー、鵜の目鷹の目、今夜はどこへ行く~の時間になりました。予告通り、鳴沢村に行きます。辺りは真っ暗です。早速、村へ行きます。」
2人は、足元に気を付けながら干上がった湖底を歩いていく。彼らにあるのはヘッドライトの灯りだけである。しばらく歩くと村の入り口に着く。
「今歩いて村の入り口に来ました。入り口に何かありますねー」
康がカメラをそちらに向ける。石か岩のようなものが5個並んでいる。猛がその1つについている乾いた泥を取り省いていく。
「これは、何かの像ですねー」
さらに泥を取ら省くとそれは地蔵だとわかる。しかし、頭が無い。
「何とこれは地蔵です。それも首無し地蔵だよ。やばいなーこれー」「しかも、5体あるって音鳴村じゃん。まじかよー」
「ちょっと怖くなってきたなー、行く、やめる・・・ここまで来たんだし行くしかないよね。それじゃぁ、村に入ります。」
彼らは村へ入って行く。家々は泥で汚れているがここに暮らしがあったことが判る程度に形を残している。
「水に沈んでも家の形は残っていますね。屋根が残っている家もあります。」
彼らは、周りを撮影しながら村の中を進んで行く。




